天体観測や天体の写真を撮る上で最も気になるのは天気予報ではないでしょうか?
特に皆既日食や流星雨など、一生のうちに一度でも見られればラッキーと言える天体ショーなんかは凄い気になりますよね。
私は過去に流星雨の観測で2度も天気に邪魔をされて見ることができませんでした。
とはいえ晴れていても流星雨が現れることが無かったのでさほど悔しくはありませんが。
今度天体ショーがあった時には必ず晴れていてほしいものです。
そんなこともあって私は数十年も前から毎日のように天気予報を見ています。
ということで今回は冬型の気圧配置について解説します。
天気予報は毎日観よう
天気予報は毎日テレビで見ているので自然に天気予報の専門用語も覚えてしまい、家族の中ではちょっとした気象予報士です(*^_^*)
天気予報と言えば週間天気予報や3か月予報など私たちの生活には欠かせない存在になっているのではないでしょうか。
天気予報をみて晴れとか雨とか確認するだけではもったいないですよ。
いろんな指標やらマーク、数値などから気象というものが見えてきます。
宇宙にも宇宙天気予報といって太陽の磁場や太陽風などを観測して地球上の磁気嵐を察知して人工衛星や地上の通信機器への影響を予測する機関があります。
天気予報も天文との関わりを感じながら見ていくのも面白いですよ。
オーロラなんかも宇宙天気予報に大きくかかわっていますしね。
そんな天気予報のなかでも重要なのが「気圧配置」です。
西高東低の冬型ってどういうこと?
よくテレビの天気予報で「明日は西高東低の冬型となり、上空には寒気が入ってきます」といった解説を耳にしますよね。
これは簡単に言うと、西が高気圧、東に低気圧があり、北西の風に乗って寒気が入ってきて寒くなりますよという意味です。
またこのようなときにはほとんどが等圧線の感覚が狭くなって縦に並んだ状態になり、強い北西の風が吹きます。
冬ですから風が強いと体感温度が下がるのでよけい寒く感じます。
冬型になると日本海側の天気が悪くなるのは山があるから
よく冬型になると日本海側に雪が降りやすくなり、寒気団の強さによっては大雪になることがありますよね。
毎年冬になるとニュースなんかで良く耳にしますが、これは何故だかわかりますか?
それは日本列島の中央に山があるからです。
山が無ければ雪の量はもっと少ないはずです。
小学生の理科の時間に習ったと思いますが、冬型になると寒気に伴った雲が山にぶつかって雪を降らせるって習いましたよね。
あれって意味わかりましたか?
私は判ったような判らないような感じだったって記憶しています。
これを判り易く説明すると、日本海の温度は冬になってもすぐには温度が下がりません。
なので気温が低ければ低いほど蒸発しやすくなり、上空には水分をたっぷりと含んだ雲に成長します。
気温が低いと蒸発しやすい?・・・
ちょっと判り難いですかね?
それでは判りやすいようにここで面白い実験をご紹介しましょう。
自宅のお風呂でお湯の湯気を日本海の水蒸気と見立ててください。
そのままの状態で湯気がどのくらい発っているのかしっかりと記憶してください。
次に窓を開けて外気を一気に取り入れてみましょう。
するとそこで湯気が一気に増えることが確認できるはずです。
これが日本海で寒気に伴う「スジ状の雲」になるのです。
これだけではありません。日本列島には中央に山があるので、北西の風に吹かれて水蒸気は山によって上昇気流が起きます。
上昇気流によって上空に行くことで気圧が下がります。
気圧が下がると水分は膨張しますから、ここで雲が出来るというわけです。
また、気圧が下がると気温も下がりますから雲の中の水分は氷の粒になります
氷の粒がしだいにくっ付いて行き雪の結晶になり、雪が雲の中で飽和状態になることで地上に降ってくることになります。
このように気圧配置が冬型になって上空に流入する寒気が強ければ強いほど雪の量が増えることになります。
太平洋側では乾燥した晴天に
日本海側でひとしきり雪を降らせた後の空気が流れ込んでくるので乾燥した晴天が続きやすくなります。
ただし冬でもたまに太平洋側を低気圧が通過することがあり、上空に寒気が残っていると雪が降ることがあります。
1月の下旬あたりから2月下旬あたりまで太平洋側に低気圧が通ることがありますが、最近でこそ聞かれませんが、40年ほど前まではこの低気圧のことを、台湾方面からやってくるの「台湾坊主」と呼んでいました。
いつしかこの呼び方が聞かれなくなったのでどうしてかな?って思っていましたが、台湾のお坊さんに失礼だからという理由でその呼び方はやめたそうです。
天気予報でもよその国のお坊さんまで気を使うとは日本人って神経質ですね。(-_-)
冬型の気圧配置は日本周辺の地形から出来やすい
そもそも冬型の気圧配置ってどうやって出来るのでしょうか?
それは日本列島の地形が大きくかかわっています。
日本列島付近には西にユーラシア大陸、東には太平洋があります。
物質の性質上、
砂は温まりやすく冷めやすい。
水は温めり難く冷めにくい。
したがって冬になると大陸側から先に温度が下がります。
するとユーラシア大陸と太平洋に温度差が生じます。
冷たい空気は暖かい空気に向かって移動する性質がありますから、ユーラシア大陸から太平洋に向かって空気が移動します。
と言うことで暖かい太平洋が低気圧(上昇気流により気圧が低い)、冷たいユーラシア大陸が高気圧(下降気流により気圧が高い)になるわけです。
これが西高東低の冬型気圧配置となる理由です。