天気予報

天気予報を見ていると必ずでてくるのが「気圧」ですよね。

「ココに高気圧があって東に進み、その後ろに低気圧が控えています」って天気予報で毎日のように解説されていますね。

だいたい低気圧が近づいてくると天気が悪くなり、高気圧に覆われると天気はよくなる傾向にあります。     

このような現象はほとんどの人が認識していますが、理由となると知らない人がほとんどではないでしょうか。

男の子(疑問)

言われてみれば気圧で天気が変わる理由って判らないよね

何気なく聞いていると大して気になりませんが、よくよく考えると「そもそも気圧って何?」って考えてしまいますよね。

実は気圧に関して多くの方から質問がありましたので、ココで解説したいと思います。

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気圧とは空気がある証拠

低気圧

気圧とは、空気の圧力ですが、大気が存在するからこそ得られる現象で、宇宙に行けば大気が無いので気圧というものは存在しません。

気圧の他には水の圧力が「水圧」、油の圧力が「油圧」など、私たちの身の回りではいろんな物質の圧力が利用されています。

子供のころ理科の実験でボイルシャルルの法則を勉強したと思いますが、気圧と体積、温度との関連性について密閉された容器を加熱すると気圧が上昇するといったことを教えてもらったはずです。

こうした気圧と温度が関連する現象が身の回りで起こっているのです。

日頃私たちはあまり意識しませんが、空気にも重さがあって地上に近いほど空気の重さにより圧力がかかっているのです。

気象予報士

空気にも重さがあるんだよ

これが「気圧」と呼ばれるもので、当然高いところに行けばいくほど空気が軽くなるので気圧もそれだけ下がります。

動画で分かりやすく解説:BBC 神秘の大宇宙 DVD全9巻

水圧も同じ原理

空気で考えるより水でイメージした方が判りやすいかもしれませんね。

よく深海まで行くと物凄い圧力がかかって物が潰れてしまうといったことを聞きますよね。

あれは深海に行けばいくほど水の重さが加わってくるからで、これを「水圧」と呼んでいます。

「気圧」も同じ原理と考えてください。
水に重さがあるように空気にも重さがあるのです。

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高気圧と低気圧が天気を左右する理由

高気圧と低気圧

高気圧が天気を良くして低気圧が天気を悪くするのは、そのメカニズムがまったく違うのです。

高気圧は気圧が高く周辺に空気を噴き出す格好になります。

膨らんだ風船の中をイメージしてください。

空気の注入口を解放すると中の空気が放出されますよね。

これが高気圧で、地上に向けて空気が流れる「下降気流」が起きています。

気象予報士

高気圧は下降気流だよ

一方、低気圧は空気が薄いので周りから空気が吹き込む格好にります。

四方から空気が吹き込んでくると空気は上に行くしかありません。

これが低気圧で、上空に向けて空気が流れる「上昇気流」が起きています。

気象予報士

低気圧は上昇気流だよ

空気が上昇すると気圧が低い場所に持っていかれる格好になるので空気は膨張し水蒸気となり凝結して雲ができ、雨を降らせます。

低気圧が近づいてくると天気が悪くなるのはこうした理由があるからです。

天気図を見るときには
高気圧が下降気流
低気圧が上昇気流
とイメージすると判りやすいかもしれませんね。

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高気圧と低気圧の種類

高気圧には、大きく分けて
「温暖型高気圧」
「寒冷型高気圧」
「移動性高気圧」

の3種類があり、それぞれ特徴があります。

「温暖型高気圧」

は暖かくて湿度の低い空気で構成されている高気圧のことで、日本では「小笠原高気圧」がそれに相当し、天気を良くする高気圧です。

「寒冷型高気圧」

は陸地の表面が冷やされることで発生する高気圧のことで、冬に良く表れる高気圧です。

これが日本に張り出して上空に寒気があれば寒気を送り込んで日本付近は冬型になり日本海を中心に雪が降ります。

合わせて読みたい:「冬型の気圧配置の意味って知ってますか?」

「移動性高気圧」

は高気圧の中でも比較的小さな高気圧で、低気圧のように移動してくるものがありますが、これが「移動性高気圧」です。

よく天気予報で「大陸の高気圧が移動性となって日本を覆う」などと解説されますが、これが「移動性高気圧」のことで天気を安定させる働きがあります。

私はスキーをするので毎年冬になると天気予報を見ますが、スキー場で最もコンディションが良いのは冬型から大陸の高気圧が移動性となってスキー場近辺を覆うような格好になるのを予想して計画します。

なのでスキーヤーにとっては「移動性高気圧」様さまなんです(^o^)丿

低気圧には、
温帯低気圧
熱帯低気圧
の2種類がありますが、発生した場所によって分けられます。

「温帯低気圧」

温帯地方でできる低気圧で、寒気と暖気がぶつかった時に上昇気流が起きて低気圧となります。

寒気と暖気がぶつかる境目が前線となりますが、温帯低気圧のほとんどが前線を伴っているのはそのためです。

2月上旬~3月にかけて台湾方面から日本に低気圧が近づき太平洋側に大雪を降らせることがありますが、以前はこの低気圧のことを「台湾坊主」と呼んでいました。

これが台湾のお坊さんに失礼だということで今では低気圧と呼んでいます。

「熱帯低気圧」

熱帯地方でできる低気圧で、海面が温められることで上昇気流が起きることで発生します。

毎年春先から天気図に登場して発達すると台風になり、日本付近をうかがうようになりますね。

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