春一番

毎年2月から3月にかけて南から吹きつける強い風のことを「春一番」と呼んでいますね。

あまりの強風にテレビのニュースでは、ヘアースタイルはボサボサ、スカートのすそを押さえつけて街を歩く女性の姿が映し出されますね。

春一番が吹くと春がすぐそこまでやってきていると言われていますから皆さんいろんなことを思うんでしょうね。

寒いのが苦手な人は「ああ、これでやっと寒い冬から解放されるんだ」と喜んでいる人と、「この風が嫌~なスギ花粉を運んでくるきっかけになるのでは?」と花粉症の人の嘆く人と悲喜こもごもですね。

ちなみに私は花粉症歴40年の“ベテラン”なので春一番が大嫌いです。

また、スキーが大好きなので春一番を境に雪が降ることが少なくなり寂しい思いをしています。

特に暖冬のシーズンは決まって春一番が早く来てしまうので天気予報での解説を見てはがっかりしていたことを覚えています。

今回は春一番の基準についてのお話です。

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春一番の定義とは

天気予報

春一番は立春から春分の日の間に北海道、東北、沖縄を除く地方にその年に初めて吹く南寄りの強風をいいます。

主に太平洋側で観測され、南からの暖かい風を呼び込むので気温は一時的に上昇します。ただ、翌日には冬型になり気温が下がり寒くなることが多いです。

とはいえこの春一番が冬から春への切っ掛けになるとされています。

それでも春一番が吹いた後でも雪が降ることはありますが・・・

関連リンク:気圧とは何か?わかりやすく解説します。

 

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春一番の発生条件

通常冬の間は大陸の高気圧が発達し、日本を覆うことが多いので、高気圧の縁を通る低気圧は主に太平洋側を通過することが多いです。

これが日本に近づくことで太平洋側に大雪を降らすことが多いのです。

これが立春を過ぎたあたりから大陸の高気圧は勢力を弱めてくるので、低気圧も徐々に日本海に近づいてくるようになります。

大陸の高気圧はいつも日本列島を覆うほど張り出しているわけではなく、弱まったり強まったりするので、弱まった時に低気圧が日本海を通過しやすくなります。

すると日本海を通過する低気圧に向けて南から風が吹くことになり、10分間平均で8m/秒以上の風が吹いて平年よりも気温が高くなることが春一番の発生条件としているようです。

春一番が吹かない年もある

春一番が吹かない年もあります。

これには気象条件もありますが、地形によって春一番が吹き難いといったこともあるのです。

たとえば東海地方は名古屋、岐阜、津、静岡のいずれかで条件を満たせば春一番が吹いたと認定されますが、名古屋では強風が吹くことはあまりないのです。

私は名古屋で育ちましたが、春一番が吹いたとされる年は感覚的に5年に一度くらいの感覚しかありません。

これは名古屋に限ったことではなく、津、岐阜も春一番が吹き難いとされています。

こうした地域で春一番が吹き難いのはこれは南に位置する紀伊山地、志摩半島、渥美半島が大きく影響しているとされています。

これらは標高200~300メートルあり三つの山地が南風の流入を阻んでいるのです。

なのでよほど日本海の低気圧と南の高気圧の高低差が大きくないとこの地域に春一番が吹くことは難しいようです。

 

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春分の日以降に吹いた南風は春一番とは呼ばない

日本は山に囲まれた地域がたくさんあるので春一番が吹くことはあまりないようです。よくニュースで春一番の報道が流れますが、決まって関東地方ですよね。

長野県や山梨県で春一番が吹いたとあまり聞きませんが、これは山が邪魔しているんです。また、春分の日以降に南風が吹いても春一番とは呼ばないそうです。

ちなみに過去の記録では

1992年
1996年
2000年
2012年

だいたいこういう年は冬型が安定していて寒い日が多いような気がするのは私だけでしょうか?

春一番が記録的に早かったのは2月3日

春一番が記録できなかったり、春分の日といったギリギリセーフの春一番があったりしますが、最も早い記録が1963年の2月3日になるそうです。

これは九州南部で観測されたもので、過去30年で最も早い記録だったとか。

私のような花粉症持ちでスキー大好き人間にとって2月3日の春一番は悪夢だったでしょうね。

2015年は寒くて雪が多かったことを考えれば、ひょっとして春一番は吹かないかもしれませんよ。

いずれにしても春一番が記録された後に似たようなことを繰り返しながら春めいてくると言うことですね。