2014年11月30日打ち上げ予定の「はやぶさ2」は初代の「はやぶさ」の様々なトラブルを起こした経験からいくつかの改良がされているそうです。
また、今回向かう小惑星は、前回よりも遠い「1999 JU3」ですが火星と木星の間にある「小惑星帯」の外側にある小惑星ですが、有機物や水分が採取できるのではないかと期待されています。
前回よりも遠い小惑星と言うことで初代「はやぶさ」よりも確実性が求められます。それだけに今回の「はやぶさ2」には数々の変更点が加えられたようです。
またミッションにも変更点があり、太陽系の誕生起源だけでなく生命誕生時の材料特定にも期待が集まっています。
その変更点とはどんなところなんでしょうか。
はやぶさ2は有機物や水分を採取
小惑星にはその軌道により構成物質が異なるとされていて、いくつかの型に分類され、その多くはC型とS型となっているそうです。
スペクトルにより分析され、C型は炭素系の物質が主成分とされ、小惑星の75%を占めるとされています。
S型は、ケイ素を主成分として全体の20%を占めているとされているとされています。
初代「はやぶさ」はS型の「いとかわ」と呼ばれる小惑星に到達してサンプルを採取してきましたが、「いとかわ」の軌道は小惑星帯の内側にあるため地球からの距離は割と近いとされています。
ところが「はやぶさ2」が向かうとされている「1999 JU3」はC型の小惑星で、小惑星帯の外側にあるにもかかわらず、例外的に地球に接近する軌道を採っているので「はやぶさ2」のような小さな探査機でも往復できる距離になるために選ばれたとされています。
はやぶさプロジェクトが不可能と思われていた裏にあったものとは
またC型の小惑星には有機物がたくさんあることが観測によって確認されていて、水分を含んだ岩石も多く存在するとされています。
その表面に火薬をセットした弾丸を衝突させて人工的にクレーターを作り、表面の砂や岩石だけでなく放射線などの影響を受けていないとされる内部まで調べようとしています。
そこからサンプルを採取することで生命誕生の起源までわかるのではないかと考えられているとのこと。
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イオンエンジンと化学推進
初代「はやぶさ」ではエンジントラブルに見舞われ、途中で断念せざるを得ない事態にまで追い込まれそうになった経緯から、軌道修正に関連する推進力を確実にするためにエンジン回りを強化しているとのこと。
その改良されたとされるエンジンとは「イオンエンジン」と「化学推進」です。
「イオンエンジン」とは電気の力でイオンを加速して後方に押し出すことで推進力を得るシステムで、ロケットエンジンのように大量の燃料を必要としない為に多くの人工衛星に使われているそうです。
地上実験では20,000時間、宇宙空間では15000時間動作した実績があるとのことですから、「はやぶさ2」が6年かけて小惑星を往復するには十分であるとされています。
イオンエンジンの馬力そのものは小さいですが、真空の宇宙空間で使うと空気の摩擦は考えなくていいので重宝されているようです。
小惑星に1年半ほど滞在
初代「はやぶさ」が小惑星「いとかわ」に3か月滞在したのに対して、「はやぶさ2」は「1999 JU3」に1年半も滞在する予定です。
何故こんなに長い期間滞在するのでしょうか?
それは小惑星の自転軸の傾きにあります。
初代「はやぶさ」が到達した「イトカワ」の自転軸は公転面に対して垂直に立っていたのでその内側を並行して公転していた「はやぶさ」からは、3か月滞在すれば「イトカワ」の全体を見ることができたのです。
ところが「はやぶさ2」が到達する予定の「1999 JU3」は時珍軸が公転面と同じになっている可能性があるので公転周期である474日、すなわち1年半滞在しないと全体像を見ることができない可能性がある言うわけです。
全体像が見れないとなると観測やサンプル採取をすることができなくなる可能性があるので仕方が無いということです。
しかし、逆に考えればもし、「1999 JU3」の自転軸が立っていたら1年半もの滞在は必要ないわけで、6年と言う計画が短くなる可能性があると思います。
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アンテナ改良
初代「はやぶさ」ではアンテナ姿勢制御装置が故障して衛星自体がぐるぐると回転して地球に電波が届かなくなったトラブルがあり、一時は絶望視されていましたが、スタッフの努力によって回復した経緯があります。
そうした経験からアンテナをパラボラアンテナから平らなアンテナを2つ採用して、より効率的にデータの送受信が出来るようにしたそうです。
またこのアンテナは太陽光による過熱も防ぐことができるようになりより安全性が高まったとされています。
はやぶさ2を覆っている金色のアルミホイールみたいなものは何?
よく人工衛星の発表会で本体に金色のアルミホイールみたいなもので覆われていますが、「はやぶさ2」でも同様に覆われていますよえね。
以前から気になっていたんですが、あれはいったい何でしょうか?
宇宙では真空なために太陽光線が当たる部分は150度にも達すると言われ、逆に影の部分はマイナス150度以下に達すると言った過酷な条件のもと、機材が変形したり硬くなったりすることが無いように付けられているそうです。
これは「サーマルブランケット」と呼ばれるアルミホイルのようなブランケットで、マジックテープで簡単に貼りつけられているそうです。
宇宙では風が無いので簡単に貼りつけられているそうですが、もう少し慎重に貼ったほうが良いように思うのは私だけでしょうか?