低気圧とは、
簡単にいうと周囲より気圧が低い範囲のことです。
そして上昇気流によって空気が上空に引っ張られるために気圧が下がるのです。
理科の実験でガラスの器に小さな風船を入れて、ポンプで器の空気を吸い取ると中の気圧が下がって風船が膨らんでいましたよね。
これが低気圧の基本みたいなもので、自然界で起こっているものと考えてください。
「気圧とは何か?わかりやすく解説します。」では低気圧が起こす現象について解説していますが、ココではもう少し詳しく解説してみます。
低気圧には温帯低気圧と熱帯低気圧があることはすでに解説していますが、よくよく考えてみるといろんな疑問が湧いてくるんです。
そこで低気圧に関する素朴な疑問を調べてみたのでココに書きとめておきますね。
何かの参考になれば幸いです。
爆弾低気圧に暴風域や進路予想が無い理由は?
良く秋から春にかけて北海道付近で低気圧がモーレツに発達して台風並みの強風といわれるくらいの爆弾低気圧が発生しますよね。
台風並みということですから風速25m/sを超える強風が吹き荒れる訳です。
それなのに台風のように暴風域という範囲が発表されることはありません。
また進路予想も無いですよね。
かなりの被害が予想されるのに何故台風のように暴風域や進路予想が無いのか?
これは温帯低気圧ならではの理由からなんです。
温帯低気圧は寒気と暖気がぶつかることによりエネルギーを得るために「前線」を伴います。
低気圧の中心が一番強い風が吹くのですが、前線付近でも強い風が吹く可能性もあるのです。
なので台風のように円形の暴風域という範囲は決められないんだそうです。
一応船舶向けには15m/s以上の強風域と24時間後の低気圧の中心位置は発表されているようです。
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台風が北半球で左回転になる理由は?
台風は北半球で左回転、南半球では右回転であることはよく知られていますが、どうして互いに逆回転になるのか理解している人って少ないのではないでしょうか?
これは「コリオリの力」によって起こる現象です。
「コリオリの力」とは
回転座標系上で移動した際に移動方向と垂直な方向に移動速度に比例した大きさで受ける慣性力の一種
ということなんだそうですが、何だか難しい表現で判り難いですよね。
理屈で考えるとよけいに判らなくなるのでイメージで考えましょう。
地球上では赤道付近は北極や南極付近よりも1周する距離が長いですよね。
でも同じ24時間で一周するわけですから距離の長い赤道付近の方がスピードが速くなります。
つまり地球の自転で赤道上が一番スピードが早くて、北極や南極に近いほどスピードが遅くなるので、広い面積を有する台風だと赤道に近い方は北極や南極に近い方よりも早くなってしまうのです。
これが台風が回転する仕組みです。
当然南半球では台風の回転は右回りになります。
あわせて読みたい:台風が赤道上では発生しない理由
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「ミリバール」から「ヘクトパスカル」に変更された理由は?
今から数十年前天気予報では気圧の単位に「ミリバール」を使っていました。
ところが「ヘクトパスカル」に変更されたんです。
単位が変わっただけで数値の変更はありませんでした。
これは国際単位系(SI単位)に変えることで世界統一するために行われた措置だったそうです。
まあ数値は一緒なのでコレといった混乱は起きなかったようですが、気象関係の仕事をしている人にとってはミスが続発して大変だったそうです。
長年使ってきた言葉って突然変えろと言われてもすんなりとはいかなかったようです。
「温帯低気圧」と「熱帯低気圧」って合体することはありますか?
形は違うけど同じ低気圧なので合体することもあるのでは?って思いませんか?
小さな温帯低気圧は合体するみたいなことは何度か聞いたことがあるけど、大きな低気圧は聞いたことないし・・・
たとえば台風なんかは南海域に2つ3つ発生することもありますが、合体したなんて聞いたことありません。
実際はどうなんでしょうか?
実は台風でも合体することがあるんだそうです。
で、合体したら大きくなるのかというとさほど大きくなることは無いそうで、大きい方が小さい方を吸収する形になるんだそうです。
今まで頻繁に天気予報を見てきましたが台風が合体したなんて聞いたことが無いので正直驚きました。
ちなみに「温帯低気圧」と「熱帯低気圧」は構造的に違うことで、合体することは無いそうです。
「熱帯低気圧」が北上してきて周りの空気に冷やされて温帯低気圧に変わり前線ができることはあるそうです。
大自然って奥が深いですね。