アンドロメダ銀河やオリオン座大星雲等、地球からはいくつもの星雲が見られますが、最近ではハッブル宇宙望遠鏡により非常に鮮明な姿を見ることが出来るようになりましたね。
宇宙空間に広がる色とりどりのガスやような星雲は、まるで人が描いた絵画か、CGだろうと思われるような星雲の姿には本当に驚かされます。
実は私も最初のころはCGと思い込んでいました(^^ゞ
ところが実際の画像と知るや、これがハッブル宇宙望遠鏡の実力なんだと感心したことを今でも覚えています。
観測技術が未発達のころにはこれらの星雲はぼんやりとした姿しか見ることができなかったために、これらを総称して星雲と呼んでいましたが、ハッブル宇宙望遠鏡をはじめとする観測技術が発達したことで、3つに分類されるようになりました。
それは「銀河」「散光星雲」「惑星上星雲」です。
ここではそれらの特徴をまとめてみました。
銀河の特徴
私達が所属している銀河系をはじめアンドロメダ銀河やりょうけん座にある渦巻状のM51もこれに属しています。
銀河は総じて大きく、私たちの銀河系では直径が10万光年、アンドロメダ銀河は直径20万光年もあります。
また銀河にもそれぞれ違った形があり、次のように大きく4種類に分けられています。
中心に向かって周囲を渦を巻くように星や星間物質が回転している銀河で、アンドロメダ銀河がこれに相当します。
真横から見ると中心付近が凸レンズのように盛り上がった状態になっていて、この部分は「バルジ」と呼ばれ、ブラックホールがあると言われています。
バルジには比較的古い恒星が多くバルジの外側の薄い部分は「ディスク」と呼ばれ、何本もの腕が伸びたように見えます。
この銀河全体を包み込むようになているのが「ハロー」と呼ばれ、ここに数100個もの球状星団が存在しているそうです。
渦巻銀河には中心部が棒状になっている構造のものがあり、このような銀河を「棒渦巻銀河」と呼ばれています。
私たちが住んでいる銀河系は以前は渦巻銀河と考えられていたのが、最近になって棒渦巻銀河であるという説が有力になってきているそうです。
地球から見ると夏の天の川のいて座付近が銀河のバルジになり、冬の天の川はオリオン座の右寄り付近に見えるのが、銀河系のディスクということになります。
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渦巻銀河と同じように凸レンズのような構造ですが、ガスや塵などの成分が非常に少ないことから腕が見られない状態の銀河をいいます。
りゅう座 NGC 5866やかみのけ座のM85(NGC4382)がこれに相当します。
ガスや塵などの成分が少なく若い星が見られないことから、一説には渦巻銀河が何らかの理由でガス成分を失い、新たに星が形成することが出来なくなった姿ではないかと考えられています。
3.楕円銀河
銀河自体が殆ど回転しておらず、ディスクとバルジの区別が無い銀河をいいます。
この銀河もレンズ状銀河と同様、これまで若い星が観測されていなかったことから、渦巻銀河が新たに星が作られなくなった銀河と考えられていたのが、最近の観測で若い星も発見されてきたことで、別々の銀河が合体したものではないかと考えられているようです。
4.不規則銀河
渦巻銀河、レンズ状銀河、楕円銀河に分類されない銀河をいいます。
銀河同士の衝突や恒星の大爆発によって渦が歪んだ形のもので、はっきりしない姿になっているのが特徴です。
からす座のNGC4038、4039とおおぐま座のM82が不規則銀河に相当します。
散光星雲の特徴
オリオン座大星雲に代表するような星雲で、四方に不規則な形で散乱して、可視光によって観測できる範囲に広がったガスや塵がまとまった状態のものをいいます。
散光星雲には自ら発行している「輝線星雲」と近くの恒星により照らされている「反射星雲」の2種類に分けられます。
オリオン座大星雲の他に、おうし座のかに星雲、いっかくじゅう座のばら星雲がこれに相当します。
惑星上星雲の特徴
恒星が終末を迎えて超新星爆発を起こさず、四方にガスを放出させて、中心には白色矮星として残った形の星雲をいいます。
太陽もこのケースを辿ると言われていて、約50億年後以降は太陽系も惑星状星雲になっている可能性が高いそうです。
ちなみに太陽の8倍以下の質量をもった恒星が惑星状星雲になると言われていて、その寿命は1000年~数万年と言われています。
また中心に淡く輝く白色矮星も数万年後には宇宙空間に拡散して消滅する運命といわれています。
こと座の環状星雲やおおぐま座のふくろう星雲がこれに相当します。
私も天体望遠鏡でこと座の環状星雲を見たことがありますが、リング状になっている姿がはっきりと見えましたよ。
さすがに中心にある白色矮星までは見えませんでしたが・・・
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