超新星爆発

これまで当ブログでも何度か紹介してきた超新星爆発ですが、距離や方向によっては生命体に甚大な被害を受けることでも知られています。

天の川銀河内でも年に一度の割合で超新星爆発が起きているとの事で、いずれ太陽系の近くで起こるのではないかと気になってしまいます。

怖がる地球

天の川銀河内でも年に一度、超新星爆発が起きているんだね。

今のところ当面は近くで超新星爆発は起こらないだろうと考えられていますが、過去においては起こっていたかもしれません。

そこで今回は過去に起こったとされる近距離の超新星爆発について調べてみたのでご紹介します。

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超新星爆発を起こす恒星は太陽の8倍以上の質量が必要

ベテルギウス
ベテルギウスの想像図 出典:NASA

恒星のすべてが超新星爆発を起こすのではなく質量が大きな恒星しか起こさないとされています。

超新星爆発を起こす恒星の質量は太陽の8倍以上の質量を持つ大質量の恒星。

近いうちに超新星爆発を起こすとされている「ベテルギウス」も太陽の25倍という大質量の恒星ですが、地球から640光年離れている上に、方向的に逸れているため地球への悪影響は避けられそうです。

それでもいったん超新星爆発を起こせば地球からは満月ほどの明るさに見えるとされており、その状態が3ヶ月続くと見られていますが現代人の誰もこの現象を見たものはいないのです。

詳しい解説はこちら:ベテルギウスが超新星爆発すると衝撃波で人類が絶滅?

地球が誕生して46億年経過したとされていますが、こういった超新星爆発が何度か起きているとされ、その一つが藤原定家によって自らの日記の中で記されています。

その超新星爆発の残骸とされているのが「かに星雲」です。

驚く男の子

かに星雲は超新星爆発の残骸だったんだ

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直近の近距離の超新星爆発の残骸「かに星雲」

かに星雲

超新星爆発の残骸として知られる「かに星雲」ですが、今から1000年近く前に起きたとされる超新星爆発の残骸ですが、今でも勢いは衰えることなく広がり続けているとされています。

しかし、近距離といっても約7000光年離れているので地球への悪影響は無かったとされています。

詳しい解説はこちら:かに星雲が超新星爆発した後の残骸って知ってましたか?

これだけ離れていれば殆ど地球への影響は考えられませんが、6,000光年以内となれば、位置によっては大きな被害を受けることが懸念されています。

その事例とされるのが「オルドビス紀末の大量絶滅」と呼ばれる説で、近くの恒星が超新星爆発を起こして地球にガンマ線バーストを浴びせ、地上の生物をはじめ、海洋生物の70%が絶滅したとされています。

オルドビス紀末の大量絶滅は4億4400万年前に起きたとされていますが、この超新星爆発も6000光年以内の近距離とされ、時期的に地球上には人類は誕生していないとされています。

ちなみに地球から1万光年以内で起きたひときわ明るく輝いた過去の超新星爆発の一部をご紹介しておきます。

恒星名 発見日 星座 視等級 距離(光年)
SN 185 185年12月7日 ケンタウルス座 -4等星 8,200
SN 1006 1006年4月30日 おおかみ座 -7.5等星 7,200
SN 1054 1054年7月4日 おうし座 -6 等星 6,500
SN 1572 1572年11月11日 カシオペヤ座 -4.0等星 8,000

wikipediaより一部引用

一覧の中にある「SN 1054」(おうし座)の超新星爆発の残骸が「かに星雲」であり、記録に残っている当時の状況から-6 等星という明るさは、金星の最大光度よりも明るく輝いたと考えられます。

おそらく昼間でもハッキリと確認できたと思われます。

これらは全て1万光年以内の距離で起きたとされていますが、全て地球に悪影響を与えることなく過ぎていったものと考えられます。

ところが近年の研究によって300光年先の恒星が超新星爆発を起こしたことが判明し、古代の人類がその目で確認された始めての超新星爆発ではないかと話題になっています。

それが200万年前に起きたとされているのです。

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200万年前に起きた300光年先の超新星爆発

恐竜

近年の研究により、今から200万年前に地球から比較的近距離で超新星爆発が起きたと結論付けられ、その明るさは満月よりも明るく、日中でもハッキリと確認できるほどの輝きだっただろうと予想されているといいます。

この結論は鉄の放射性同位体である「鉄60」の分析により判明したもので、いわば超新星爆発の際にどれだけの「鉄60」が地球や月に降り注いだのかを調べて判明したのだそうです。

海底の堆積物の中にどれだけ「鉄60」が含まれているのかを分析することで超新星爆発の時期と距離を特定することが出来るのだそうです。

驚く男の子

海底の堆積物中に鉄60がどれだけの量が含まれているかで超新星爆発の時期と距離を特定することが出来るんだって

地球から7200光年先の超新星爆発でさえ-7等級にまで輝くのですから300光年先となればどれだけの明るさにまでなるのか・・・

満月の明るさは-12.7等星ですから、記録にも残っていない明るさに見えたということです。

200万年前といえば人類も進化の過程においては「アウストラロピテクス」のような初期段階の姿だっただろうと推測され、人類の歴史上この超新星爆発を始めて目の当たりにしたのが「アウストラロピテクス」ということになるのかもしれません。

最近話題に上っているベテルギウスの超新星爆発を今か今かと待ち焦がれるのは、ひょっとしたら人間のDNAに超新星爆発を目撃した遺伝子が引き継がれているのかもしれませんね。