春先から秋にかけてメディアでよく耳にする竜巻ですが、その破壊力は竜巻が通過した後の地域を見ればいかに凄いのかが分かりますよね。
特にアメリカの竜巻はどれも超特大で、車が吹き飛ばされたり家屋が跡形もなく破壊されたりと本当に恐ろしいものがあります。
日本でも年に数回はどこかで竜巻の発生が報告されていますが、被害の大きさはアメリカほど大きくありませんね。
せいぜい屋根が吹き飛ぶ程度です。
とはいえ屋根を吹き飛ばされた家主にしてみれば大きな損害ですが・・・
それにしてもアメリカと日本で竜巻の規模がこうも違うのはどのような要因があるのでしょうか?
今回は竜巻のメカニズムについて調べてみました。
竜巻のメカニズムははっきりと解明されていない
竜巻とは急激な上昇気流によって発生する激しい渦巻で、見た目が竜が天に昇るように見えること方名付けられたと言われています。
風速は最も強いものでは、117~142m/sとされていて、住宅は跡形もなく吹き飛ばされ、列車や車も持ち上げられてとんでもないところまで吹き飛ばされることもあるそうです。
ちなみに竜巻の被害状況から規模を推測する藤田スケールと呼ばれる指標があり、F0~F5までの6段階に分けられています。
日本では年間を通して9~10月にかけてが最も多く発生していて、日中発生することが多い傾向にあります。
これだけ大きな被害を出している竜巻でも未だにはっきりと解明されていないのです。
そのため竜巻発生予想をすることは難しいとされ、気象庁では諸条件から注意報にとどめているのが現状です。
ただしはっきりと言えることは、上空と地表の温度差により竜巻が発生していることは間違いありません。
まず竜巻が起こる最低条件は積乱雲の存在です。
竜巻の動画を見ていると必ず上空の真っ黒な雲に向かって上昇しているのが分かります。
積乱雲は上空に冷たい空気が流れ込んで発達しやすくなり、これは地表との温度差が大きければ大きいほど積乱雲も大きくなります。
この積乱雲と地表との間では空気の対流が起こっています。
というのは、冷たい空気は重いので下に向けて流れようとします。
逆に地表で温められた空気は軽いので上昇しようとする力が働きます。
これを「対流活動」と呼んでいますが、この現象により積乱雲が発生し、ロート上に渦を巻いたが竜巻です。
ただし条件が揃っていても竜巻が発生するとは限らず、この“竜巻発生のきっかけ”というのが未だに解明されていない部分なのです。
竜巻の規模を大きくする要因
アメリカの巨大竜巻を映像で目にすることがありますが、日本ではこのような大きな竜巻が発生したとの報告はありません。
何故アメリカの竜巻は規模が大きいのでしょうか?
実はこれもはっきりと解明されていないようで、一説には地形が大きく関係していると言われています。
というのは、アメリカの面積は日本の約25倍も広く広大な平地が竜巻をどんどん成長させる条件がそろっているんだそうです。
それに比べて日本は山が多いために発達の邪魔をしているのでしょうね。
竜巻とつむじ風との違い
竜巻とよく比較されるのがつむじ風です。
私も小学生のころ大きなつむじ風に遭遇したことがあり、竜巻ではないのかと思っていたくらいですから・・・
そもそも竜巻とつむじ風が発生しているときの状況が全く違います。
竜巻:積乱雲が発達している
つむじ風:晴れている
これだけ見れば条件が正反対であることが分かりますよね。
つまり竜巻は上空の冷たい空気と地表の暖かい空気により出来た上昇気流が原因で発生したものが竜巻で、建物や地形の影響で空気の乱れが巻き上げるように見えるのがつむじ風ということになるそうです。
竜巻と台風の違い
つむじ風との違いははっきりとしましたが、それでは台風との違いは何でしょうか?
台風は太陽の熱により温められた海水の水蒸気がエネルギー源となり、地球の自転によるコリオリの力により渦を巻いて数百キロメートの大きさまで発達したもの。
竜巻は冷たい空気と暖かい空気がぶつかる前線の中で発生します。
大きさは数メートルから数十メートルと台風に比べて小さな規模となります。
しかし規模の大きさに差はあるもののF5クラスになると風の強さは竜巻のほうがはるかに強く被害範囲は小さいものの破壊力はものすごいものとなります。
温泉で見られるミニ竜巻
これは全く個人的な見解ですが、以前冬に温泉に行ったときに湯船に浮かんでいる蒸気が、外から冷たい空気が入った時に渦を巻きながら移動していくのを見て、まるで竜巻を見ているようだったのです。
これは地表の温められた空気と上空の冷たい空気の温度差で発生した水蒸気が上昇気流によって作られたのと同じなのでは?
と勝手に解釈したものです。
ちょっと違うかな?・・・(^^ゞ