水星は太陽系の一番内側を公転する惑星ですが、地球より内側を回っているために真夜中に見ることはできないため、夕方か朝方の地平線に低いところでしか観ることができません。
それだけに簡単には観ることができないため、最大離隔を狙って観ることになります。
それでも地平線の低いところでしか観ることができないために、少しでも天候が悪ければ観ることができません。
それくらい観測が難しい惑星なので初めて観ることができると喜ばしくもなります。
ちなみに私は一度だけ見たことがあります。
それでも太陽の光が残っている夕方で明るさが弱いためにやっと見えたって感じでした。
ただ、天体望遠鏡で見たことが無いのでその時に観ておけばよかったと後悔しています。
水星は金星と同様、満ち欠けするのできっと印象的な姿に映ったはずなんですが・・・
といことで、惑星の特徴と覚え方で水星の大まかな特徴を書いていますが、ここではもう少し詳しく書いてみたいと思います。
探査機で初めて分かった水星の自転周期
水星にはこれまでマリナー10号とメッセンジャーの2機の探査機が送り込まれ、様々な特徴が分かってきました。
その一つが水星の自転周期です。
それまで水星は地球と月の関係のように、太陽に同じ面しか見せないと思われていたのが探査機の観測で実際には裏側も見せていることが判ったのです。
探査機の観測によると水星の公転周期は約88日、自転周期は59日と、月のように自転周期と公転周期が双方とも27日と同じではありません。
つまり水星は太陽を2周する間に3回自転していることになるのです。
なので、太陽からは裏面も見せていることがわかったのです。
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水星の比重は地球に次いで大きい
太陽系の惑星は地球型惑星と木星型惑星に分かれていることは地球型惑星と木星型惑星の特徴で書いていますが、水星の大きさは地球の5分の一しかないのに比重は大きく、地球に次いで2番目に大きいとされています。
これは水星の中心部分のコアがニッケルと鉄といった重い合金で構成されているためと推定されているからです。
こういった特徴を持つのは太陽系では水星だけとされているので、他の惑星とは誕生の状況が違っているのでは?と考えられています。
水星はほとんど大気が無く、重力も地球の3分の一とされています。
その小ささから内部の火山活動や地震などの地質活動はすでに終了したものと考えられています。
また太陽にもっとも近いために太陽側の温度は摂氏430度、反対側はマイナス180度まで下がることが確認されています。
月と同様水星も死の世界ってことですね。
クレーターが多数ある死の惑星
過去にNASAが送り込んだマリナー10号が撮影した水星の画像には驚かされましたね。
その水星のクレーター画像がこちら
まるで月のように無数のクレーターが写っている姿に「えっ、これが惑星?」って感じた方も多かったのではないでしょうか。
ちなみに水星でもっとも大きなクレーターは直径が1500㎞ととんでもない大きさで、水星の直径(4900km)の3分の一近くにもなります。
その後の観測でこのクレーターは小天体が衝突して、その衝撃波が反対側まで及んで、まるで何かに爆破されたような複雑な形になったんだそうです。
これも水星に大気が無いことでもろに衝撃を受けてしまったからでしょうね。
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水星にも氷が確認された
太陽にもっとも近いことから水分はすぐに蒸発してしまうだろうと予想されていた水星にもレーダーによる観測で氷が発見されたそうです。
太陽側になれば430度の灼熱地獄にもかかわらず氷が発見されたということは、クレーターの光が当たらない日蔭の部分に存在しているのではと考えられています。
その画像がこちら
中央にある窪み周辺に複数の氷が確認されています。
現在はメッセンジャーから様々な観測データーを地球に送信続けているそうで、今後氷の謎がわかるかもしれませんね。
まあ、いずれにしても生命体の存在は期待できませんね。
日本も水星に向けて探査機の打ち上げを計画中
水星の太陽に近い為に強烈な熱や放射線にさらされるという厳しい環境の為に、探査はマリナー10号とメッセンジャーの2機の探査機しか送り込まれていません。
そのために未だに未知の部分が多いそうで、まだまだ調べる余地は十分にあるとのことで、日本も水星の探査に参加する計画だそうです。
これはベピ・コロンボと呼ばれる水星探査計画で「はやぶさ」で有名になった宇宙航空研究開発機構(JAXA)と欧州宇宙機関(ESA)共同で参加する計画で、水星の表面探査と磁気圏を詳細に観測するのが目的だとか。
地球型惑星で、水星と地球だけが持っている惑星磁場の解明を目指しているんだそうです。
はやぶさ計画みたいに大成功させてほしいものですね。