高気圧とは・・・
一般的には晴天をもたらすもので、天気予報ではよく耳にしますよね。
そして低気圧は天気が悪くなる傾向にあることも皆さんご存知でしょう。
それくらい気圧というのものは天気に密接な関係があるのです。
ここでは高気圧と天気の関係について考えてみましょう。
気圧とは空気の圧力のこと
高気圧を考える前にまずは気圧について考えてみましょう。
気圧とは簡単に言えば空気の圧力のことを言います。
スキューバダイビングで水圧という言葉をよく耳にすると思いますが、水深が深ければ深いほど圧力が大きくなります。
これと同じで空気にも重さがあるので上空は気圧が低く、地表に近いほど空気の重みで気圧が高くなります。
高気圧は簡単にいうと周囲より気圧が高いところのことをいい、そこから周辺に空気が吹気出します。
HPa(ヘクトパスカル)という単位を用いて表します。
1気圧が1013HPaですが、これ以上が高気圧とか以下が低気圧というわけではありません。
あくまで周囲より気圧が高いか低いかで高気圧や低気圧と呼ばれています。
たとえば風船に空気を入れて膨らませると、風船の中は外より気圧が高くなり、空気の注入口を開けると空気が噴き出しますよね。
これと同じ原理です。
つまり風船の中が高気圧ということになります。
これが地球の自転により北半球では右側に回転しながら噴き出すようになります。
逆に周囲より気圧が低い部分を低気圧と呼び、中心に向かって左回りに空気が流れ込んできます。
低気圧の代表的なものが台風です。
衛星写真を見ると左向きに雲が巻いているのが分かりますよね。
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高気圧が天気をよくするのは下降気流だから
高気圧は空気が上空から吹き込んでくるので圧力が増して気圧が高くなります。
その時に上空の冷たい空気の塊が下に流れてくると気圧が徐々に上がってくるので冷たい空気の塊は押しつぶされるように体積を小さくしていきます。
これは圧縮断熱と呼ばれる現象で、外側から圧力がかかるので内部の温度が上がります。
これが空気を乾燥させることになるので少々の雲があっても蒸発させてしまいます。
高気圧に覆われると天気が良くなるのはこうした理由があるからです。
ちなみに低気圧が天気を崩すのはどうしてかと言うと・・・
地表で暖められた空気が上昇気流によって上空に持ち上げられ、上空に行くほど気圧が下がるので空気は膨張して体積を増していきます。
これは断熱膨張と呼ばれる現象で、圧縮断熱のときとは逆に温度が下がります。
氷水の入ったコップに水滴が付くのと同じで、空気はやがて小さな水滴に変化して雲を形成し、これが成長して雨となって地表に降ってきます。
低気圧が近づくと天気が悪くなるのはこのためです。
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高気圧に種類がある
一口に高気圧といっても、その出来た場所で呼び方も違えば性質も違います。
たとえば日本の周辺では
シベリア高気圧、
オホーツク海高気圧、
揚子江高気圧
太平洋高気圧
チベット高気圧
がよく聞かれます。
シベリア高気圧はユーラシア大陸でできた高気圧なので冷たくて地上から1000~2000メートルといった背の低い高気圧とされています。
それとは逆に太平洋高気圧は太平洋上で形成されるので暖かく湿った空気が多く背の高さは5000~6000メートルとかなり高いものになります。
冬に寒くなるのはシベリア高気圧に覆われ、夏に暑くなるのは太平洋高気圧に覆われのも一つの要因です。
高気圧が張り出して天気が悪くなる時がある
高気圧は天気をよくするものだと思い込んでいる人が多いですが、実は高気圧の影響で天気が悪くなる時があるのです。
それはオホーツク海高気圧と太平洋高気圧です。
オホーツク海高気圧は、主に梅雨時に現れ、北の冷たい湿った空気を送り込むので太平洋側に雲が多くなります。
太平洋高気圧は猛暑の時によく聞かれる代表的な高気圧ですが、張り出し方によっては南の暖かくて湿った空気が流れ込んで夕立が起こることがあります。
また冬に張り出してくるシベリア高気圧も寒気により日本海側に雲を作らせて天気を悪くします。
天気図を見て高気圧に覆われているからと言って安心はできませんよ(*^_^*)