太陽系で一番大きく縞模様と大赤斑と呼ばれる現象で天文ファンに馴染みの深い木星は、夜空に明るく輝くことで簡単に見つけられる惑星です。
直径は地球の11倍、1日は9.9時間、公転周期は11.86年、太陽系全惑星の70%の質量をもつとされています。
木星は地球の11倍の直径と大きいことから重力もそれなりに大きく、体重が70kgの人が木星に行くと160kg以上になるんだそうです。
その木星が隕石から地球を守ってくれているというのをご存知ですか?
木星はその巨大な重力で太陽系外からやってくる彗星などの天体が持つ軌道を変えることで地球に衝突しないようにしてくれているというのです。
地球だけではありません。
火星や金星などの木星より内側に軌道を持つ惑星への突入を防いでくれているとのこと。
「土星の環の正体」で少しだけ触れていますが、1994年にシューメーカーレビー彗星が木星の重力につかまり突入したのを覚えていますか?
バラバラになったシューメーカーレビー彗星が木星に突入してきのこ雲みたいな火柱?ができた映像がテレビや新聞でも載っていましたね。
これは木星の強力な重力による「潮汐力」でバラバラになったんですよ。
こうして木星に彗星のような天体が吸い込まれていくことで地球は木星と比べて8000分の一にまで衝突頻度が減少しているんだそうです。
ということは木星の存在が無ければ人類がここまで進化していなかったと言えるのでしょうね。
木星の公転周期は12年なので遠ざかると効果が薄れる?
木星は公転周期がとても長く、約12年なので地球から見て太陽の裏側に位置している時は衝突回避の効果が薄れるのではないかと感じますね。
しかし、木星と太陽の重力に地球が引っ張られるので、小惑星の軌道と地球の軌道が交わり難くなるとされているんだそうです。
ただし衝突しないとされていた小惑星が木星の重力で地球に衝突する軌道に変化してしまうことも無いとは言えないそうです。
しかし、確率的には先にも書きましたが、木星の8000分の一まで衝突確率が少ないと言われています。
何度も周回しているうちにより大きな天体に衝突する
小惑星や彗星は、突然やって来るものは非常に少なく、その多くが長い間太陽系を周回しています。
何度も回帰していればより大きな天体に衝突する確率は高くなるわけで、地球の外側を公転する大きな惑星、木星、土星、天王星、海王星に衝突しやすいということです。
そこに各惑星の重力が加わればなおさら衝突しやすくなるというわけです。
何回も木星に近づいていればそのうち木星に吸い込まれていくことになるとされています。
地球に似た太陽系外惑星でも同じことが言えるのでは?
地球は太陽からほど良い距離にあることで温暖な気候に恵まれ生命の進化に適していたとされていますが、ひとたび小惑星が衝突すれば生命の進化も遅れてしまうわけです。
こうしたことを考えれば木星があるおかげでここまで人類が進化してきたといえます。
現在地球と似た太陽系外惑星が観測によってたくさん発見されていますが、木星のような“兄弟惑星”の存在も生命体の進化に大きく影響するのではないかと感じます。
今のところそのような発表が無いところを見ると発見されていないんでしょうね。
合わせて読みたい:地球とソックリの惑星がすぐ隣にあった!
木星の衛星は60個以上
木星は大きな重力ゆえに持っている衛星も60個以上が発見されています。
これは巨大な重力が成せる技で、専門家の間では今後もっと衛星が見つかるだろうと言われています。
木星は水素とヘリウムで構成されているガス惑星です。
水素とヘリウムといえば太陽がそれに相当しますが、何故太陽が核融合できて木星ができなかったのかというと、単純に質量が足らなかったからと言われています。
とはいえその巨大さがゆえに多くの衛星を取り込んでいて、もし質量が満たされて核融合が起きていれば第二の太陽系になっていたのかもしれないと言われています。
といってもあと80倍大きくないと核融合は起こらないとされていますが・・・
ちなみに大きな恒星の周りを小さな恒星が回っている天体はいくつもあるそうです。
いずれにしても私たちにとっては木星は“守り神”のような存在なんですね。
動画で分かりやすく解説:BBC 神秘の大宇宙 DVD全9巻