超新星爆発は太陽の8倍以上の重さを持つ恒星が死ぬ瞬間に起こる現象ですが、その威力は周辺の惑星にはガンマ線が降り注ぎ、そこに住む生命体を絶滅させてしまうそうです。
4億5千万年前には太陽系に割と近い恒星が超新星爆発を起こしてその時代に生息していた生物の80%がたった10秒で死滅したという説があるくらいです。
ちなみに近くの恒星が超新星爆発を起こした場合、生物が死滅する恒星までの距離は5光年位、半数が死滅するのが25光年位とされ、私たちが住んでいる太陽系から10光年の範囲内にある恒星は10個ほどあることを考えるとちょっと怖い気もします。
超新星爆発が起こる仕組み
超新星爆発は意外なことに内部向かって“落ちる”ことで膨大なエネルギーを発して爆発するそうです。
これはどういうことかというと、恒星は自分自身の重力と内部のガスの圧力で丸い形を保っています。
恒星はその巨大さゆえに四方八方から重力で押さえつけられているので温度と圧力はとても巨大なものになっています。
そこにある理由で中心部の圧力の元になる物質が無くなってしまい、恒星は中心部に向かって一瞬に落ちていきます。
それも1秒よりも短い時間でです。
この落下エネルギーたるや膨大なもので、太陽が100億年かかって放射してきた熱エネルギーを1秒にも満たない瞬間に放つと言われています。
冒頭でも書きましたが超新星爆発を起こすには太陽の8倍以上の重さを持つ必要があります。
このような恒星は最終的には内部が鉄の原子核でいっぱいになっています。
水素が核融合でヘリウムになり、炭素、酸素、ネオン、マグネシウム、ケイ素といった具合に重い元素になり鉄までできるとのこと。
水素から鉄までは核融合でエネルギーをはきだして圧力が大きくなることで釣り合っていたのが、鉄よりも重い元素になるには逆に熱を吸収することになり、よって中心の圧力は下がります。
ある理由で中心部の圧力の元にある物質が無くなるというのはこう言うことで、これがバランスを崩した瞬間に超新星爆発が起こるのです。
それは人類の歴史上肉眼でも確認されたことがあります。
それが今のかに星雲となって現在までその美しい姿を魅せてくれています。
あわせて読みたい:かに星雲が超新星爆発した後の残骸って知ってましたか?
また、近々超新星爆発を起こしそうな恒星がオリオン座にあるベテルギウスです。
近々と言っても数カ月以内なのか数百年以内なのか分かりませんが・・・
追記(2021年7月11日)
2021年6月の報道によると、ベテルギウスの質量が観測によってこれまで知られていたよりも小さいことが確認されたことで寿命が10万年ほど先になるとされています。
詳しくはベテルギウスの超新星爆発は10万年先に変更!その理由とはをご覧ください。
あわせて読みたい:ベテルギウスが超新星爆発すると衝撃波で人類が絶滅?
太陽は超新星爆発するの?
太陽は質量が大きくないので超新星爆発を起こすことはないとされています。
太陽の最後は地球の軌道付近まで膨張してあとはガスを周辺に撒き散らしながら縮んでいき、最後には白色矮星になってしまうとされています。
これが惑星状星雲となって残ります。
こと座の環状星雲が有名ですね。
仮に太陽が超新星爆発を起こすと地球はもちろんのこと最も外側を公転する海王星も一瞬にして消滅し、太陽系に属する天体はすべて吹き飛ばされるそうです。
太陽系に最も近い恒星が超新星爆発を起こすと
太陽から最も近い恒星はアルファ・ケンタウリと呼ばれ、太陽系から4.4光年離れていて3重の連星という形から成り立っています。
最も大きい主星は太陽とほぼ同じ質量なので超新星爆発を起こすことはないと言われていますが、仮にアルファ・ケンタウリが超新星爆発を起こすと4.4光年という近い距離からして強烈なガンマ線が地球の生命体を絶滅させるだけの威力はあるだろうと言われています。
こう考えると人類がここまで進化できたのは近くの超新星爆発の被害に遭わなかったからで、小天体との衝突も含めてある意味ラッキーだったかもしれませんね。
銀河系で超新星爆発が起きる頻度
太陽系が属している銀河系ではおよそ100年に一度の割合で超新星爆発が起きていると推測されているようです。
ちなみに最も最近発見されたのは1964年の「SN1604」で、それ以降は発見されていないみたいです。
ただし、銀河系は直径10万光年という大きさなので地球から観測できなかったことも考えられるので実際はもっと多いのかもしれません。
ちなみに宇宙全体では1秒に一回起きているのではないかと言われています。
そう考えると宇宙もずいぶん荒っぽい感じがしますよね。
太陽が消えて無くなる50億年後?までは穏やかでいてほしいものです。
あわせて読みたい: 銀河の大きさはどれくらいなの?
動画で分かりやすく解説:BBC 神秘の大宇宙 DVD全9巻