太陽系で環のある惑星と言えば、宇宙に興味のない人でも土星が浮かびますよね。
土星の環は土星の自転軸の傾きにより地球からの観測で観えなくなってしまう現象が15年に一度起こることはよく知られています。
ところが本当に土星の環が無くなって消えてしまうことになりそうなんです。
ということは今までの土星はやがて環のない“ミニ木星”になってしまうのか!?
いったいどういうことなのでしょうか・・・
土星の環は一億年後に消滅?
NASAの土星探査機カッシーニが取得した赤道付近の詳細なデータによると、土星の環は小さな氷の粒子で構成され、その粒子は土星に降り注いでいるとのこと。
何故そのようなことになるのかというと、氷の粒子は常に太陽の紫外線を浴びていることから電気を帯びていて、土星の磁場により引き込まれ「環の雨」となって土星に降り注いでいることが判明したそうです。
その雨量はオリンピック用のプールが30分で満杯になるほどの量に達するのだとか。
そこから土星の環の総量から推測すると、全てが消えるまで残り3億年という計算になるとのこと。
さらにカッシーニが取得した赤道付近の詳細なデータを分析したところ、土星の環は早ければ1億年後に消滅するとのこと。
詳しく解説した動画があるのでご覧ください。
出典:NASA
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土星の環が出来たのは恐竜の時代?
土星は太陽系が形成された初期段階において45億年前にできたとされ、土星の環はカッシーニによるデータ分析によると1千万年から1億年前に形成されたことがわかったとのこと。
1千万年から1億年前と言えば地球では恐竜が支配していたとされ、視力の優れた恐竜は土星に環があったのを知っていたかもしれませんね(^^♪
どうやってできたのかはまだ分かっていませんが、一説には衛星が土星に近づきすぎて潮汐力により破壊されてできたというものです。
あるいはエンケラドスから噴き出ている水蒸気が環の形成に一役買っているとの報告もあります。
環があるのは土星だけではない
当ブログ記事太陽系で環のある惑星は土星だけではありませんよ。でも解説していますが、太陽系の惑星では木星、海王星、天王星にも環があることが確認されています。
これだけ見ると環を持つことは質量の大きな惑星だけの特権のように感じますが、実は直径250kmの小惑星「カリクロ」にも環を持っていることが確認され、今後の研究課題のようです。
また太陽系外惑星でも土星の200倍もの環を持つ惑星も発見されるなど、惑星が環を持つことはさほど珍しいことでもなさそうです。
惑星が形成される段階で環が形成されるのは一つのステップなのかもしれませんね。
そして全ての惑星の持つ環は最終的には消滅する運命にあるのかもしれません。
しかし、今は小さな環しかもたない木星や天王星や海王星にも、かつては巨大な環があったのかもしれないとなれば、その時代にタイムマシンでも使って戻ってみたいですよね(^^♪
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エンケラドスの火山が環に粒子を補給?
当ブログ記事エンケラドスに生命が育つ環境を確認!に少しだけ書きましたが、エンケラドスから噴き出している水蒸気が土星の環を形成しているという仮説がありますが、もしこれが本当なら環の寿命もかなり伸びそうです。
研究チームは、公転周期の29.4年の間に太陽光のあたり方の変化における「環の雨」にも変化が観られるはずだと今後、明らかにする意向とのこと。
今後の研究報告を楽しみに待つことにしましょう。
せっかく美しい土星の環なんですから、いつまでもその姿を保ってもらいたいものですね。
それにしても土星本体と環の隙間を何度も周回して、最後には土星の大気圏に突入して燃え尽きるまでに、様々なデータを取得して地球に送ってくれた土星探査機カッシーニには感謝、感謝ですね。
カッシーニありがとう!