木星が月の位置に来たと仮定した画像

太陽系最大の惑星である木星

木星はガス惑星で地表が無いことでも知られていますね。

地球のような岩石で出来た惑星であれば広大な海も地表も存在するのに、木星はガスで構成された惑星では海どころか地表も存在することが出来ません。

同じ太陽系に属した惑星なのにこうも違う惑星になったのには理由があるようで・・・

今回は木星がガス惑星と成った経緯をご紹介しようと思います。

スポンサーリンク
目次表示位置

木星の直径は地球の11倍

まずは木星の基本データから見ていきましょう。

木星は太陽系第五惑星で直径は139,820 kmと地球の11倍の大きさを誇ります。

木星と地球の大きさ比較

横縞模様が特徴的で、中でも大赤斑がトレードマークのように印象的ですよね。

ご存知のように太陽系には大きく分けて地球型惑星と木星型惑星があり、地球型惑星は主に岩石で構成され、木星型惑星はガスで構成されています。

もちろん木星はガスで構成されていますが、その内部の構造はというと、まだハッキリとはしておらず、確認されていることといえば、探査機ガリレオが木星の大気圏に突入した時に測定したデータだけで、まだ分析中とのこと。

木星の中心部には固体の核が

木星がガス惑星なので全てがガスで出来ていると考えがちですが、内部は元素が様々な姿になり、中心には鉄や岩石で出来た核で構成されています。

その木星内部構造イメージ画像がコチラ
木星の内部構造

大気の殆どが水素とヘリウムで構成され、その比率は太陽とほぼ同じです。

中心には岩石や鉄の固体があり、その上を液体金属の水素や液体水素、気体の水素といった構成になっていると考えられていますが、何故岩石惑星とこうも違った姿になってしまったのか・・・

そこには太陽系惑星の形成時において太陽からの距離にあったといいます。

スポンサーリンク

ガス惑星が出来る条件に適していた

太陽系誕生時には圧倒的に水素やヘリウムが多く存在しているので、木星のようなガス惑星に成るためには条件が必要となります。

水素やヘリウムは軽いので惑星自体の重力が弱いと留めておくことが出来ずに宇宙に逃げてしまいます。

そのためには惑星誕生時の材料が多くないと十分な質量を得ることが出来ず、結果として水素やヘリウムをとどめておけるような重力を得ることが出来ません。

つまり太陽系誕生時に太陽からどのくらい離れた位置に惑星の材料が多いのかということ。

その位置というのが木星軌道から外側だったというわけです。

木星誕生時に惑星の材料となる岩石や重い気体がすばやく集まることで惑星の核が成長し、質量の大きな天体となることで強い重力を得ることが出来たといいます。

その大きな重力によりより多くの水素やヘリウムを取り込んで現在のような大きな惑星に成長できたのが木星というわけです。

土星、天王星、海王星も大きなガス惑星となったのもこういった理由があるからです。

太陽からほど良い距離にある

太陽系惑星

惑星の材料は太陽系の誕生時の太陽からの距離に大きく関わってきます。

太陽にわりと近い、現在の火星軌道までの領域は太陽の重力により水素やヘリウムは太陽に取り込まれ、残った金属や岩石が惑星の材料となります。

つまり木星の核のように岩石や金属だけでなくガスまで取り込めたのに対して地球火星などの岩石惑星は小さな岩石しか取り込むことが出来なかったと考えられています。

そのために質量が小さく、結果として重力も弱くなるため、水素やヘリウムのような軽い元素を留めておくことが出来なかったと考えられています。

また、木星内部の液体水素や金属水素は木星の質量が増したことで圧力が高くなったことによると考えられます。

スポンサーリンク

太陽風により水素やヘリウムが吹き飛ばされた

フレア

地球や火星が木星のように水素やヘリウムを留めておくことが出来なかったのは太陽風による影響もあると考えられています。

太陽風とは太陽表面の爆発によるエネルギーの放出で、惑星自体の小さな重力に加えて太陽風がよりいっそう水素やヘリウムを宇宙に逃がしてしまったと考えられています。

アルマ電波望遠鏡で原始太陽系を観測

国立天文台をはじめとした研究チームによると、南米チリのアルマ電波望遠鏡で地球から470光年離れたところに小型の原始太陽系の観測に成功したとの報告がありました。

この観測は太陽系の形成過程を探る重要な手がかりになると期待されています。

その画像と創造図がコチラ
原始太陽系

位置はおうし座の方向で、名前は「おうし座DM星」。

質量は太陽の半分程度で、誕生後300万~500万年程だといいます。

詳細な観測によれば、原始太陽系には内側と外側の二本のリングが形成され、太陽系で言えば内側のリングが火星木星の間にあるメインベルト(小惑星帯)、外側のリングは天王星の公転軌道に相当するとのこと。

太陽系の形成は星雲説で決まり?

これまで太陽系形成にはいくつもの説があり議論の対象になってきましたが、太陽系の形成は、太陽の周囲を回る星間物質が固まって惑星ができたという「星雲説」に固まりつつあると思います。

また、太陽系最大の惑星である木星が形成された経緯が太陽からの距離で惑星の材料が豊富にあったためとする考え方がこれでまた信憑性が増したといえます。