白鳥座のデネブ

真夏の夜空をふと見上げると真っ先に目に付く天の川。

その天の川を泳いでいるかのような姿に見えるのが白鳥座ではないでしょうか。

一角を担う「デネブ」は白鳥座のα星として知られていますが、1等星として明るく白く輝いています。

このデネブを取り巻く話題が豊富のようで・・・

今回は白鳥座のデネブがどのような恒星なのかその特徴に注目してみます。

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デネブは夏の大三角を形成する恒星の一つ

夏の夜空で誰もが簡単に見つけられるのが夏の大三角ですよね。

白鳥座のデネブ
こと座のベガ
わし座のアルタイル

を結んで形成される大きな三角形です。

その姿がこちら
夏の大三角

デネブの基本データ

デネブはどのような恒星なのか基本データから見ていきましょう。

比較のために夏の大三角を形成する「ベガ「と「アルタイル」も載せておきます。

デネブ ベガ アルタイル
質量(Mo 太陽質量) 15~16 2.6 1.79
半径( Ro 太陽半径) 108 2.73 1.63 – 2.03
視等級 1.25 0.03 0.76
距離 (光年) 1400 25.04 16.73
表面温度(k) 8,500 9300 6,900 – 8,500

データを見るとデネブの質量と半径がベガやアルタイルよりも飛び抜けて大きいことが分かりますよね。

にもかかわらず夏の大三角を形成する3つの恒星でデネブが最も暗いのは、1400光年というベガやアルタイルよりも遠い距離が原因です。

ちなみにデネブをベガと同じ距離に並べたとすると、金星の最大光度の15倍も明るく輝くとされています。

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デネブの位置は白鳥の尻尾

よく間違えるのが、デネブは白鳥座の頭にあるのではないかということ。

頭ではなく尾の部分に位置しているのがデネブなんですよね。

何故デネブが尾の部分にあるのかというと、デネブという名前はアラビア語で「雌鳥の尾」という意味があるからなんだとか。

因みに頭の部分に相当するのは「アルビレオ」と呼ばれる恒星です。

実はこのアルビレオ、初心者向け天体望遠鏡でも確認できる「2重星」なんです。

かなり前に私も一度だけ覗いてみたことがありますが、黄色と青の恒星が並んだ姿はとても美しかった記憶があります。

かつては連星ではないかと議論がなされてきましたが、最新の観測によれば方向が同じで2重に見えるだけと結論付けられたとのこと。

動画で分かりやすく解説:BBC 神秘の大宇宙 DVD全9巻

デネブは後の北極星

北極星といえば現在、こぐま座の「ポラリス」が最も近く北の目印とされていますが、地球は自転軸が一定の期間でふらつく「歳差運動」によって自転軸の方向が変化します。

地球の歳差運動

そのため現在北極星となっている「ポラリス」も西暦10000年には「デネブ」、西暦14000年には「ベガ」と入れ替わるとされています。

歳差運動

ただし北極星としてのデネブは真北から6.6度もずれている事から北極星といえるのかどうか・・・

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デネブは数千万年後にかに星雲のような姿になる

かに星雲

恒星の寿命は質量で決まりますが、デネブの質量は太陽の15~16倍からすれば太陽よりも寿命は短くなるとされています。

というのも恒星は質量が大きいほど寿命が短くなるからです。

詳しい解説はこちら:恒星は質量が大きいほど寿命が短い

デネブは1日に放射するエネルギーは太陽が140年かけて放射する量に等しいとされ、計算によれば今後数千万年もすれば核融合の燃料が尽きて超新星爆発を起こす可能性が高いとされて、その再に中性子星を残すと考えられています。

現在白色超巨星のデネブはまだ若い段階の恒星と言える様で、年齢的には200万歳と考えられています。

太陽が誕生して46億年経っていることを考えればまだ赤ちゃんのような若さなのかもしれません。

デネブの年齢が200万歳ということは私たち人類の歴史より新しいことになりますが、寿命が数千万年となると従えている惑星に知的生命体の存在は期待できそうにありませんね。

デネブが寿命を迎えて赤色超巨星を経て超新星爆発を起こし中性子星を残すことになれば、夏の大三角の一角はかに星雲のような残骸になるんでしょうね。

あわせて読みたい:かに星雲が超新星爆発した後の残骸って知ってましたか?