太陽系で7番目の惑星である天王星は、淡いブルーが特徴の惑星です。
直径は地球の約4倍、自転速度は17時間14分、公転周期は84.25年、衛星の数は27個となっています。
その大きさと太陽からの距離で木星型惑星と分類されていました。
しかしボイジャー2号の観測によって、想像以上にメタンや水が凍った状態で存在することが判り、木星型惑星を巨大ガス惑星と巨大氷惑星に分類されました。
ということで巨大氷惑星を新たに天王星型惑星と呼ぶようになったわけです。
これは太陽系の8番目惑星である海王星も同様で、これら2つの惑星を天王星型惑星に分類されます。
天王星型惑星の構造は地球型惑星と木星型惑星の特徴で書いてある通り、太陽系が形成される過程でその構造が違ってきます。
地球型惑星は、太陽に近い惑星は熱に耐えられる金属や岩石が衝突してできたのに対して、木星型惑星は、岩石や塵に加えて太陽からの距離が遠いことから氷も存在したために質量が大きくなり、宇宙空間に拡散してしまうようなガスまでも取り込んだことで巨大になったとされています。
内部にメタンを含むことでブルーに見える
天王星は木星型惑星と同様、表面を水素を主成分とするとガスで覆われていますが、この層にはわずかにメタンが含まれているとされています。
そのために赤い色をメタンが吸収してしまうためにブルーに見えるとされています。
ただし色は時々変化することが観測により確認されていることから、季節により何らかの変化があるのではと推測されているようです。
ちなみに、木星や土星のようにガス惑星の特有の縞模様ですが、天王星にもわずかに縞模様が確認されていおり、これも天王星型惑星の特徴といったところでしょう。
また水素ガスの下には水、メタン、アンモニアが凍った状態でマントルを形成しているとされています。
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自転軸がほぼ横倒しの状態
天王星は地球から距離も遠いことから火星や木星、土星ほど詳細は判っておらず、今後の観測に期待されるところですが、これまで判っている中で最も注目されているのが横倒し状態になっている自転軸です。
黄道面に対して約98度も傾いているのです。
まさに横倒しの状態ですよね。
この状態で太陽の周りを公転しているのですから天王星の内部でどのような状態になっているのか興味が湧きますね。
ちなみに金星の自転軸も約177度も傾いていますが、両者の自転軸が他の惑星と極端に違うのは、過去に何らかの巨大惑星が衝突したからでは?と考えられています。
月の誕生で最も有力な説とはでも書いていますが、月の誕生で「ジャイアントインパクト」と呼ばれる説が最も有力になっており、天王星や金星も同じような衝突説により現在のように他の惑星と違った自転軸になったと考えられています。
その他には、天王星にはかつて巨大な衛星が存在していて徐々に遠ざかっていくにしたがって自転軸が傾いていったとの説もあります。
また、シュミレーションでは横倒しの状態になるには2回のジャイアントインパクトが必要との研究結果もあり、結局のところ天王星の横倒しの自転軸は今のところ謎に包まれているようです。
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天王星にも磁場がある
ボイジャー2号の観測により天王星にも磁場が確認され、その強さは地球とほぼ同じだそうですが、磁場の中心が自転軸に対して59度傾いて傾いているため、地球とは違い大きく変動するものと考えられています。
ボイジャー2号によって観測された天王星の磁場がこちら
磁場が存在することで天王星でもオーロラが観測されているようです。
ただし、地球で見られる赤や緑と色鮮やかなオーロラではなく、ほんの一部白い点に見える程度だそうです。
11本の環が存在する
惑星の環といえば土星が有名ですが、木星型惑星にはすべて環が存在することが判っています。
天王星にも環が存在することが判っていますが、初めて発見されたのは1977年、天王星が背後の恒星を隠す現象(天王星による恒星食)が観測されたときです。
天王星が恒星を隠すときにその前後に恒星の光が何かに遮られるように減光したことが観測され、その後分析を行ったところ環によるものであると断定したとのこと。
その後ボイジャー2号の観測によって環があることが確認されました。
その画像がこちら
ちなみに現在では地上の大型天体望遠鏡や宇宙望遠鏡によって観測できるようになったとのことです。
今後数々の探査機や宇宙望遠鏡などで天王星の観測を行っていくようなので、また新たな発見が出てくるでしょうし、最も謎となっている横倒しの自転軸もいずれは解明されるかもしれません。
楽しみですね。
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