宇宙から地球を見ることはだれしも一つの憧れですよね。
無重力体験や青い地球に数々の星、月、太陽など、地上にいては味わえないことが今は民間の宇宙旅行で可能になりました。
しかし、それなりのリスクもあって簡単には行けないことや、高額な費用がかかることでごく一部の人しか行くことができません。
ところが、最近にわかに注目されている技術があります。
それが35年後に完成する予定の「宇宙エレベーター」です。
宇宙エレベーターが静止衛星と地球をケーブルで繋ぐ
「宇宙エレベーター」とは大気圏外を航行している静止衛星と地上の間をケーブルで結んでエレベーターを使って往復しようという技術です。
この構想が実現すれば莫大な費用をかけてロケットに人や物資を積んで打ち上げる必要が無くなり大幅なコスト削減を図ることができます。
また、エレベーターで宇宙空間と地上を気軽に行ったり来たりできるので、これまでの宇宙旅行のようにロケットの打ち上げや大気圏突入といった危険な作業が必要無くなります。
この他にも様々な応用が考えられているようで、まさに夢の技術といわれているそうです。
そう言えば俳優の岩城滉一が民間宇宙旅行を予定しているそうですね。
その宇宙旅行って言うのがこれで、代金は何と25万ドル、日本円にして3000万円!
もっとも、岩城滉一が申し込んだときは為替が1ドル80円台だったので2000万円台だったはずですが、それにしても普通の人が払える金額ではありません。
これが宇宙エレベーターで実現できるわけですからかなり安くなるのではと言われています。
ただし、到達するまでかなりの時間がかかるようですが・・・
宇宙エレベーターの開発は日本が最先端
宇宙エレベーターというと一番ネックだったのがケーブルです。
計算によると鉄鋼の100倍以上のの強度で軽い素材が必要ということで、これが大きな壁となっていたそうです。
ところが日本の技術により「カーボンナノチューブ」と呼ばれる軽くて丈夫な素材が開発されたのです。
参考記事:カーボンナノベルトの成功で宇宙エレベーターが現実に!?
「カーボンナノチューブ」は鉄鋼の150倍以上の強度があり、これがきっかけとなり宇宙エレベーターががぜん現実味を帯びてきたそうです。
現在さまざまな商品に利用されているみたいですよ。
聞いたことのない部品ばかりでピンとこないですが(^^ゞ
実際に使われている所を見ると優秀な素材であることは間違いないようです。
まさに奇跡の素材で、さすが物造り世界一の日本ですよね。
宇宙エレベーターの建設は大林組
気になる宇宙エレベーターの建設を請け負う会社ですが、ゼネコン大手の「大林組」です。
大林組によると宇宙エレベーター構想は2012年に発表され、2050年に運用を開始することを目標としているようです。
ただ現在は理論的には可能というところまでしか進んでいないようで、まだ始まったばかりみたいです。
しかし、高度が3万6,000kmの静止軌道ステーションへ結ぶ構想と言うことで、かなり大掛かりな作業になるみたいですよ。
宇宙エレベーターのメリット
先にも書きましたが現在、人や物資を宇宙に運ぶためのロケットの重量はその90%が燃料といわれています。
ちなみに日本のH2ロケットで貨物を打ち上げると燃料代だけで1キロあたり105万円かかると言われています。
ということは100キロになると1億円以上かかってしまう計算になりますよね。
それが宇宙エレベーターだと何と100分の1にまで安くなるそうです。
もちろん初期投資の建設費は1兆円を予想しているので減価償却費を計算するともっと高くなりますが、これがうまくいけば第二、第三の宇宙エレベーターを造るのに40%も経費が削減できるとのこと。
そうなると料金はさらに安くなり1キロ当たり1000円にすることも可能なんだそうです。ということは60キロの体重なら6万円で宇宙まで運んでもらえるんですよ!
高度3万6千キロで6万円だったら飛行機代より安いですよね♪
そんな単純なもんでは無いでしょうけど(^^ゞ
巨大な太陽光発電パネルの設置や無重力を利用した合金の開発なども可能
宇宙エレベーターは物資を運ぶだけではありませんよ。
宇宙空間の無重力を利用することで太陽光パネルの設置も無限大にできるし、無重力でしかできない合金も大量生産することが可能になります。
そうすれば新たな産業が生まれるし今までは予想もしなかった物作りが可能になるかもしれません。
そんなことを考えると宇宙エレベーターって日本経済に物凄いインパクトをもたらすかもしれませんよ。
是非私が生きているうちに実現してほしいものです(^^ゞ