グーグルが月面でのレースを全て民間で行うことで開催されようとしていますね。

これまで月面探査と言えば国家主導で行われてきましたが、これを民間で行おうというのですから、宇宙開発も次のステップに向かって動きだしたと言えるのではないでしょうか。

火星旅行も計画されていてNASAでは実験が始まったようで、今後の宇宙開発はにぎやかになっていくでしょうね。

関連リンク:宇宙旅行が20年後に実現?

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月面レースのミッションは月面を500m走行し画像を地球に送信すること

月面レースのミッションとは、2016年までに民間のロボットを月面に着陸させて500mの走行と画像を地球に送信させることだそうです。

優勝を勝ち取ったグループには賞金2000万ドル(2015年3月現在、日本円で24億円)が手に入ることになっているようです。

参加申し込みは2010年末で締め切られていて、世界から現在25チームが参加予定とされています。

この月面レースには日本のグループも参加していて、東北大学・航空宇宙工学専攻の吉田教授を月面探査ロボット開発のリーダーに迎えたとのこと。

そのロボットの名前は「HAKUTO(ハクト)」です。

現在HAKUTOはアメリカの宇宙開発企業アストロボティック社と月面輸送契約を結んでいるとのこと。

打ち上げロケットはどうやって調達するの?

月面探査ロボットを月に到達させるには、打ち上げるロケットが必要になります。

まず打ち上げにはSpaceX社のロケット「Falcon9」を使用し、月面着陸船にはアストロボティック社Griffin(グリフィン)に他のチームのロボットと“相乗り”という形を採ったそうです。

こうすることでミッションの成功率が高まり、経費削減にもなるそうです。ただしどちらかのチームがミッション成功の賞金を獲得した場合には分配という形にしたとのこと。

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問題は開発資金

探査機を作るとなると膨大な資金が必要となりますが、これまでの月面探査機にかけてきた資金は10kg程度のものでも200~300億円かかるそうです。

しかし、これは国家が主導で税金を使って行うもので失敗が許されないことからこのような膨大な資金が必要になるわけで、民間なら半分~3分の1以下に下げることが可能だそうです。

とはいえ日本の月面探査ロボットには20~30億円の資金が必要とされ、今のところ5億円程度しか調達できていないとのこと。

今後は自分たちの技術や、今後の宇宙開発にどれだけ貢献できるのかなど、如何にアピールして資金を調達できるかにかかっているんでしょうね。

どこか大口のスポンサーが見つかるといいですね。

ロボットは優秀でも月面着陸のノウハウが無い

月面探査ロボットをSpaceX社のロケットで打ち上げるのはいいとして、次に難しいのが月面着陸と言われています。

現在月面着陸に成功しているのはアメリカ、ロシア、中国だけで、日本はまだ成功していません。というか試みたことさえありません。

いったいどうやって月面に着陸させるのか調べてみました。

すると、地上である試験を行うことでふるいにかけるべく「中間賞」を設けているそうです。これに合格すれば賞金50万ドルがもらえるそうです。

それは以下のようなミッションが成功しないと参加できないようになっているとのこと。

1.月面着陸のための飛行制御技術
2.月面でのロボット走行技術
3.月面での映像撮影技術

日本のHAKUTOはこれらの3つのミッション全てにおいて合格となり中間賞50万ドルを手に入れたそうです。

これで日本のHAKUTOも月面に着陸できると信用されたんです。

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優勝して賞金をもらっても赤字

今回の月面レースでは優勝賞金が2000万ドルとなっていますが、日本チームの話によると、結局は赤字になるそうです。

しかし優勝することにより自分たちの技術が世界に認められることになり、それはその後の宇宙開発に大きく貢献でき、ひいては日本経済にとって非常に大きなものになるとのこと。

今回の月面レースで優勝することの意義は、宇宙開発ビジネスの呼び水になるようにしていきたいとのこと。

ということは月面レースでの優勝はゴールではなく、その先にあるものはもっと大きなものってこと?

その大きなものとは・・・

日本の宇宙開発は「はやぶさ」だけではないようです。