ベテルギウスが超新星爆発するかもしれないということはベテルギウスが超新星爆発すると衝撃波で人類が絶滅?でも書いていますが、なかなか起こらないのにしびれを切らしている方もいるかもしれません。
超新星爆発するかもしれないといっても、それが今年起こるかもしれないし100万年後かもしれないとされていることからすれば、数万年ともいわれる人類の歴史においてはやたら幅広い年月なので無理もないかもしれません。
まあいつ超新星爆発するかは神のみぞ知るということでそちらにお任せするとして、もう一つ気になるのがベテルギウスが超新星爆発した後どうなるのか?ということですよね。
それが宇宙最大の謎といわれるブラックホールです。
恒星の最後はその質量によってはブラックホールになるといわれていますが、ベテルギウスがブラックホールになるとすればこれもまた違った見方もできておもしろいですよね。
果たしてベテルギウスはブラックホールになれるのか・・・
ここではベテルギウスについて詳しく見ていくことにします。
ベテルギウスはオリオン座のα星
ベテルギウスは冬の星座の代表格であるオリオン座のα星でオリオンの右肩に位置するところに赤く輝いています。
また、ベテルギウスはおおいぬ座のシリウスと小犬座のプロキオンで冬の大三角を形成することでも知られています。
この画像は1月1日夜9:00の南東の空を表したものですが、冬の空は空気が澄んで綺麗に見えるので子供のころは毎日のように眺めたものです。
ベテルギウスは地球からは約640光年とはるかかなたに位置しています。
宇宙で最も早いとされる光の速さで640年もかかるわけですからとてつもなく遠いように感じますよね。
しかし、天の川銀河の直径である10万光年からすれば、ベテルギウスまで640光年というのは太陽系と同じ天の川銀河に所属しているので以外と“ご近所”なのかもしれません。
このベテルギウスが近いうちに超新星爆発を起こして、満月位の明るさまで輝くだろうと予測されているのですから、知っている方にとっては待ち遠しいでしょうね。
一生のうちにこのような天体ショーが観られたらラッキーですよ♪
というのも明るい恒星の超新星爆発という現象が観られるのは確率から言ったら皆既日食を観るより難しいですから。
恒星は質量によって最後の姿が違ってくる
ベテルギウスはブラックホールになれるのか・・・
すべての恒星は最後に超新星爆発を起こしてブラックホールになると考えがちですが、実際にはそうではなく質量の大きさにより違った姿になると考えられています。
恒星の質量は多くが太陽を基準にしており、太陽の30倍以上の質量になるとブラックホールになれると考えられています。
太陽の8~25倍の質量の恒星→超新星爆発→中性子星
太陽の30倍以上の質量の恒星→超新星爆発→ブラックホール
ちなみに太陽はその質量からして超新星爆発を起こすことはなく、核融合の材料である水素が無くなって膨張し始め、やがて太陽は地球の軌道近くまで大きくなり、その後はガスを噴き出して縮んでいき白色矮星になると考えられています。
その最後の姿と考えられているのが惑星状星雲です。
ベテルギウスの寿命は約1000万年
ベテルギウスがいつ超新星爆発を起こしてもおかしくないといわれていますが、何をもってそのようなことがいえるのでしょうか?
それは質量の大きさから計算できるのです。
ベテルギウスの質量は太陽の20倍とされています。
太陽の寿命が100億年とされているので質量が大きなベテルギウスはもっと長いだろうと考えがちですが、実はすごく短いのです。
その寿命は1000万年。
太陽の100億年に対してベテルギウスが1000万年しかないなんて意外ですよね。
太陽よりも質量が小さな恒星である赤色矮星ともなるとその寿命は数兆年にもなると考えられています。
恒星は質量が大きいほど短命
実は恒星は質量が大きいほど寿命が短いのです。
というのも、恒星は質量が大きければ大きいほど中心部も高温高圧になるので核融合が活発になるために燃料である水素の消費量も大きくなってしまい、より多くの水素を使う必要があるのです。
わかりやすくにいえば、燃費の悪い大型車と燃費の良い軽四輪では、大型車の方がスピードは出るがガス欠になるのも早いのと同じ考え方です。
そんなベテルギウスが赤色超巨星となり形状が歪になっていることが確認されたことを受けて寿命が近いとされているのです。
ただしそれが今年中なのか100年後なのか、あるいは一万年後なのかは現在の観測技術でははっきりとしたことは判らないそうです。
ベテルギウスは質量からすれば中性子星になる可能性が高い
ベテルギウスの質量が太陽の20倍ということは残念ながらベテルギウスはブラックホールではなく中性子星になる可能性が高いといえます。
中性子星とはその名のとおり星が中性子星でできているということ。
そもそも宇宙をはじめとする物質を構成しているのは原子と原子の周りを回転している電子で構成されており、原子には原子核があります。
そして原子核を構成しているのが陽子と中性子です。
恒星が超新星爆発を起こすと中心部は超高密度になり超巨大重力となります。
そんな環境ですから原子核といえども通常の姿を維持することができなくなり、原子核の周りを回転している電子は陽子とくっついてしまい中性子となります。
つまり恒星全体が中性子星で構成されてしまうのです。
オリオンの右肩には中性子星というのもなんとなく不思議な感覚がしますね。
直径はというと・・・
これが恒星の最後に近いという段階で赤色超巨星となっており、直径は太陽の1400倍くらいまで膨張しているといされ、仮にベテルギウスを太陽系の中心に据えると木星の軌道にまで達するほど大きくなっているとされています。
いずれにしてもベテルギウスが超新星爆発を起こし中性子星になったとしても肉眼で観ることはできなくなるわけで、その時点でオリオンの右肩は無くなる?わけです。
その時星座としてのオリオン座はどのような対応を迫られるのでしょうか?
ひょっとして
オリオンがサソリに襲われ右肩を失くした?
あるいは
オリオンが五十肩に苦しんでいる?
なんて神話が語られるようになるのかもしれませんね。(*^_^*)
それとも
星座名が変わってしまう?
かも・・・
天文に興味に無い人でも一目でわかるオリオン座だけに、ベテルギウスが消えてなくなるというのは人類にとって何かが変わるきっかけになるのかもしれませんね。
オリオンの肩が無くなるとともに世界にも争いが無くなれば良いのですが・・・