「人類移住先候補の惑星を発見!?」で2つの太陽系外惑星が発見された話題について書きましたが、最近になってより細かな情報が入ってきたのでご紹介します。

研究グループの発表によると、公転周期や惑星の質(岩石質なのかガス質なのか)まで高確率で確認しているようです。

その惑星の名は、現在のところ「ケプラー438b」と「ケプラー442b」になっています。

研究チームはこの発見を「有望な候補」と位置付けているようですから、最終目的は人類移住先を特定することのような気がします。

人類が移住できるのは今のところ岩石質の惑星だけですから、この報告は将来の移住先として候補になることは間違いないでしょう。

2つとも赤色矮星を親星として、そこからほど良い距離を公転しているそうです。

赤色矮星とは、太陽よりも小さな恒星で、質量も小さく温度も低いとのこと。

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今の科学では人類の移住は無理

「ケプラー438b」は直径が地球の112%、公転周期は35日、
岩石質の可能性が70%

「ケプラー442b」は直径が地球の3分の一、公転周期は112日、
岩石質の可能性が60%

これらの数値から言えることは、「ケプラー438b」の公転周期が異常に短いことですね。地球の365日に比べて10分の一ですから飛んでも無いスピードで公転していることになります。

「ケプラー442b」は火星よりも小さいことから大気を引きつけておくほどの引力は期待できないので生命の存在は無いと思います。

というのは火星も大気が非常に薄くて宇宙服なしでは歩けないそうですから。

その火星より小さいとなるとなおさら期待できませんよね。

ただしこれは地球での常識から考えられることであって、全てのことに当てはめることは限りませんから・・・

はっきりとしたことは言えません。

※2022年2月9日追記

調べてみたところ、両惑星の観測値が修正されていたようなので載せておきます。

「ケプラー442b」は直径が地球の1.34倍とのことで、火星よりも小さいとされていたことから生命の存在は期待できないとされていましたが、地球の1.34倍となれば大気を引き留めておくには十分な引力を持ち合わせているものと考えられます。

両惑星の大きさイメージというのがこちら

ケプラー438bとケプラー442bの大きさ比較
出典:Wikipedia

ケプラー442bは主星のケプラー442から0.274 auから0.681 au離れた、ハビタブルゾーンの中間に位置することから表面温度は地球と同じと推測されています。

これはかなり期待できますね。

 

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水が存在する可能性も有望

水

この2つの惑星で最も気になるのが水ですよね。水が無ければ生命が居住することはできませんから。

まず水の供給元ですが、惑星の外から運んでもらう必要があります。

地球の水の供給元ですが、今のところ彗星が運んできたという説が有力ですが、最近、彗星探査機「ロゼッタ」の分析により小惑星から運ばれたという説を唱える学者も出てきました。

「ロゼッタの観測結果では地球の海は小惑星から運ばれた!?」を見てみる

どちらにしても彗星や小惑星の存在が必要で、太陽系の火星と木星の間にある「小惑星帯」や「カイパーベルト」のように水星や小惑星が多数存在していないと無理なのではないでしょうか?

また水が液体として存在していなければならないので、恒星からの光がどれくらいなのかが重要になってきます。

恒星の光が強すぎたり弱過ぎたりすると水は液体として存在できませんから適度な光であることが必要です。

ちなみに、恒星から受ける光は

「ケプラー438b」が地球が受けている太陽光の141%で水が存在する可能性が70%。

「ケプラー442b」が地球が受けている太陽光の66%で水が存在する可能性が97%。

これらの数値を見る限りでは生命が存在する可能性は極めて高いような気がします。

それにしても数年前なら考えられなかった「太陽系外惑星」が最近になって次々と発見されているのはまさに観測技術が発達した証でしょう。

ケプラー宇宙望遠鏡のおかげですね!(^^)!

 

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惑星までの距離は470光年と1100光年

「人類移住先候補の惑星を発見!?」でも書いてあるように、両惑星までの距離(470光年と1100光年)は今の常識で行ける距離ではありません。

しかし、太陽にも寿命があるので人類が未来永劫地球に住むことは不可能です。

今から30億年後までには地球は消滅すると言われていますから、その時までには移住先を特定しておかなければいけないのは明らかです。

タイムマシンがあれば問題ないでしょうが、今のところ理論的にはできても現実的には無理とされています。

映画「インターステラー」のようには上手くいきません。

現実的に考えれば地球の環境をそのまま再現できる宇宙船を建設して、長い年月をかけて移動するしかありません。

昔SF映画に出てきたドーナツ状の宇宙ステーションです。
これに推進力を付けて太陽系を脱出するのです。

それまでの準備も考えなければなりません。世界で協力して資金を出し合い「宇宙エレベーター」で資材を宇宙まで運ぶことができれば経費もかなり抑えられます。

問題は移動時間です。ひょっとしたら1万年以上かかるかもしれません。もちろん1世代では行けませんから数十世代かかるでしょう。

その間に紛争や疫病が蔓延するような事態があってはなりませんからその準備も必要です。

宇宙空間での食料生産技術も必要です。三十億年後ですから人工的に植物や動物性たんぱく質の製造も可能になっているかもしれません。

移動中に近くを通る星の重力による影響も研究を進めなくてはなりません。

いずれにしても壮大な計画になるので世界で協力しなければ実現しないと思います。今みたいに各地で戦争なんかしている場合ではありませんよ。

もっともこのような話は常識人からすればただのおとぎ話でしょうけど・・・