先日ノーベル物理学賞の獲得が決まった梶田隆章さんがテレビでインタビューされていましたが、またまた期待を持たせてくれそうなニュースが飛び込んできましたね。
聞くところによると、100年前にアインシュタインが予言した重力波を世界で初めて観測できるかもしれない装置が完成したとか。
場所は岐阜県飛騨市神岡町にある神岡鉱山の地下深くにトンネルを掘って完成させたみたいです。
ここにはあの「スーパーカミオカンデ」をはじめとする世界最先端の研究施設がありますが、またここに新たな施設を完成させたんですね。
その名前がKAGRA(かぐら)と呼ばれていて、宇宙から伝わってくる重力波を観測しようとする装置だそうです。
もし観測に成功すれば世界で初めてのことになり、またまたノーベル物理学賞候補に挙がるかもしれないと期待されているんだそうです。
ちなみにKAGRA(かぐら)の総工費は155億円!
重力波の観測に成功すれば安いものなんでしょうね。
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KAGRA(かぐら)の由来
重力波の観測装置に何故、KAGRA(かぐら)という名前が付けられたのかというと、建設地の神岡(kamioka)と重力波(Gravitational wave)の頭文字を繋げたものだそうで、日本語の「神楽」と掛けているそうです。
神が奏でる音楽のことを神楽と呼んでいることから、重力波が音楽のように観測できれば良いかなって考えたのではないでしょうか!(^^)!
それにしてもオシャレなネーミングですよね。
重力波とは
重力波は巨大質量を持つ天体、たとえば「ブラックホール」「中性子星」「白色矮星」などの天体には時空の歪みが出来て、その歪みが海面の波のように光速で伝わることをいいます。
時空の歪みとは、一番わかりやすい例が「重力レンズ効果」で重力によって見える位置が変わるということです。
こんな例があります。
皆既日食のときに太陽の真後ろにあるはずの恒星が太陽の重力レンズ効果によって観測することができたとの報告です。
このように時空の歪みを作るのは重力で、私たちが住んでいる地球でも太陽や惑星の重力により作りだされた時空の歪みの中で動いているのです。
また重力波は全ての物質を貫通して減衰しないと考えられています。
これをキャッチしようというのがKAGRA(かぐら)です。
世界ではすでに重力波の観測が始まっている
現在、重力波の観測はすでに世界中で試みられていて、KAGRA(かぐら)と同じ原理で重力波を検出できる装置が作られています。
たとえばアメリカの重力波観測装置 「LIGO」や、フランスとイタリアの「VIRGO」などでもすでに観測が始まっています。
日本でも規模が小さいですが、東京都の三鷹市の国立天文台の敷地内に「TAMA300」があります。
今のところどこも重力波の検知に成功していないので、KAGRA(かぐら)に大きな期待がかけられているわけです。
重力波の測定は70km必要
重力波は全ての物質を貫通してしまうのでどこかに当てて観測することはできません。
そこで考えられた方法が重力波による物質の伸縮です。
重力波を測定するにはレーザー光線で同じ光を2つの違う方向(L時型)に発射して2方向の光の到達時間の差を観測するのですが、重力波によってどちらかが伸縮すればその差が重力波によるものであると確認されます。
その光の到達距離というのが70km必要とされてるのですが、地球は丸いためにその距離はせいぜい4kmしか取れないそうです。
したがって4kmの間で鏡を使って何度も光を往復させ、実質70kmにしてて測定するのです。
重力波の測定チャンスは年数回
重力波の現象は主に中性子星同士が合体して起きる場合が多く、1つの銀河で1~10万年に一度起きるとされています。
このことから地球から観測できる範囲では10万個の銀河があるので1年に数回は観測できる計算になるそうです。
ちなみに歪みの大きさは、1天文単位(地球から太陽までの距離)に対して、水素原子1個分くらいだとか・・・
これって観測できるレベルなんでしょうか?
素人の私にはよくわかりません(^^ゞ
しかし頭のいい方たちには出来るんでしょうね。
是非とも梶田さんには世界で初めて重力波の観測に成功して2個目のノーベル賞を獲得してもらいたいものです。
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