太陽系で最も大きな惑星として知られる木星は、地球からでも肉眼で簡単に観えるほど明るく輝いています。
表面には縞模様があり大赤斑と呼ばれる楕円形の模様も有名ですよね。
初心者向け天体望遠鏡でも縞模様や大赤斑を観ることが出来るくらい、私達にとって馴染み深い惑星です。
そんな雄大な木星ですが、今明るく輝いているのは太陽の光を反射しているからです。
もし木星が自ら光っていたらどうなっていたのでしょうか・・・
というのも、木星は第二の太陽になり損ねた惑星だからです。
では何故木星は第二の太陽になれなかったのか・・・
木星が第二の太陽の太陽になるには質量が足りない
太陽系には8個の惑星がありますが、大きく分けて「地球型惑星」「木星型惑星」があり、それぞれ構造が違います。
地球型惑星は主に岩石や金属などから構成される惑星で、太陽系では水星、金星、地球、火星がこれに相当します。
木星型惑星は主に水素とヘリウムで構成される惑星で、木星と土星がこれに相当します。
つまり木星は水素とヘリウムで構成されていますから、これだけ見ると太陽と同じであることが分かりますよね。
では何故木星は自ら光ることが出来ないのか・・・
それは木星の質量にあります。
木星が太陽のように自ら光り輝くには核融合を起こす必要がありますが、核融合反応を起こすには中心部の圧力が必要になります。
質量が大きくなれば圧力も高くなりますから、ここで初めて核融合が起こる条件が揃うわけです。
では木星がどのくらいの質量になれば太陽のように核融合反応を起こすことができるのか・・・
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恒星になるには太陽の8%以上の質量が必要
恒星の誕生には理論計算によると、質量が太陽の8%以上が条件となります。
つまり継続して核融合反応を起こすには太陽の8%の質量が必要という計算になります。
したがって木星の質量は太陽の0.1%ですから、木星が継続して核融合を起こせるようになるには今よりも80倍の質量が必要ということになります。
何だか木星が恒星になるには程遠いような・・・
木星が恒星になったら地球への影響は
仮に木星が恒星になったとしましょう。
地球に木星の明かるさと熱はどのくらい影響があるのか・・・
質量が今の80倍になったとしても太陽の8%に過ぎません。
太陽の8%となるとかなり小さな恒星ですから基本的にかなり暗くなります。
しかし、計算によると満月の数十倍の明るさになると言われているので夜間に木星が出ていたら白夜のようになるかもしれません。
また今でも木星の引力は他の惑星にも影響を与えているくらいですから、80倍にもなったら太陽系の形態は一変するかもしれません。
そうなれば地球の気候も変わってくるでしょうし、人類も絶滅してしまうかも・・・
ただ、たいした影響は無いだろうと言っている科学者もいますから何とも言えませんが・・・
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宇宙では恒星が2つあるのが普通
もし木星が第二の太陽になっていたら太陽系には恒星が2つ存在することになり、私たちから見れば奇妙な姿にイメージするかもしれません。
しかし、宇宙には恒星が2つ、3つつるんで存在する天体はたくさんあります。
たくさんというよりも複数の恒星で成り立つ天体の方が多いのです。
最近話題になっている太陽系外惑星のプロキシマbも3つの恒星が存在している天体を周回しています。
つまり私達が住んでいる太陽系のように太陽という恒星が一つだけしか存在しないほうが珍しいのです。
私達がこうして地球に暮らせるのも太陽が一つで良かったのかもしれませんね。
動画で分かりやすく解説:BBC 神秘の大宇宙 DVD全9巻