太陽系の8つの惑星は太陽を中心にして左回転で公転していますから、夜空を観測していると西から東に向かって動いて見えると考えがちです。
ところが必ずしも西から東に移動して見えるとは限りません。
逆行することもあるのです。
地球の内側を周っている水星と金星は、太陽の両方を行ったり来たりを繰り返します。
これは地球から見て角度的に太陽から離れる角度に限界があって、西から東に向かって動いていき、最大値の角度(最大離角)に達した後は逆に東から西(太陽の方)に向かって動いているように見えるからです。
ちなみに最大離角は水星で28°、金星で47°あります。
関連リンク:惑星の特徴と覚え方
地球の外側を周る惑星は途中で一回転する
一方
地球の外側を公転している惑星(火星、木星、土星、天王星、海王星)は、水星や金星のように逆行して見えることはないだろうと思いがちですが、実はこれら地球より外側を回っている惑星でも逆方向に動いて見えることがあるのです。
その動きを判り易くしたイラスト動画がありますのでご紹介します。
これは太陽から遠いほど惑星の公転周期が長くなることから内側である地球が外側の惑星を追い越すことで逆方向に見えることがあるのです。
ちなみに西から東に動いて見えることを順行、東から西に動いて見えるのを逆行 と呼んでいます。
何故このように見えるのか下のイラストをご覧ください。
地球がT2、T3、T4の地点に来た時に天空での外惑星が逆行を始めます。
こうした動きは外惑星ならではの動きです。
(ウィキペディアより引用)
ここに非常にわかりやすい動画があります。
一度ご覧ください。私も感心してしまいました(^^ゞ
惑星が逆行する動画
出典:探究学舎
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コペルニクスの地動説にも惑星の動きが関わっていた
かつて天動説(宇宙は地球を中心に回っているという説)を唱えていたときにこの「逆行」をどう説明していたかというと、太陽の周りを公転している軌道上で惑星自身が一回転して動いていると考えられていたそうです。
今の常識では考えられないですが、当時はそのように信じられていたんでしょうね。
何せ政治的、宗教的に天動説が絶対という社会だったので、地動説を訴えることはご法度だったそうですから。
そんな間違った考え方に異を唱え、地動説を唱えていた人があの有名なコペルニクスです。
それまで地動説を唱える人は他にもいたんですが、コペルニクスが様々な現象を地動説で説明できるとして書物に記したそうです。
コペルニクスは様々な観測と計算によって惑星の動きが説明できるとしたのです。
ところが地球も惑星ということになり地動説でしか説明できないとしたのです。
確かに惑星の「順行」「逆行」は地動説でないと説明できませんからね。
コペルニクスの後押ししたのがガリレイ
コペルニクスが地動説で惑星の動きを説明できるようになってから50年後、ガリレイが地動説を表に主張して政治家や宗教家から猛反発を食らって投獄されたといわれています。
ガリレイの勇気ある行動が今でも語り草になっていますが、こうした科学者は当時は異端児で通っていたんでしょうね。
やがて大航海時代が来ると様々な天体の見え方が地動説の理に適っていることが確認され、世界は地動説を認めるようになったそうです。
コペルニクスが地動説を記した書物は彼が死の直前に表に出てきたそうですが、その後ガリレイが証明してくれたことで天国でホッとしているのではないでしょうか。
いつの時代でも異端児はいるものですが、時代の流れで将来語り草になるかもしれませんね。
コペルニクスやガリレイなど、常識のとらわれない考え方って非常に大切だと思います。