太陽の寿命については子供のころからたびたび話題に上っていますよね。
地球が生命を育んでいるのも太陽のおかげですから太陽が寿命を迎えたら地球もただでは済まないことは誰でも予想がつきます。
太陽ってこれからも永遠に燃え続けるんでしょ!
何千年と燃え続けている太陽が消えてなくなるなんて信じられない!
なんて考えている人もいるのではないでしょうか?
しかし残念ながら太陽もいずれは寿命を迎えるんですよ。
今燦々と輝いている太陽もやがては輝きを失い消えてなくなると言われているのです。
あわせて読みたい:恒星の一生 誕生から 最後まで
太陽の寿命は100億年
宇宙には無数の恒星が輝いていますが、それぞれ大きさが違います。
小さい恒星は太陽の1割にも満たない質量のものから、大きいのは太陽の100倍もの質量を持つ恒星まで様々です。
太陽の寿命は100億年と言われていますが、これは太陽の内部で起こっている核融合反応が起こるための水素の量で決まります。
つまり太陽の質量から計算した寿命というのが100億年なのです。
そのメカニズムを簡単に説明します。
太陽の内部では水素の原子核同士が核融合反応で結合してヘリウムの原子核を作ります。
そのためには1000万度以上の高温が必要で、太陽の質量が1000万度という高温を作る条件に合致していたのです。
太陽の内部では誕生直後からこうした核融合反応が起きています。
しかし太陽が誕生したときに水素でいっぱいだったのが時間が経つにつれ燃えカスである「ヘリウム」に変わってきます。
ヘリウムが太陽の重さの10分の1くらいになると内部はヘリウムで埋め尽くされ、それ以上水素が核融合出来無くなるとされ、そこで太陽の寿命が尽きる、これが100億年ということになります。
動画で分かりやすく解説:BBC 神秘の大宇宙 DVD全9巻
太陽より大きな質量の恒星は寿命が短い
宇宙に存在する星は永遠に輝くことはありません。
いずれは最後を迎えて寿命が尽きてしまうんです。
ただ、恒星の質量の違いで寿命が長かったり短かったりしています。
恒星の寿命は質量によって変わりますが、実は質量が大きいほどかえって寿命が短くなってしまうんです。
たとえば太陽の1割にも満たない恒星は多数存在しますが、こちらの方が太陽よりも寿命が長いとされています。
逆に太陽よりも100倍も重い恒星もあり、これら大質量の恒星は太陽よりも寿命が短いとされています。
一見すると質量が大きければ大きいほど“燃料”が多いので長生きしそうですが、恒星が輝いているのは燃料を燃やしているのではなく核融合という方法で輝いているのでメカニズムが全く違うのです。
重い恒星ほど核融合反応のスピードには追いつかなくなるので寿命が短くなる
何故重い恒星ほど寿命が短いのかというと、重い恒星の内部は自らの重力によりそれだけ圧力が高くなります。
圧力が高くなればそれだけ温度も高くなります。
仮に太陽の10倍の質量を持つ恒星は中心部の高い圧力で温度も1億度になると言われています。
核融合反応というのは温度が少し上がるだけで反応のスピードが急激に速くなる性質があるので実際に太陽の10倍の質量を持つ恒星は太陽の1万倍の明るさで輝くといわれています。
それだけ明るく輝く分核融合のための“燃料消費”も早くなるんですね。
そして最後に超新星爆発を起こして一生を終えます。
このように大きな質量の恒星は自身の大きな質量を持ってしても核融合反応のスピードには追いつかなくなり結果として寿命が短くなるのです。
ちなみに、もし太陽の10倍の質量を持つ恒星が太陽と同じ明るさで輝けば太陽よりも10倍長生きすると言われています。
あわせて読みたい:ベテルギウスが超新星爆発すると衝撃波で人類が絶滅?
かに星雲が超新星爆発した後の残骸って知ってましたか?
金、銀、プラチナは超新星爆発で作られたって知ってましたか?
太陽の寿命が尽きる前に人類は滅亡する?
太陽は超新星爆発することなく寿命を迎えることになりますが、その時地球はどうなるのかというと、太陽くらいの規模の恒星は終末を迎えると徐々に膨張して最後の段階にガスを周辺に吐きだしながら縮んでいくと言われています。
その最後の段階に達する前に太陽の膨張が地球の軌道あたりか、あるいは火星の軌道まで達すると言われており、そうなればもちろん地球の生命は高熱で焼けつくされるので人類はもちろん全ての生物は消えて無くなる運命にあると言われています。
最後には惑星状星雲と呼ばれる姿になり、太陽は中央にわずかに光る白色矮星になると考えられています。
そして白色矮星となった太陽もやがて冷えていき、最終的には冷たい天体となり宇宙の闇に消えていくだろうと考えられています。
となると人類に残された時間はとてつもなく先になりますから心配する必要もないですね。