オールトの雲

宇宙の話をしているとたまに耳にするオールトの雲

当ブログでも何度か出てくるオールトの雲ですが、その実態は確認されていません。

そもそもオールトの雲は仮説の領域で、「彗星の故郷」「太陽系の果ての天体」とも言われ、その大きさはとてつもなく大きなものなんです。

オールトの雲はどのような天体なのか、太陽系にはどのように関わっているのか気になります。

ここではオールトの雲について詳しく見ていくことにします。

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オールトの雲の全体像

オールトの雲は太陽系の遥かかなたを球殻状に取り巻いている天体群ですが、その全体像を語る前に太陽系に存在しているカイパーベルトについて解説します。

カイパーベルトとは海王星の外側を公転する氷微惑星を主体とする天体群ですが、オールトの雲と同様に彗星の生まれ故郷と考えられています。

カイパーベルトのイメージ画像がコチラ
カイパーベルト

カイパーベルトでは小天体が黄道面付近を公転しており、穴の開いた円盤のような領域で太陽から30~48天文単位と広い範囲に存在しています。

海王星が太陽から30.1天文単位ですから、大まかに言えば海王星から外側の領域ということになります。

これまでカイパーベルトに1000個以上の天体が見つかっており、小さいものまで含めると数十億個の小天体があると考えられています。

ちなみに太陽系第9惑星とされてきたのが準惑星として降格した冥王星もカイパーベルトの属する天体とされています。

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彗星には短周期彗星と長周期彗星があり、短周期彗星は公転周期が200年未満に対して、長周期彗星は200年以上か、あるいは二度と戻ってこない非周期彗星のことをいいます。

これら2種類の公転周期を持つ彗星の故郷というのが、短周期彗星であればカイパーベルト、長周期彗星であればオールトの雲というわけです。

オールトの雲のイメージ画像がコチラ
オールとの雲とカイパーベルト

オールトの雲の直径は太陽から1万~10万天文単位と、カイパーベルトの大きさ(30~48天文単位)と比較してかなり太陽から離れているため、ここから太陽に落下してくる彗星だけに公転周期が長くなります。

公転軌道の特徴としては短周期彗星は黄道面付近の公転しているのに対して、長周期彗星は不安定で、黄道面に対して垂直の軌道をとったり、逆公転の軌道をとっている彗星もあります。

新彗星は地球に接近して観測可能になれば軌道が計算できるので公転周期が求められ、その数値により太陽から30~50天文単位であれば短周期彗星、それ以上の周期であれば長周期彗星となります。

ちなみに明るく輝く彗星には長周期彗星が多いとされています。

その理由は短周期彗星は発見時点ですでに何度か太陽に接近したと考えられるため、彗星の尾を形成する揮発成分が失われている可能性が高いからです。

過去に記録的な明るさに達した彗星と公転周期をいくつか挙げて見ます。

池谷・関彗星
1965年、-17等級にまで達し、尾は25度の長さに伸びたといいます。
太陽に接近後、核が2つに分裂したため、それぞれの公転周期は、877年、1057年という数値が算出されました。

ベネット彗星
1970年、-3等級までに達し、尾の長さも20度ほどに達したといいます。
公転周期は、3600年とされています。

ウェスト彗星
1976年、-1等級に達して、尾の長さは30度にも達しました。
公転周期は、558,300年とされています。

ヘール・ボップ彗星
1997年、-1等級に達し、尾の長さは30~40度にも達したそうです。
公転周期は、2534年とされています。

これらの彗星の公転周期は全てが200年以上となっており、長周期彗星と判断されオールトの雲からやってきたものと考えられます。

多くの人を魅了した大彗星だけに二度と見ることができないなんて皮肉なものですよね。

ちなみに接近するたびに大彗星になるのではと期待されている「ハレー彗星」は短周期彗星ですが、核が8×8×16㎞と大きいのと、通常の彗星は太陽接近時でも1天文単位以上なのが、ハレー彗星の場合は0.58天文単位とかなり太陽に接近するために揮発する物質が多くなるために大彗星となるそうです。

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オールトの雲の由来

オールトの雲はオランダの天文学者ヤン・オールトが彗星の周期に、長周期と短周期の2通りがあることから提唱されたもので、太陽系を球殻状に包み込んでいると考えられている仮想的な天体群です。

主な成分は、水や一酸化炭素、二酸化炭素、メタンといった物質が凍った状態になっていると考えられています。

こうした考え方は1950年に提唱されたもので意外と最近なんですよ。

では何故、オールとの雲という仮説が考えられたのか・・・

先にも書きましたが、それは太陽に落下してくる彗星の軌道が短周期彗星の場合はほぼ黄道面付近なのが、長周期彗星の場合は黄道面に関係なく傾斜も様々なために長周期彗星はオールとの雲からやってくるのではないかと考えられたのです。

オールトの雲はどのようにして形成されたのか

オールとの雲は太陽系が誕生したときに取り残されたものという考え方と、木星付近にあった氷や微小天体が木星の巨大な重力によって外縁部にはじき出されたの考え方があります。

現在有力なっている説は後者の方で、カイパーベルトとして小天体群が形成されたのも説明がつくといいます。

オールトの雲に探査機が向かっている

NASAによると2018年12月11月5日に探査機ボイジャー2号が太陽圏の外側にある星間空間に到達したとの発表がありました。

ボイジャー2号の前に打ち上げられたボイジャー1号は2012年に太陽圏を飛び出し星間空間に到達したとの報告がありますから、これで2機目ということになります。

太陽圏とは太陽風が検地できる範囲のことをいい、現在ボイジャー1号、2号は両機とも100天文単位を超えていますから、カイパーベルトの外側にまで達していることになります。

もちろんオールとの雲まではまだまだ距離がありますから、ボイジャー1号2号が到達するのは遠い未来の話になってしまいます。

また、たとえ到達しても地球との通信は2030年で途絶えることになっているためどちらにしてもオールトの雲を確認することは不可能ということです。