太陽の光

地球を温めてくれる存在といえば何といっても太陽ですよね。

私たちがこうして生きていけるのも太陽のおかげです。

太陽から地球まで距離にして1億5千万km、光りの速さでも8分20秒もかかる遠い位置にあるにもかかわらず絶え間なく熱と光りを届けてくれています。

それだけ太陽は膨大なエネルギーを放出しているということ。

そんな太陽に近頃異変が起こっているとの事で、今後地球は寒冷化に向かうかもしれないというのです。

いったい太陽に何が起こっているのか・・・

今回は太陽活動の低下について調べてみたのでご紹介します。

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太陽活動の目安は黒点の数

太陽黒点

ここで太陽活動の基本的なことについておさらいしておきます。

ご存知のように太陽は中心部で核融合が起きており、そこで発生した熱と光りのエネルギーが太陽表面から放出されています。

この状態が太陽誕生以来46億年も継続されているわけですが、一見継続して輝いているだけに見える太陽表面も「太陽活動」と呼ばれる様々な変化が見られます。

その変化というのは「プロミネンス」「フレア」「黒点」「白斑」「粒状班」など。

こうした太陽活動はこれまでの観測によるとおよそ11年周期で増減を繰り返しているとの事で、地球の環境変化にも大きく関わっていると考えられています。

太陽の黒点は11年周期で増減を繰り返している

太陽活動の中でも私たち一般人でも観測可能なのが「黒点」です。

黒点とは黒い斑点として観測される部分で、周囲よりも1000~1500度ほど温度の低いために黒く見えています。

大きなものなら専用のフィルターを通せば肉眼でも確認することが出来ますが、初心者向け天体望遠鏡を使用すれば細かな黒点まで観測が可能になります。

何故黒点が発生するのかそのメカニズムは未だに解明されていませんが、分かっていることの一つに黒点が11年周期で増減を繰り返しているということ。

その観測をグラフ化したものが次の画像です。

11年周期の太陽活動
出典:Wikimedia

このグラフを見れば太陽活動が周期的に増減を繰り返していることが分かりますよね。

ちなみにグラフの山の部分が太陽の黒点が増加して太陽活動が活発になり、谷の部分が黒点の数が減って太陽活動が低下していることを示しています。

 

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黒点が出現する緯度にも11年周期がある

太陽活動の周期は黒点の数だけでなく、出現する緯度にも現れます。

活動具合によって緯度が変化するのです。

太陽活動が停滞期に入ると黒点は赤道付近に現れることが多いとされ、太陽活動が下限を過ぎたあたりからの黒点は、北緯35度、南緯35度付近に出現することが多く、太陽活動が活発になってくると黒点は北緯20度、南緯20度付近へ移動していくといいます。

この黒点の位置の推移をグラフにしたものは「蝶形図」と呼ばれ、蝶形図を見ても11年周期で変化していることがわかります。

蝶形図
出典:NASA

黒点の数や発生場所が11年周期で変化する原因はまだ分かっていないようで、今後の研究課題とされているようです。

動画で分かりやすく解説:BBC 神秘の大宇宙 DVD全9巻

2018年、太陽の黒点が消えた

このように11年周期で変化を繰り返している黒点も停滞期に入っていると見られ、2018年には黒点がまったく見えないこともざらになってきたといいます。

1755年に黒点の計測が記録されてから11年周期を1サイクルとして、現在は2008年から活動が始まった「第24太陽周期」の最終局面とされ、黒点の数は極小期となり殆ど観測できない日が増えているといいます。

太陽の黒点数が減少傾向にあるのは太陽活動が活発になる「極大期」における黒点数で分かります。

1980年前後から極大期における黒点の数が明らかな減少傾向にあり、現在、最も多い時期よりも30%も減少しているのだとか・・・

 

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太陽活動低下の過去の記録

太陽活動の観測記録において太陽の黒点が著しく減少した期間があります。

その期間とは1645年から1715年にかけての時期で、これを「マウンダー極小期」と呼んでいます。

マウンダー極小期
出典:Wikipedia

マウンダー極小期中の30年間で、通常であれば4~5万個もの黒点が観測される中、50個くらいしか観測できなかったといいます。

この時期に地球上では何があったのか・・・

ヨーロッパではペストが流行し、テムズ川やオランダの運河が凍結したり飢饉が頻発したとの記録があります。

そんな自然災害を警告している機関があります。

NASAが太陽活動の低下による寒冷化を警告

寒冷化

米航空宇宙局(NASA)が観測衛星で確認したところによれば、大気圏表面の赤外線が減少しているとの事。

これが何を意味しているのかというと、大気圏上部の温度が低下することで、大気圏が熱量を失っているためで、太陽活動の急激な低下によるものというのです。

こうした現象は近いうちに史上二度目のマウンダー極小期に入る可能性を示唆しているのだそうです。

近年、日本でも大地震が頻発して火山の噴火も明らかに増加傾向にあります。

夏の気温は40度を超えることも珍しくなくなり、豪雨での被害も規模が大きくなっている感があります。

地球温暖化が問題になっている昨今、二酸化炭素の排出量削減が叫ばれていますが、地球寒冷化が顕著になれば聞かれなくなる事態に追い込まれることになるかもしれません。