2023年に出発が予定されている火星移住計画・
マーズワンに詐欺の疑いが浮上しています。
中国紙の報道によると、この火星移住プロジェクト「マーズワン」の責任者がマスコミに対して「2023年の実行は計画が想像以上に難航しているので難しい」と語ったことで、中国人が代金の返還を求めているとか。
それにしても私はこの計画を聞いて驚いたのが、
火星への片道切符ということです。
いったん地球を離れ火星に居住できたとしても二度と地球に戻ってこれないのです。
参加希望している人って覚悟の上なんでしょうけどいったい何を考えているのか・・・
火星にはこれまでいくつかの探査機が送り込まれ、最近になってやっと地下に水が存在しているかもしれないとか、何処からかメタンガスの発生が確認されたりと、かろうじて生命が存在するかもしれないと言われているくらいです。
関連リンク:火星にメタンガスが発生!生命の証拠になりうるのか?
それくらいまだ未知の世界で、人類が永遠に居住できる場所とは断定されていないのです。
にもかかわらず壮大な火星移住計画をぶち上げるだけでなく参加者を募集していることを知り本当に驚いてしまいました。
私は当初この計画について懐疑的に見ていましたが、何故かネット上や各メディアでも否定的な意見が無かったので不思議に思っていました。
また最近になってNHKが特集を組んで参加者と思われる人のインタビューをしていたりイメージCGを流していたのを見て、本当に火星に行くんだなと信じてしまいました。
インタビューには顔を出して次のように応えていました。
ドイツ人で40代のエンジニアは、子供のころから宇宙飛行士を夢見て採用試験の最終選考まで残った経験があり、宇宙への夢が諦めきれずに応募したそうです。
20代のアメリカ人夫婦は、「誰も経験したことのない冒険に参加したい、私たち夫婦ならどんな問題が起きても解決できる自信がある」と語っていました。
他には20代のイタリア人や30代のNASAエンジニアでアメリカ人など数名が、「幼いころからの夢」「人類の未来に貢献したい」と語っていました。
この映像を見れば誰だって信用してしまいますよね。
日本の国営テレビが放送していた内容なのですから・・・
計画だけですでに100万ドルが支払われている
計画だけで驚いたのにこれを信じてお金を支払っている人が大勢いることにさらに驚きました。
これまで8万人が応募してきて、そのお金の合計が100万ドル、日本円にして1.2億円。
一人あたり1500円となります。
ということは1500円くらいなら話のタネにダメ元でもいいやってことで支払ったのかもしれませんね。
もっとも、実現すれば1人当たりの費用が約5000億円かかるとのことで、一般の人には無理でしょうけど・・・
火星まで8カ月の長旅を耐えられるのか?
火星は地球のすぐ外側を公転しているので簡単に行けそうですが、現代の科学では早くても8カ月かかるそうです。
その8カ月を耐えることができるのかが問題になってきます。
宇宙旅行が20年後に実現?
で書いてありますが、NASAでは「火星ミッション模擬実験」なるものを開始していて、火星移住に向けて実験を開始しているのです。
聞くところによると、8カ月も閉鎖された空間で人の感情やコミュニケーションなど、本当に耐えられるのかもはっきりしていないそうです。
NASAでさえこのような実験を行ってデータを集めようとしているのです。
ところがマーズワンではそのような実験を行ったとの報道はなく、計画も無いようです。
火星で病気になったら治せるの?
仮に火星移住が実現できたとして人数は限られています。
もし火星に行ってから病気になってしまったら専門医がいるとは限りません。
また地球に存在しないウィルスが火星いれば、感染したら免疫が無いので発病する可能性が高いです。
そうなると治療法も無いし薬も無いわけですから自力で治すしかありません。
これはちょっと怖いですよね。
映画「宇宙戦争」で地球侵略を試みた宇宙人が地球のウィルスで全滅してしまったように、地球人にも同じことが言えるのではないでしょうか。
関連リンク:映画「宇宙戦争」とインフルエンザ予防接種
火星の低重力下で人体に悪影響が
火星は地球の重力の38%なので体重が60kgの人が火星に行くと23kgになります。
こうした火星の定重力下で長期間過ごすことで人体にどのような影響が出るのかはっきりと分かっていません。
国際宇宙ステーションで半年もすると、地球に帰還したら自力で歩行できなくなったといった事例もあるそうです。
地球の3分の1の重力といえども人体への悪影響は避けられないと見られています。
以上ざっと取り上げてみましたが、他にもいっぱい問題点があるはずです。
こうした問題点をマーズワンではどのように回答しているのか?
興味は尽きません。
それにしてもこのようないい加減な火星移住計画を何故、世界は信用してしまったんでしょうか?
ひょっとしたら「火星への片道切符」という衝撃的な言葉が逆に世界を信用させてしまったのかもしれませんね。