宇宙エレベーター

「宇宙エレベーターって何年後にできるの?」では宇宙エレベーターの概要を書いていますが、ここではその問題点について考えてみたいと思います。

宇宙エレベーター建設といっても高度3万6,000kmの静止軌道ステーションと地上を結ぶわけですからそう簡単にはいかないでしょう。

そこまで至るには多くの難題が潜んでいるはずです。

宇宙エレベーター建設に関していくつかの問題点が浮かんできますよね。

ココではその問題点について調べてみたのでご紹介します。

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宇宙エレベーターはどこの地上に設置するの?

宇宙エレベーター
出典:大林組

人工衛星は地球の引力と自信の遠心力とバランスをとって惰性により地球の周りを公転します。

このとき人工衛星の高度が低ければ引力も大きくなるので遠心力でバランスをとろうとするとスピードが必要になります。

一方、人工衛星の高度が高ければ地球の引力が小さくなるので遠心力も小さくて済むために公転速度も遅くて済みます。

さらに人工衛星の公転する中心点は地球の中心にあたりますから、人工衛星は必ず赤道上空を通過します。

このことにより、静止軌道というのは地球の自転速度と人工衛星の公転速度が一致しなければなりませんから高度が3万6,000kmに指定されているのです。

また、イメージしてもらえば判ると思いますが、地球は北極と南極を結ぶ軸で自転しているので、「静止軌道」というのは必ず赤道上になります。

これが北極側や南極側に少しでもずれたら静止軌道は成り立ちません。

ただし、地上に建設するアースポートは、赤道上の必要は無く、緯度35度までなら可能だそうです。

日本でいったら関西地方くらいまでなら問題ないそうです。

 

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宇宙エレベーターの速さはどれくらい?

宇宙エレベーターは構造上、ロケットのような超高速で昇っていくことはできませんから、地上の乗り物で現在一番早いのでリニアモーターカーの時速500kmとなり、仮にこのシステムを利用したとしても上空36,000kmの宇宙ステーションに到達するまで72時間、丸3日かかります。

単純計算で72時間かかりますから、体の負担を考えるともっと長くなるでしょう。

今のところは1週間ほどかかるとされています。

ということは新幹線並みのスピードを想定しているのでしょうね。

強風には耐えられるの?

強風

宇宙エレベーターで一番の問題点になっているのがケーブルが受ける強風なんだそうです。

地上で台風のような強風が吹き荒れてケーブルが引っ張られて、宇宙ステーションの軌道がズレてしまったり、ケーブル自体が切れてしまったら大きな災難になることは間違いありません。

しかし、建設は赤道上ということは判っています。

よくよく考えれば、台風の構造上赤道上には発生しませんから台風の影響は考えなくても良いでしょう。

他には落雷やジェット気流、ヒョウといったところです。

しかし、このような問題点は現在の飛行機でも課題になっていますから今後解決されていくのではないでしょうか。

ましてや宇宙エレベーターの完成が2050年を想定していますからこれまでの科学の発達を考えればさほど難しいことでもないような気がします。

宇宙エレベーターの輸送料金

「宇宙エレベーターって何年後にできるの?」でも書いていますが、関係者の間では搭乗は6万円という料金を予想していますが、何せ35年後のことですからこればかりは判りません(^^ゞ

ちなみに2015年現在では「クラブツーリズム」が主催する宇宙旅行では、大気圏外で数分間の無重力体験をして地球を眺めるだけで3000万円もします。

また、最近ではミグ29戦闘機に乗せてもらって成層圏から地球を眺めるツアーが発売されましたが、それだけでも350万円しますからそう考えれば6万円という料金は物凄い安い買い物と言えるでしょう。

 

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宇宙エレベーターが大気圏に突入する時燃えちゃうのでは?

大気圏再突入

宇宙船が地球の大気圏に突入する時高温になり、かなり危険な作業と言われていて、宇宙飛行士が一番緊張する時とされています。

しかし宇宙船というのは地球の周りを秒速数キロという物凄い高速で周回していて、大気圏に突入することで減速しているのです。

減速と言っても若干で秒速数キロレベルは変わりません。

そのくらい高速で突入してくるので大気の間で「断熱圧縮」という現象により高熱になるからで、速度が遅ければこのような現象は起きません。

ところが「断熱圧縮」を避けるために減速するにはそれに見合った大量の燃料が必要であり、コストやリスクを考えると現実的ではないのでこのような方法で大気圏に突入させているのです。

あわせて読みたい:大気圏に突入すると高温になる理由は?

なので宇宙エレベーターの場合はケーブルを伝ってくるわけですから速度は自由に設定できます。

したがって大気圏にと突入するといった速度ではないので燃えることはあり得ません。

ただし、高速に設定することができない分、かなりの時間がかかります。

36,000Kmといった距離を考えればいたしかたないですね。

以上簡単に宇宙エレベーターの問題点を取り上げてみましたが、今後も何かあればココに書いていきたいと思っています。

たまに覗いてみてくださいね。