2017年4月14日未明NASAによる発表が注目されています。
それが「太陽系の海洋世界」に関する重大発表というのですから、様々な憶測を呼んでいました。
ところが今日15日になっても大きな報道が無いところを見ると、それほど大きな発表ではなく肩透かしを食らったのかもしれません。
エウロパといえばハッブル宇宙望遠鏡による観測で、表面に間欠泉が噴き出していることが発見されています。
その量何と毎秒3トン。
NASAはこれまでに「エウロパの地殻下に生命にとって好条件となり得る液体水の海が存在することを示す有力な証拠がある」と発表していることから、地下に海がある証拠を見つけたのかもしれませんね。
というのもエウロパには探査機が着陸したことも無ければ何らかの物質を捉えたとも発表されていませんから、生命体の発見という発表は期待できないと思います。
今回どのような発表になったのかは報道を待つところですが、その前にエウロパってどんな天体なのか知っておくのもいいですよね。
そこでエウロパに生命体が住める環境なのか調べてみたのでご紹介したいと思います。
エウロパの基本情報
まずは木星の衛星から見ていきましょう。
木星にはこれまでの観測で67個の衛星が確認されています。
その中でも有名なのがガリレオ衛星で、「イオ」「エウロパ」「ガニメデ」「カリスト」という名の4つの衛星があります。
第二衛星エウロパは、ガリレイが木星の衛星として2番目に発見した天体で、地球の衛星である月と同じくらいの大きさです。
判り易く各衛星の情報を一覧表にしてみました。
天体名 | 直径(km) | 公転半径(km) | 公転周期(日) |
イオ | 3,660.0 × 3,637.4 × 3,630.6 | 421,700 | 1.77 |
エウロパ | 3,121.6 | 671,034 | 3.55 |
ガニメデ | 5,262.4 | 1,070,412 | 7.15 |
カリスト | 4,820.6 | 1,882,709 | 16.69 |
Wikipediaより引用
これらガリレオ衛星は初心者向け天体望遠鏡でも簡単に観測でき、各衛星の公転周期も短いことから3時間もみているとそれぞれ移動しているのが分かります。
ちなみに地球の直径は12,742km、月の直径は3,474 km
注目のエウロパの大きさは月と同じくらいの大きさで、木星に近いところを公転しているので月と同様、潮汐力により木星に対していつも同じ面しか見せていません。
ちなみに木星に近いところを公転している衛星は殆ど同じ面しか見せていないことが確認されています。
こういった現象は他の惑星でも同じです。
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エウロパは木星の第二衛星
エウロパは木星の第二衛星。
1610年ガリレオガリレイにより発見され、内側から6番目の軌道を公転し、表面は赤茶けたすじ状の模様が印象的な天体です。
表面は地球の月のようなクレーターが見当たらず、厚さ3kmの氷で覆われ、ところどころヒビわれているのが表面に見えるすじ状の模様になっています。
これはエウロパが木星表面の近くを公転しいることに加えて、木星や他のガリレオ衛星「イオ」「ガニメデ」「カリスト」による潮汐力で熱が発生していると考えられています。
これが表面の氷が裂けたり塞がったりを繰り返してこのような独特の模様が出来ていると考えられています。
そしてその熱でエウロパ表面の氷層が溶けて地下には液体の海が存在し、また地下深くには地球の深海にあるような熱水噴出も存在すると考えられています。
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エウロパは木星の磁場圏内にある
木星には強い磁場があり、その磁気圏内にエウロパは公転しています。
またエウロパ自身も磁気を帯びていることが分かっています。
同じ大きさの地球の月は磁気を帯びていません。
これが何を意味するのかというと、大気を引きとめておく条件の一つとなりうるからです。
エウロパの大きさは地球の月と同じです。
ご存知のように月には大気が無く死の世界となっていますが、エウロパには薄い酸素や氷に覆われているなど、月とは全く違う姿をしています。
それもこれも木星の強い重力や磁場により“保護されている”からで、太陽風により大気が吹き飛ばされないようになっているかもしれませんね。
火星の大気が消失したのは磁場が無いから?にも書いていますが、火星にはかつて濃い大気や広大な海が存在していたとされています。
今のような地球の1%程度の気圧と干からびた姿になってしまったのは、火星に磁場が無いので数十億年の間に太陽風に晒されて大気が吹き飛ばされてしまったからと言われています。
エウロパには地下に広大な海もあることが考えられているのは、表面の氷が内部の熱源で生じた水を外に逃がさない構造によるものと考えられています。
こうした構造によりエウロパでは生命が住める環境にあることは確実かもしれません。
過去にエウロパに探査機を送り込む計画があった
かつてアメリカでは「エウロパオービター」と呼ばれる探査機をエウロパに送りこむ計画でしたが、欧州宇宙機関でも同じ計画があり、最終的にはアメリカ航空宇宙局(NASA)と欧州宇宙機関(ESA)の共同で行うことになったようです。
おそらくアメリカの財政問題でヨーロッパと共同で行うことで話がついたのでしょうね。
今のところ2020年に探査機を打ち上げる予定で、2028年にはエウロパの周回軌道に乗せるという計画になっているそうです。
かつて「エウロパには生命が存在しないと考える方がおかしい」と発言した科学者もいたそうで、エウロパの海には地球でいえば深海魚のような不思議な姿をした生物が存在しているのかもしれません。
もしエウロパに生命体が発見されれば広い宇宙に人類のような知的生命体が存在している可能性も高くなるというものです。
今回の発表でますます地球外生命体の発見に期待が膨らみますよね。