木星は太陽系で最も大きな惑星であることはよく知られていますが、その独特な表面の模様も天文ファンにとっては魅力的な惑星ですよね。
もちろん私も初めて天体望遠鏡を購入したときにすぐに観たのが木星でした。
横縞模様の中に「大赤斑」と呼ばれる楕円形がとても印象的で今でもはっきりと覚えています。
「大赤斑」は初心者向け天体望遠鏡でもはっきりと観えるよ♪
木星については惑星の特徴と覚え方で基本情報を載せていますが、まだまだ木星には面白い特徴があります。
ここでは木星の特徴をちょっと掘り下げてまとめてみました。
木星の直径は地球の11倍以上
木星が太陽系で最も大きな惑星であることは有名な話ですが、地球の11.2倍もあります。ここで木星の基本情報を載せておきますね。
木星の直径:139,822 km(地球の直径:12,742 km)
木星の衛星の数:79個(2019年8月現在)
木星の公転周期:12年
木星の軌道半径:約7億8千万km(地球の軌道半径:約1億5千万km)
木星には地盤が無い
地球型惑星と木星型惑星の特徴にも書いていますが、太陽系の惑星には大きく分けて2つのタイプがあります。
木星がその名の通り木星型惑星で主に水素とヘリウムで構成されているいわゆるガス惑星です。
なので地球型惑星のように地盤が存在しないので火星みたいに探査機を着陸させることができないのです。
地盤が無いということは探査にとっては非常に厄介な構造と言えるでしょう。
仮に探査機を送り込むとすればバルーンで浮遊させるしか今のところ方法が無いそうです。
表面の模様は強い気流の流れによるもの
木星の特徴づけているのは何と言っても茶褐色の横縞模様ですよね。
家庭用の天体望遠鏡でも割とハッキリ見えますが、その模様の中でもひときわ目立つのが先にも書いた「大赤斑」です。
この「大赤斑」の大きさは、楕円形で2万4千km×1万3千kmと地球3個分の巨大さで観測がされてから未だに消えていないところをみると、内部に何らかの要因があるはずですが未だに大きな謎になっています。
これまでの観測では「大赤斑」はいわば台風のようなもので、暴風が吹き荒れていると考えられています。
詳しくはこちら:木星の台風はとんでもない風速らしい
大赤斑の他にもいくつかの小さな「小赤班」が観測されていましたが、消えてしまう現象も観測され、おそらく大赤斑に吸収されてしまったのではないかと考えられているようですが、これも大きな謎になっていいるようです。
木星のオーロラは地球の1000倍強力
木星はその質量の大きさから磁場も地球と比べてかなり強力なもので、木星の磁気圏は尾のように吹き流され、土星の軌道まで届くくらい伸びているそうです。
この巨大磁気圏に太陽からの電荷を帯びた粒子がぶつかりオーロラが発生していると言われています。
その規模は地球の1000倍も強力といわれていて、実際に探査機によるオーロラの画像でも確認されています。
確かにその画像を見ると地球のオーロラと同じようにドーナツ状になっていますが、木星の規模からしてものすごい大きさであることが判ります。
木星はオーロラの規模も地球とはけた違い!
木星は恒星になり損ねた惑星
木星は水素とヘリウムからなるガス惑星とすでに書きましたが、主成分だけ見ると太陽と同じですよね。
実は木星が今よりも70~80倍以上の質量があれば内部で核融合が起こり恒星になっていたと考えられているのです。
もし木星が恒星になっていたら、他の惑星の軌道や大きさ数などに影響を及ぼし今の太陽系とは全く違った姿になっていたといいます。
ただ専門家によると木星からの距離を考えれば地球にはさほど影響は無いといわれていますが・・・
地球に影響が無くても隣の火星には大きな影響を与え、今よりも温暖な気候になっていたかもしれないし、ひょっとしたら生命を育んでいたかもしれない?なんて考えすぎでしょうか。
木星が核融合を起こしていたら火星人が存在したかも
木星にも3本の環があった
環がある惑星といえば土星が有名ですが実は他の惑星にも環が見つかっているんです。
中でも木星は無人探査機ボイジャー1号により初めて発見され、その後ボイジャー2号によって3本のリングで構成されていることが判りました。
しかし土星のリングよりもはるかに細くて暗いので地球から観測できなかったみたいです。
実際の木星のリングの画像を見ても土星の環よりもはるかに暗くて小さいもので、探査機により初めて発見されたのが何となくわかります。
ただ、ネットを調べてみたら、国立天文台のすばる望遠鏡が初めて地上からの撮影に成功したようで、か細い木星のリングが写っていました。
木星のリング画像がこちら
今後も探査機による木星の観測で様々なことが判ってくると思います。
楽しみに報告を待つことにしましょう。
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