地球の寒冷化が想像以上に加速している・・・
これ、近年の温暖化や寒冷化といった短いサイクルの話ではなく、数億年単位の話なのでご心配なく(^^♪
今回はある研究により地球の寒冷化が加速しているとの研究報告についての話題に注目してみました。
あわせて読みたい:太陽活動が低下している?懸念される地球寒冷化
誕生以来少しずつ冷えてきた地球
スイス工科大学チューリッヒ校(ETHZ)などの研究者たちによると、地球が想像以上に熱を失うスピードが速い可能性が出てきたとのこと。
地球は46億年前に誕生したときにはドロドロのマグマに覆われていたのが、数億年の間に少しずつ冷えて現在のような多くの生命体に溢れた環境になっています。
つまり、今後地球は徐々に冷えていくことは避けることが出来ないということになります。
それがこの研究により地球が冷えるのが想定以上に速いとなれば、生命体の絶滅も早くなるというもの。
いずれ地球は生命に適さない環境になってしまうのか・・・
その原因というのが地球内部の熱伝導率なんだとか。
スポンサーリンク
地球中心部のコアとマントルの境の熱の放出が想像以上
地球は中心部が超高温になっていて、この領域を「コア」と呼んでいます。
その外側をマントルが対流しており、プレートの移動や地表にマグマを供給するなど、様々な現象を起こしています。
地震や火山の噴火などはマントルの対流により引き起こされているもので、地球が生きている証とも言えます。
そのコアとマントルの境目(上の図にあるD’’層の部分)にあるのが「ブリッジマナイト」と呼ばれる鉱物でできた層とのこと。
この層の熱伝導率を算出することで熱の伝わり具合が判ります。
そこでブリッジマナイトの熱伝導率を測定できるように再現したところ、従来の1.5倍もの熱伝導率であることが判明したとのこと。
熱伝導率が高いということは、熱の伝わり方が大きいということ。
つまりそれだけ熱が多く逃げていることになります。
その結果想定より早い段階でマントルの動きが弱まるとのこと。
またブリッジマナイトは冷えると「ポストペロブスカイト」という鉱物に変化するとされています。
ポストペロブスカイトはブリッジマナイトよりも熱伝導率が高いため冷えるのが加速するといいます。
マントルが冷えると大気が剥ぎ取られる
地球の大気は磁場により守られています。
地球には太陽風が降り注いでいますが、磁場は太陽風を遮る働きがあり、大気が剥ぎ取られるのを防いでいるとされています。
その磁場を作り出しているのがマントルの対流とされており、これをダイナモ効果と呼んでいます。
ということはマントルの対流が弱まると磁場の力が弱まり太陽風により大気が剥ぎ取られていくことになります。
また有害な宇宙線が降り注ぎ、さらに生命は生きていくことが出来なくなります。
実際に内部が冷えて磁場が弱くなり、太陽風により大気が剥ぎ取れれてしまったと考えられる惑星が地球の隣の惑星である火星です。
スポンサーリンク
火星の水もマントルが冷えたことで消失
火星は太古に大量の水に溢れた惑星と考えられています。
その証拠というのがNASAの火星探査による数々の画像です。
こうした三角州は水の流れが無いとできないはずで、過去に大量の水が存在していた証拠です。
現在でも多少の水が流れているようで、多くの筋状の模様が観えますよね。
太古の火星はこんな外観ではないかと考えられ、それが現在の火星の姿になりました。
これも磁場が弱まり太陽風によって大気が剥ぎ取られて現在の干からびた姿の火星になったと考えられています。
あわせて読みたい:火星に過去、海があったって知ってましたか?
ちなみに火星の磁場を地球と比較するとこのようになります。
地球の磁場は地球を大きく取り囲むようになっているのが、火星の磁場は所々ポツポツとしか存在していないことが判りますよね。
これでは火星に大気を留めておくことが困難であることが想像できます。
あわせて読みたい:火星の大気が消失したのは磁場が無いから?
まとめ
地球が想定以上に早く冷えているとの研究報告ですが、地球も遠い将来火星のように大気の薄い惑星になるかもしれません。
これも生命体で溢れた今の姿も地球の長い歴史にとってほんの一瞬の出来事なんでしょうね。
その時人類がどのようにして生き延びるのか、人類の英知に期待ですね。
いずれにしても数億年先の話になるのでその時になったら何とかなるでしょうけど(^^♪