太陽系の惑星が持つ衛星については月の誕生で最も有力な説とはで少し触れていますが、ここでは月の存在によって地球にはどのような影響がもたらされるのか解説します。
まず、地球の直径が12,742 kmで月の直径が3,400kmという大きさは、太陽系の他の惑星においては非常に珍しいことはご存知ですか?
火星や木星、土星にも衛星がありますが、その大きさは母惑星に対してせいぜい20分の一くらいまでの大きさですが、月に関しては地球の4分の一といった非常に大きな衛星なんです。
この数字が意味するものに「月の誕生説」と、地球にどのような影響を及ぼしているのかがあります。
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月は太陽系の衛星の中では5番目に大きい
月は木星のガニメデ、土星のタイタン、木星のカリスト、イオ、に次いで5番目に大きい衛星です。
通常は大きな衛星を持っている母惑星自体が大きな惑星なのです。
水星や金星は衛星を持ってなくて火星なんかは物凄い小さな衛星を2つ持っているだけです。
にもかかわらず地球がこんなに大きな衛星を持っているなんて普通に考えれば兄弟説、分裂説、捕獲説は説明がつかないそうです。
そこで最近になって注目されてきた説が、大規模な惑星同士の衝突「ジャイアントインパクト」です。
月は地球に他の天体が衝突してできた
兄弟説、分裂説、捕獲説でなければどうやって月は出来たのか?
最近になって「ジャイアントインパクト」説が有力となっています。
これも月の誕生で最も有力な説とはで書いていますが、太陽系が誕生して間もないころ、地球がまだ出来たばかりでドロドロの状態の時に火星クラスの天体が衝突し、その衝撃で地球が自転し始め、破片が集まって月が形成されたと言われています。
その後徐々に冷えて今の状態になったと言われていますが、出来たばかりの月は地球から2万キロしか離れておらず、地球には潮汐力をはじめとした様々な影響があったといわれています。
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実際は月の裏側が少しだけ見えている
月は裏側を見せないことはよく知られていますが、厳密に言うと少しだけ裏側の一部を見せていて、全体の59%が見えている計算になるそうです。
これは月の「秤動」と呼ばれる現象で、裏側の一部が見えているわけで、地球を回る月の軌道が楕円で、近地点では速度が速く、逆に遠地点では遅くなることと地球の引力による「潮汐力」に影響されて「首振り運動」をしているからです。
その動画がこれです
出典:太陽系シミュレータ (月の秤動)
これを見ると日頃見ている月とはまた違った印象があるますよね。
こんなに揺れているんだと・・・
また、月が常に同じ面を地球に向けているのは「潮汐力」により微調整されているからで、決して月の公転周期と地球の自転周期が偶然同じというわけだはありません。
あわせて読みたい:月の満ち欠けと公転周期と潮位の関係
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月は徐々に遠ざかっている
月は誕生直後は地球にかなり接近していたとされ、その距離は2万キロと言われています。
地球の直径が12,742 km、月の直径が3400kmですから如何に近いかがお分かりでしょう。
まさに目の前に月が見えるというか、今にもぶつかるのではないかといったイメージです。
近い分だけ公転周期も早くなりますから、地球の自転周期も当時は8時間とされていて、長い期間をかけて今の24時間になったと言われています。
こうした考え方がされているのは月が実際に遠ざかっていることがわかったからです。
というのは、アポロ計画で月に反射鏡を置いてきて観測したところ年に3.4cm遠ざかっていることが確認されたからで、この数値を逆算して得られた数値が月の誕生時に地球との距離が2万kmなんだそうです。
遠ざかっても地球の重力から抜け出すことはない
毎年3.4cm遠ざかっていることが確認されましたが、それでは最終的に月はどうなってしまうのでしょうか?
ご安心ください。月は最終的に地球の重力から抜け出すことはないそうです。
なぜなら計算上50億年後には太陽が寿命を迎えて膨張し、地球を飲み込んでしまうと言われているからです。
仮に飲み込まなくても地球は太陽の高熱にさらされ生命は生きていけないでしょう。
つまり人類が生きているうちには月が消えてなくなることは無いということです。
もしご心配でしたら今のうちに月の土地でも購入しておくと良いかもしれませんね!(^^)!
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