彗星

日本ではここ何年もお目にかかることが無かった大彗星が2020年5月末あたりに早朝に観測できるかもしれないと話題になっています。

その名は「ATLAS彗星」

ただ2013年大彗星になるのではと期待されながら太陽に接近しすぎて蒸発してしまった「アイソン彗星」の例もあるように、実際にその日になってみないと分からないというのが現状のようです。

さて今から2か月後に迫っている「ATLAS彗星」の接近で大彗星となって日本の夜空を飾ることができるのか・・・

納得した女の子

久々の大彗星が観測できるかも

今回は「ATLAS彗星」について注目してみました。

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彗星の基礎知識

彗星は「汚れた雪だるま」と言われ、氷と砂利の塊のような構造をしており、太陽に近づくにつれて太陽の熱と太陽風に晒され氷が溶けだすことでほうきのような姿になるとされています。

天文用語としては、小惑星や惑星間塵と同じ「小天体」に分類され、ガスや塵が太陽風によって広がる姿は「ほうき星」とも呼ばれます。

彗星本体のことを「核」と呼び、太陽に近づくにつれて熱によって表面の氷が蒸発し、まるでガスに包まれたボールのような姿になり、これを「コマ」と呼んでいます。

彗星の尾と構造
出典:国立天文台

彗星の尾は「イオンの尾」と「ダストの尾」の2本に分かれ、太陽とは反対方向に伸びていきます。

こうした尾の長さが地上からどのように観えるかは彗星の規模や位置関係によって違ってきますが、歴史上で有名な「ハレー彗星」は核が地平線に沈んでも尾だけは頭上まで90度以上に見えたという報告もあります。

ATLAS彗星はどのくらいの規模になるのかは実際に見てみないと分からないようです。

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ATLAS彗星は長周期彗星

彗星には楕円軌道を描いているのが特徴ですが、その周期によって「短周期彗星」と「長周期彗星」と呼ばれています。

ATLAS彗星は「長周期彗星」に分類され、周期は6124年とされ、太陽系外縁部にある「オールトの雲」からやってきたのではないかと考えられているようです。

オールとの雲とカイパーベルトと彗星軌道
出典:国立天文台
驚く男の子

ATLAS彗星はずいぶん遠いところからやってきたんだね。

2019年12月28日におおぐま座の方角に発見され、ハワイの観測システム「Asteroid Terrestrial-impact Last Alert System(小惑星地球衝突最終警報システム)」の頭文字をとって名付けられたようです。

発見当初は太陽から4億3900万km離れていたこともあり明るさは20等級と暗かったとのこと。

計算上2020年5月31日に近日点(太陽に最も近い位置)を通過する予定で、その際にはコマの大きさも木星の2倍に達すると予想されています。

ATLAS彗星の軌道を描いた動画がありましたのでご覧ください。

出典:Comet 2019 Y4 (ATLAS) may become very bright – See its orbit

またATLAS彗星と惑星の動きを立体的に確認できるシミュレーターがあるのでこちらも併せてご覧ください。
下に1日、1週間、1か月のボタンがあるので、その都度クリックしてみて動きを確認してみてください。

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ATLAS彗星は近日点での明るさは太陽並み?

ATLAS彗星は5月末に太陽との近日点を通過するとされていますが、その時の距離が3780万km

水星の軌道半径が5,791万kmですからそれよりも内側を通過することになります。

そしてコマの大きさが木星の2倍という大きさとなるとされています。

気になる明るさですが、現在の明るさを元に今後の明るさを予想したグラフがネット上にありました。

Atlas彗星の光度予想グラフ

近日点通過時点ではマイナス25等級と予想されており、太陽の光度がマイナス26.7等級と比較してもとんでもない明るさとなります。

ということは太陽が2つ並んで見えるかも?なんてことになりますが・・・^^;

と単純に考えればこう思うかもしれませんが、これはあくまで一天文単位における絶対光度であって、ATLAS彗星と地球の距離で変わってきます。

つまり近日点通貨時点における地球との距離ではそれよりも暗くなると考えられます。

今のところの予想ではマイナス10.7等級という明るさが予想されているようですが、満月の明るさがマイナス12.7等級と比べても如何に明るく輝くのが予想されているのかが判ります。

地上からの観測位置ですが、発見当初はおおぐま座にあったATLAS彗星も、3月末現在はキリン座まで移動しており、5月23日までにペルセウス座まで移動しこのあたりで地球に最接近するものとされています。

5月31日の近日点通過時には日の出一時間前の東の空を飾るとされ、日没の一時間前には沈むとされています。

いずれにしても太陽に近い位置での観測になるので比較的短い観測時間となりますが、一生のうちに何度も見られる天体ショーではないので是非、早起きして美しい姿をあなたの目に焼き付けておいてくださいね。、

納得した男の子

めったに見られない天体ショーだから絶対観てね