ふたご座

秋から冬にかけて夜空を飾る特徴的な星座に「ふたご座」がありますよね。

ふたご座の目印ともいえるのが首星である「カストル」「ポルックス」

この二つの恒星は“双子”というだけに明るさや色もよく似ており、双子座と名づけたのも何となく理解できます。

しかし、本当にカストルとポルックスはよく似た恒星なのでしょうか・・・

今回はカストルとポルックスの基本データを元に比較してみたのでご紹介します。

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カストルとポルックスの位置

まずはカストルとポルックスの位置を確認してみましょう。

カストルといポルックスは真冬の宵の空で東から昇ってくる同じくらいの明るさで2つ並んだ星が目に付きます。

ふたご座の位置

ふたご座を形成する星として古くから知られていますが、バイエル符号においてはカストルがα星、ポルックスがβ星とされています。

肉眼で見るとカストルの方がやや暗いことが分かりますが、暗いのにα星とは何となく腑に落ちないですよね。

男の子(疑問)

カストルの方が暗いのにα星だなんて・・・

これは星座のα星を決めるのに最も明るい恒星という理由ではなく、一貫したルールは無いのです。

おそらくはギリシャ神話においてカストルの方が格が上だったからというのが理由ではないでしょうか。

ポルックスが形成する冬のダイヤモンド

ふたご座の「ポルックス」は、

オリオン座の「リゲル」
おうし座の「アルデバラン」
ぎょしゃ座の「カペラ」
おおいぬ座の「シリウス」
こいぬ座の「プロキオン」

「冬のダイヤモンド」と呼ばれる六角形を形成する星の一つとしても知られています。

その姿がこちら
  ↓↓
冬のダイヤモンド

尚ポルックスではなくカストルを用いる場合もあるようですが、個人的にはカストルでダイヤモンドを形成する方がバランスよく見えますがいかがでしょうか・・・。

女の子(疑問)

そういえばカストルで形成した方がバランスの良いダイヤモンドに見えるような・・・

 

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カストルとポルックスの基本データ

カストルとポルックスがどのような特徴があるのか基本データをご覧ください。

カストル ポルックス
視等級 1.58 1.14
絶対等級 0.62等 1.06等
地球からの距離 51 ± 3 光年 33.78 ± 0.09 光年

これを見ると視等級ではカストルとポルックス両方とも同じような明るさで見えますよね。

カストルの方がポルックスよりも暗いことが分かりますが、わずか0.44等しかありません。

しかし、一等星2等星に分類する過程でポルックスの視等級が1.14等なので1等星に分類されるのに対して、カストルは1.58等なので2等星に分類されてしまいます。

決まりなので仕方が無いかもしれませんが双子座ということなのでちょっと配慮して同じ分類にしてもいいような気がしますが・・・

しかし、絶対等級を見るとカストルの方が明るいことがわかります。

これはそれだけカストルの方が距離が離れているからで、ポルックスよりも約17光年遠いことによります。

また、カストルはカストルAa, Ab, Ba, Bb, Ca, Cb が重力的に縛られた6重連星系を形成しており、お互い複雑な動きをしているようです。

納得した男の子

6重連星系の恒星があるんだね

動画で分かりやすく解説:BBC 神秘の大宇宙 DVD全9巻

ポルックスに惑星を発見

ポルックスはふたご座のβ星で一等星

1.8太陽質量と太陽より大きく、半径も太陽の9倍あります。

2006年にポルックスに惑星を発見し、その惑星の質量というのが木星1.5倍と大きなガス惑星で、ポルックスbと命名されました。

その後この惑星は公募と投票によりThestiasと命名されたそうです。

ちなみにThestiasの公転半径は1.64天文単位公転周期は約590日と、太陽系に当てはめると火星軌道のあたりを火星よりも100日短い周期で公転しています。

 

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カストルとポルックスは双子の兄弟の頭の部分

ふたご座の絵
カストルとポルックスは上の画像で分かるようにそれぞれ頭の部分を示しています。

カストルよりもポルックスの方が約0.4等級明るく見えますが、絶対等級ではカストルの方が逆に0.5等級ほど明るくなることから、カストルをα星に指定したのも絶対等級で明るいことが理由なのかもしれません。

まとめ

カストルは6個の恒星連星となって複雑な動きをしているのに対して、ポルックスは今のところ太陽のように単独で存在しています。

しかもポルックスには木星の1.5倍ものガス惑星を従えているのが発見されるなど、カストルとポルックスを細かく見ればとても“双子”とはいえない姿に映ります。

観測技術の発達で恒星も様々な姿が確認されてくるようになりました。

私の地元名古屋では「金さん銀さん」と親しまれた一卵性の双子のおばあちゃんが居ましたが、100歳を越える高齢者になると見た目も性格もずいぶんと違って見えたものです。

カストルとポルックスも宇宙が誕生して以来、様々な環境の違いで今のような違った姿に落ち着いたのかもしれませんね。

双子のようにそっくりな見た目も、詳しく見ればまったく違った姿に宇宙の奥深さを感じたカストルとポルックスの特徴でした。

納得した女の子

こうしてみると実際のカストルとポルックスは随分と違う特徴があるんだね