太陽系外惑星命名キャンペーン

観測技術の発達とともに次々と発見されている太陽系外惑星。

すでにその数は数千個にも上るといいます。

そんな中、国際天文学連合(IAU)が、創立百周年を記念し、太陽系外惑星の名前を募集しています。

募集しているのはかんむり座にある恒星「HD 145457」とその周りを公転している惑星「HD 145457b」

名前を付けるといえば、彗星や小惑星、新星などがよく知られていますが、観測機材や日々の観測といった人知れず努力が必要といいますが、今回の募集はそんな努力は一切必要なし!

あなたの天文への思い入れとちょっとした命名センスで永久に残る太陽系外惑星の名前を決めることが出来るのです!

今回は恒星と惑星の命名キャンペーンについて手助けになればと参考データをまとめてみました。

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日本に割り当てられた命名キャンペーン

今回の太陽系外惑星命名キャンペーンは、国際天文学連合(IAU)のプロジェクトが世界中の国と地域に太陽系外惑星系を命名出来る機会が提供されたもので、前回2015年に行われたキャンペーンに続くものです。

何故今回、恒星「HD 145457」とその周りを公転している惑星「HD 145457b」の命名が日本に割り当てられたのかというと、太陽系外惑星「HD 145457b」の発見が日本人によるものだからです。

応募は国立天文台のHPで行われますが、それぞれ細かなルールがあるようで、それに沿って応募することが推奨されます。

太陽系外惑星命名キャンペーン応募ガイドはこちら

命名理由を200文字以上で文章にまとめなければいけないので、地理や歴史、文学などの知識が豊富な人のほうが有利かもしれません。

しかし、ちょっとしたヒラメキで面白い名前が浮かぶこともあるので挑戦してみる価値はありそうです。

応募期間は2019年9月4日までとのことなのでご注意ください。

HD 145457の位置

恒星「HD 145457」はかんむり座にある7等級の恒星です。

暗いので肉眼では確認するのは難しいですが、おおよその位置を記しておきます。

かんむり座

8月中旬、夜8:00の南西の高い位置に観えます。

一度夜空を見上げて頂き、この位置に「HD 145457」とその周りを公転している「HD 145457b」がイメージできるといいですね。

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太陽系惑星の基本データ

いきなり太陽系外惑星の名前を付けろといわれても、どうやって名前を考えるのか迷ってしまうでしょう。

そこで太陽系の惑星の大きさや距離など基本データを載せておきますので名前を考えるときの参考にしてください。

天体名 赤道半径(km) 自転周期(日) 公転周期 公転半径(天文単位) 質量(地球=1) 平均表面温度(℃) 分類
太陽 696000 25.4 330000 5400 主系列星
水星 2439 58 87.9日 0.387 0.055 -170~430 岩石惑星
金星 6052 243 224.7日 0.723 0.81 480 岩石惑星
地球 6378 1 365.25日 1 1 25 岩石惑星
火星 3397 1.026 687日 1.524 0.11 -45 岩石惑星
木星 71492 0.4135 11.86年 5.204 318 -120 巨大ガス惑星
土星 60268 0.425 29.53年 9.582 95 -180 巨大ガス惑星
天王星 25559 0.7183 84.25年 19.201 14.5 -210 巨大氷惑星
海王星 24764 0.6713 165.2年 30.047 17.1 -220 巨大氷惑星
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「HD 145457」の基本データ

太陽系惑星の基本データを参考にしながら、今度は「HD 145457」のデータを見てみましょう。

恒星「HD 145457」は、太陽からの距離が約410光年離れた恒星で、その周りを公転しているのが惑星「HD 145457b」。

その基本データを見てみましょう。

天体名 赤道半径(km) 自転周期 公転周期 公転半径(km) 質量 平均表面温度(℃) 分類
HD 145457 9.9 ± 0.5 R☉(太陽半径) 不明 1.9 ± 0.3 M☉(太陽質量) 4,757 ± 100 K 橙色巨星
HD 145457b 11.7681 R⊕(地球半径) 不明 176.30 ± 0.39日 0.76(天文単位) 2.9 MJ(木星質量)
922.0202M⊕ (地球質量)
不明 巨大ガス惑星

2天体の各データを調べてみましたが、不明な点が多く、参考にならないかもしれませんが、分かる範囲で名前を考えるのも選択肢が広がってやり易いかもしれませんよ(汗)

太陽系と比較すると、恒星「HD 145457」は太陽質量の1.9倍、半径は太陽の9.9倍と、表面温度は4,757度と太陽よりも1000度低い数値となっています。

分類においては太陽が主系列星に対して「HD 145457」は橙色巨星と違うタイプに分類されています。

また惑星「HD 145457b」は、太陽系でいえば木星のような巨大ガス惑星とされており、表面の模様も横縞模様ではないかと考えられています。

主星「HD 145457」からの距離は、0.76天文単位と、太陽系でいえば金星より若干外側を公転しています。

にもかかわらず大きさは木星とほぼ同じで、質量は木星の3倍近くあります。

動画で分かりやすく解説:BBC 神秘の大宇宙 DVD全9巻

太陽系外惑星想像図
出典:国立天文台

いかがでしたか。

太陽系と比較することはナンセンスかもしれませんが、名前を考える上で何かのきっかけになれば幸いです。

応募は太陽系外惑星命名キャンペーン