地球から見ることができる恒星は無数にありますが、そのほとんどは恒星ですよね。
恒星は太陽系の惑星と違って初心者向け天体望遠鏡でいくら倍率を上げて観てもただ光の点にしか見えません。
これは非常に距離が遠くてよほど大きな望遠鏡でしか大きく見ることが出来ないからです。
ところが何故だか殆どの恒星は大きさが判っています。
私たちにいちばん身近な恒星といえば「太陽」ですよね。
見た目にも面積を持っていいるし、距離も分かっているので何となく割り出せる気がしますよね。
その太陽の質量はどうやって割り出したのか知ってますか?
実は地球をはじめとする惑星の運動から太陽の質量を割り出しているのです。
地球や他の惑星の運動を調べるとどれだけ太陽から力を及ぼされているのかが分かります。
ここから太陽の質量を計算していたのです。
重力は引き合う天体の質量に比例する
自然界には万有引力の法則があることは誰でも知っていることですよね。
万有引力の法則によれば、重力は引き合う天体のそれぞれの質量に比例するのです。
またその距離の二乗に反比例します。
つまり互いの距離が2倍になれば重力は4分の一、互いの距離が3倍になれば重力は九分の一と弱くなります。
さらに惑星にかかる遠心力は公転速度の二乗に比例し、距離に反比例します。
この重力と遠心力から計算すると天体の質量は公転速度の二乗と、軌道半径に比例することになります。
この法則を利用して惑星を観察し太陽の質量を求めたのです。
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太陽以外の恒星の質量は表面の色から割り出す
それでは惑星の運動を観測できない他の恒星がどのくらいの質量を持っているのかをどうやって割り出しているのか気になりますよね。
実は表面の温度から質量を割り出しているのです。
恒星は水素を核融合により輝いていますが、恒星の質量と表面の温度に一定の関係を満たしています。
表面温度はスペクトルにより解析できますから恒星の色により表面温度が分かります。
つまり恒星の色が判明すればその恒星の質量がどれだけのものなのかが分かるわけです。
宇宙でもっとも大きな質量を持つ恒星
太陽系が属する銀河系には2000億個の恒星が存在しているといわれています。
さらに宇宙全体では銀河系のような銀河が1000億個あるといわれています。
これから考えると宇宙全体には途方もない数の恒星が存在していることになります。
その中でもっとも大きな質量の恒星を割り出すことは非常に困難と考えがちですが、恒星の質量というのは限界があって、ある一定の大きさよりも大きくなると不安定になり爆発してしまうといわれています。
その大きさというのが太陽の100倍程度と言われています。
というのは質量が大きくなればなるほど重力も大きくなるわけで、自らの大きさで持ち堪えられなくなるんでしょうね。
現在分かっているのは、「りゅうこつ座エータ星」で、地球から9000光年離れた天の川銀河内に位置し、やはり太陽の100倍程度の質量を持っているとされています。
ところがその理論上の数値を上回る質量の恒星が発見されたそうです。
それは大マゼラン銀河のタランチュラ星雲にある「R136a1」と呼ばれる恒星で、質量は太陽の265倍もあるとのこと。
この発見で上限の「太陽の100倍の質量」という考え方が変わるかもしれませんね。
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質量が小さいけど直径が大きな恒星
参考にですが、宇宙にはとてつもなく大きな恒星があります。
はくちょう座のV1489星と呼ばれる恒星は、地球から5250光年離れた位置にある赤色超巨星で、その直径は23億キロと太陽の1,650倍、質量は太陽の25~40倍と大きさの割には密度は小さいです。
ちょっと前まではおおいぬ座のVY星と呼ばれる恒星がもっとも大きいといわれていたのが観測技術の向上とともに実際は小さかったことが分かり6位になっています。
今のところは、はくちょう座のV1489星となっているようですが、いずれもっと大きな恒星が見つかるでしょう。
これらの大きな恒星はいずれも高齢な恒星で、近いうちに超新星爆発を起こしてブラックホールになるといわれています。
こうしてみると宇宙は本当にスケールがでかいですね。
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