土星は木星に次いで多くの衛星を抱えている惑星ですが、その数は2009年までに64個が発見されています。
また、そのうち53個に名前が付いています。
この53個の名前ですが命名数だけでいえば木星よりも多いんですよ。
ちなみに木星で命名されている衛星の数は50個です。
とりあえず土星の衛星を土星からの平均距離の順番に挙げていきますね。
ギリシャ神話から命名
1.パーン
2.アトラス
3.プロメテウス
4.パンドラ
5.エピメテウス
6.ヤヌス
7.ミマス
8.エンケラドス
9.テチス
10.テレスト
11.カリプソ
12.ディオネ
13.ヘレネ
14.レア
15.タイタン
16.ハイペリオン
17.イアペタス
18.フェーベ
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・
以下省略
これらは内側を公転する衛星の場合はギリシャ神話の巨人族の名前、外側の衛星の場合は北欧神話やガリア人の神話、それ以外ではイヌイットなどの神話によって付けられているんだそうです。
新彗星や新小惑星は発見者が名前を付けることが多いのですが、衛星は発見者に命名権が無いようです。
土星の衛星タイタンをはじめて発見したのは、オランダ人物理学者のホイヘンスとされていますが、彼の名前が付けられていないのもこうした理由があるからです。
その代わりなのか、土星の探査機「カッシーニ」に積んであるタイタンの探査機に「ホイヘンス」と命名されています。
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環の中にも衛星が存在する
土星の環は氷の粒でできていることは土星の環の正体で書いていますが、その環の中にも衛星が発見されています。
その衛星は羊飼い衛星と呼ばれ、土星の環の周囲、隙間の中を周回して土星の環の形を維持する役目を担っているとされています。
無数の氷の粒をまとめて現在の美しい環の姿を維持する役目がまさに羊飼いのように見えることから名づけられたのでしょうね。
羊飼い衛星にはパン、アトラス、プロメテウス、パンドラが属します。
現在は神様のネタ切れで命名できない状態
土星だけでなく木星や天王星、海王星にも多くの衛星があり、それぞれ名前が付けられています。
ところが木星や土星の衛星のうち10~15個は未だに命名されていません。
これは早い話、新衛星の発見が相次ぎ、神様の名前が尽きてしまったそうなんです。
先にも書いたとおり衛星はギリシャ・ローマ神話やイヌイット神話の神様から命名されているので、数が足りなくなるのは簡単に想像できますよね。
それならギリシャ・ローマ神話、イヌイット神話に限定せずに世界中の神話を集めて命名しても良いような気がします・・・
たとえば日本の神で有名なアマテラスは小惑星に使われていますが、日本の神様はかなりの数があるそうなので使ってみても面白いですよね。
他にもたくさん神話があります。
エジプト神話、アステカ神話など、たくさんありますから・・・
もっとも宗教的な考えがあり、簡単に使用することは難しいかもしれませんが・・・
新衛星が発見されると、仮符号が割り当てられる
新たに発見された衛星の名前はすぐに付けられるわけではありません。
まずは仮符号が付けられ、それから確認作業で新たな衛星であると認められると、国際天文学連合で協議され新たな名前が付けられる決まりになっています。
土星には探査機カッシーニによりこれまでより小さな衛星が、次々と発見されているので今後も増える可能性が高いそうです。
そうなるとますます名前をどこから持ってくるのか悩んでしまいますよね。