故人を供養する形も年々様変わりして、ネットで画像に写ったロウソクに火を付けて手を合わせるといったユニークな方法も出現して世間を驚かせましたね。

アメリカでは「宇宙葬」といって宇宙に遺灰を打ち上げて故人を供養する方法もすでに始まっています。

日本でもすでに受付を開始していて女優の島田陽子さんもすでに予約済みだそうで今後口コミで増えることは確実でしょう。

中でも注目なのが月面に送り込む宇宙葬で、遺灰を月面まで送こむ方法ですが、とうとう日本でも米国のエリジウムスペースという会社で2015年12月7日に月面供養という呼び名で募集を開始することを発表しました。

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月面供養の価格は120万円

気になる費用ですが、遺灰の一部、およそ1グラムを専用カプセルに納めて月着陸船に搭載して月面に着陸させ、費用は120万円とのこと。

着陸場所
出典:エリジウムスペース

一応着陸場所は決まっているようで「死の海」という呼び名の場所だそうです。

ちょっと引っかかるものがありますが、アメリカ主導でやっていることなので文化や考え方のの違いもあり仕方が無いですね。

着陸船
出典:エリジウムスペース

カプセルに故人の遺灰を詰めるか、個別のマイクロチューブ(直径2mm)でご先祖様全てを収容することも可能です

カプセル
出典:エリジウムスペース

ちなみに120万円の内訳は

〇火葬された遺灰の一部の回収、そして宇宙への打ち上げ
〇遺灰を収めたカプセルへのイニシャル刻印
〇カプセル搭載モジュールへの追悼メッセージの刻印
〇打ち上げビューイングイベントへのご招待(現地までは自費)
〇プロの手による、打ち上げイベントのビデオ作成
〇宇宙葬の完了を示す証明書

初回の打ち上げは2017年後半を予定しているそうで、月着陸船にも容量があるので参加数には制限があり予約順になるそうです。

すでに墓に埋葬されている遺族の遺灰を月に送り墓の撤去する「墓じまい」のプランも50万円から用意されているようです。

月面着陸動画

出典:エリジウムスペース

尚、月に送ることが完了したことの証明は、同時に月面に送られる探査機による確認だそうです。

また仮に着陸に失敗して月面に落下したり月の周回軌道になってしまった場合でも失敗ではないと定められているそうです。

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法的には問題なし

新しい時代の葬儀のかたちとして、注目度は高いのですが、気になるのは日本で法的に問題ないのか?ということですよね。

調べてみたところ、墓地と埋葬については「墓地、埋葬等に関する法律」と「遺骨遺棄罪」刑法190条があります。

「墓地、埋葬等に関する法律」については、「埋葬または焼骨の埋葬は、墓地以外の区域に行ってはならない」

と定められています。

また遺骨を不適切に遺棄した人は処罰の対象になると定められています。

このような法律が存在していることから、墓地以外に散骨することは違法性があると考えられていました。

ところが、時代の流れとともに山や海に散骨したいと希望する人が増えてきたために、法務省も「節度をもって埋葬する限りは遺骨遺棄罪には当たらない」という立場を採っているようです。

つまり“宇宙葬は黙認”ということなんでしょうね。

冥王星探査機にはトンボーの遺灰が

先ごろ冥王星の鮮明な画像を地球に送ってくれた探査機ニュー・ホライズンズが話題になりましたが、この探査機には冥王星の発見者であるトンボーの遺灰が乗せられているそうです。

またすでに月面には映画「スタートレック」のプロデューサージーンデンベリーをはじめとして24人の遺灰が送られているそうです。

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もはや故人を供養する形も宇宙に広がってきているのではないでしょうか。

月の土地も購入できる時代です。

日本も「はやぶさ」「あかつき」など数々の宇宙開発を成功させている中、こうした宇宙葬を民間で取り組んでほしいものです。