月面

日本は地震が多いと言えるように世界でも有数の地震国と言えますが、地球では世界のどこかで大きな地震に襲われて大きな被害を受けているニュースが頻繁に聞かれますよね。

これは地球のプレートが動いているためで、お互いの岩盤が地下で破壊されることでズレ動くためで、元はといえばマントル対流が起きているためです。

プレートはマントルの対流に乗っかって動いたり、別のプレートに引きずられて動いたりして、これが地震の主な原因となっています。

災害で最も恐ろしいのが地震と言われていますが、これも地球が生きている証拠ですから上手く付き合っていくしかないわけで、被害を最小限に食い止めるしかありません。

そんな地震ですが、月でも起こっているらしいのです。

正確には月震(げっしん)と呼んでいるそうですが、地球上での地震と同じように月でも揺れることがあるとのこと。

月といえば冷え切った死の世界のはずで地震とは無縁と思っていたのですが、どうやら実際に月震を観測しているようで・・・

私の記憶では、月で人工的に月震を起こし、複数の場所に設置した月震計で月の構造調査をしていたとのことなんですが、自然に月震が起きているらしいのです。

いったい月震はどのようなメカニズムで起きているのか調べてみました。

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アポロ計画で月に月震計を設置

月に地震計を設置したのは、1969年、アポロ11号によるもので、これで月にも地殻変動が起きていることが発見されたそうです。

ちなみに月震計の電源は太陽電池だったとのことですが、熱による劣化を防ぐためのカバー等が無かったために、たった一カ月で運用を終了してしまったそうです。

そんな反省があってか、その後のアポロ計画でカバーを取り付けたことで長期間の月震観測が可能となったそうです。

その後1977年までの間に12,558回の月震が観測されたのだとか。

初めて月に月震計を設置した時には本当に月に地震が起きるのか半信半疑だったのか、よけいな設備を省略してしまったために一カ月で終了(本当は故障?)してしまったのかもしれませんね。

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月震は5つのタイプに分類される

月震は人工のものを含めて5つのタイプに分類されます。

1.深発月震
月面から深さ800~1100kmで発生する月震で、これまで観測している月震の中では最も回数が多く、3145回記録しています。

マグニチュード1~2程度と小さな揺れで震源の殆どが地球側に向いている地点だそうです。

29.5日周期で起こっていることなどから、地球と月の引力による潮汐力に起因しているものと考えられています。

2.浅発月震
月面から深さ300km付近で発生する月震で、マグニチュードは3~4程度と比較的大きいのにこれまで28回の記録しかなく自然に起こる地震では最も回数が少ないとされています。

回数が少ないことから実態が解明されていないそうです。

3.隕石衝突
月は地球と違って大気が無いので隕石は燃え尽きることなくモロに衝突してきます。

衝突時に月面の振動が月震計に感知されたもので、これまで179回も記録されているといいます。

観測の数値によれば、これまで月面に衝突した隕石の規模は500g~50kg程度と推測されています。

4.熱月震
月面は空気が無いので太陽の光が当たっている面は110度、当たっていない面はマイナス170度と、昼と夜での温度差が激しいために岩石が熱による膨張と収縮を繰り返すために破壊され、これが地震計に感知されたものです。

ただし、これらの揺れは月震にはカウントされないそうで、実際に起こっている月震は殆どがこれなんだそう。

月の満ち欠けが約29.5日となっているため、熱月震の回数の変動と波形がこれと一致しているからだそうです。

つまり表面にある岩に熱でひびが入る時の振動なのでカウントしても意味が無いということなんでしょうね。

5.人工月震
アポロ計画で要らなくなった爆薬や月着陸船などを月面に衝突させたりして人工的に地震を起こし観測しようというものです。

アポロ計画ではこうして人工的に地震を起こして月の内部構造を解明する計画だそうです。

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月震は長時間続く

これまでアポロ計画で月に設置した月震計による観測によれば、地球に送られてきたデータを解析したところ地球での地震とは大きく異なっていたそうです。

通常地球の地震の波形は、初期微動が観測されてやがてピークに達し、その後は急速に減衰します。

時間にして1分ほどです。

ところが地球に送られてきたデータは初期微動は地球での地震と同じものの、ピークに達した状態が続いてその後の減衰は極めて長時間かかり一時間近くも続いたとか。

このデータを受けて、その後のアポロ計画ではより大きな規模の人工月震を起こして観測したところ、より長い時間の振動が観測されたというのです。

この結果により月の内部がお寺の鐘のように空洞になっているのではないかと考える科学者もいるようです。

しかし現在そのような考え方は否定されており、月の内部は外側から、岩石でできた地殻、マントル、金属でできた核で構成されていると考えられています。

いずれにしてもまだ月の内部構造は解明されていないみたいですよ。

いろいろ調べてはみたんですが、あまりに難し過ぎて理解できませんでした(^^ゞ

一つ言えることといえばアポロ計画での月震計は月の表にしか設置していなくて、JAXAが裏側に設置することを計画しているそうです。

これで詳しいデータが得られれば月の内部構造が解明される日も近いかもしれませんね。

近い将来月の土地に基地が建設される計画があるようなので、振動が長時間続くとなれば地球で造るよりもより強力な免震構造が必要になるかもしれませんね。

最も月には地球と同様マントルが存在するみたいですが、対流していないようで地球で起きるような大地震は起きていないようでそんなに大げさに考える必要は無いかもしれません。