小惑星と彗星の違いは何ですか?と聞かれることがあります。
小惑星や彗星は太陽系の小天体と定義されていて、簡単にいえば惑星や衛星、準惑星以外で球形になっていない天体をいいます。
現在小天体とされている物でも球形をしている小惑星がいくつかあるので、準惑星に格上げされる可能性もあるとのこと。
実は彗星も小惑星の一つで、太陽のエネルギーにより氷などが溶けだして蒸発することで拡散している天体を彗星と呼んでいます。
手っ取り早い回答をすれば、
「太陽に近づいて長い尾をひく小天体が彗星で、そうでないのが小惑星」
ということですね。
しかし実際には発見当初は尾をひいていたのが何度か太陽に近づいていたら尾をひかなくなってしまいその後は小惑星に変更された天体もあるんですよ。
それとは逆に発見当初は尾をひいていなかったのが、突然尾をひくようになったりと専門家を驚かせることもあるそうです。
実は彗星と小惑星には統一された識別方法が無いのが現状で、見かけや組成で彗星か小惑星かに分けられていたようです。
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水星と彗星ってどう違うのか知っていますか?
彗星と小惑星が存在する領域
彗星と小惑星は次のように大きく分けて3つの領域に存在します。
1.小惑星帯
火星と木星の間に小天体が集まっている領域を小惑星帯と呼んでいますが、カイパーベルトにも小惑星が存在することから、それと区別するために、この領域ををメインベルトと呼ぶようになりました。
2.カイパーベルト
太陽系の外縁部にある領域で、海王星の外側を周回する領域のことをいいます。
ハレー彗星やエンケ彗星等の短周期彗星はカイパーベルトからやってきたとされています。
宇宙戦艦ヤマトでガミラス星人がカイパーベルトの小惑星を遊星爆弾に改造して地球に打ち込んだことでも知られていますね。
詳しくはこちら:宇宙戦艦ヤマト2199でわかる天文学
3.オールトの雲
カイパーベルトのさらに外側で太陽系を球殻状に包んだ状態の領域と言われていますが、その存在はまだ確認されていません。
ちなみにその距離は太陽から約1光年の距離にあるとされています。
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彗星の多くはは太陽系外縁部からやってくる
彗星は“汚れた雪だるま”と呼ばれているように、もともとは太陽の熱があまり届かない寒冷な場所からやってくると考えられています。
これまでの観測で惑星になりきれなかった小天体が集まっているカイパーベルトで他の小天体との衝突などで軌道を変えて太陽に近づく軌道に変更させられたものが彗星であるとの説が有力です。
またオールトの雲からも彗星がやってくると考えられています。
長周期彗星はオールトの雲からやってくるのではないかと言われています。
小惑星が彗星に変更されることも
以前はこのメインベルトには小惑星しか存在しないと考えられていたのが、ある日彗星と同じように物質が吹き出しているのが観測され、それ以降メインベルトにも彗星が存在することが確認されました。
この彗星のことをメインベルト彗星と呼ばれていますが、メインベルトにある氷は太陽系が誕生して以来45億年の間に蒸発してしまったと考えられていたのが、メインベルト彗星の発見以降今でも氷が溶けずに残っていることになり専門家の間で謎になっています。
はやぶさ2が向かっている小惑星は氷や有機物が存在していると予想されることから、サンプル回収が成功すればメインベルト彗星の謎が解明されるかもしれません。
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冥王星も彗星になる可能性がある
数年前に太陽系第9惑星から準惑星に格下げされた冥王星は、先頃の探査機により氷の存在が確認されましましたね。
報道でもその姿が掲載されていたのでご覧になっら人も多いかと思います。
私も冥王星の表面が凍っている姿を見て非常に驚きました。
というのは冥王星は非常に小さく、月よりも小さいので表面はクレーターだらけと考えていたからです。
ここでちょっと想像してみたんですが、仮に冥王星が他の天体と衝突して軌道を変え、ハレーすい星のような軌道になったらどうなるのか?ということです。
そうなれば太陽に近づくにつれて表面の氷が溶けて尾を引くはずであり、この場合世紀の大彗星になるのでは・・・。
まあ、あり得ないでしょうけど・・・
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