ブラックホール

とんでもない大きさのブラックホールが発見されたと話題になっています。

2019年に発表されて話題になったM87星雲の中心に存在するブラックホールが太陽の65億倍という大質量だったのが、今回発見されたのが太陽の400億倍という超巨大さ!

これまで発見されたブラックホールの中でも最大級の質量とされ、大きさを表す「事象の地平面」となると太陽系に属する惑星も余裕で納まる巨大さだとか。

そのブラックホールがどれくらい大きいのか、どこに属しているのか調べてみたのでご紹介します。

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太陽質量の400億倍のブラクホールは地球から7億光年先の銀河内

楕円銀河
楕円銀河のイメージ  出典:NASA

今回発表された太陽質量の400億倍という超大質量のブラックホールは、地球から7億光年離れた「エイベル85」と呼ばれる銀河団の中心付近にある、超巨大楕円銀河「ホルムベルグ15A」の中心にあるとされています。

また太陽の400億倍という質量から考えるとブラックホールの大きさを示す「シュワルツシルト半径」は、790AU(1AU=太陽から地球までの距離)もあるといいます。

ちなみにシュワルツシルト半径とはブラックホールの中心から事象の地平面までの距離のことを言い、ブラックホールの大きさを表すものとしても使われています。

ブラックホールの構造

事象の地平面は、この面を境にいったん浸入した光は二度と脱出できない境目であり、先日公開されたM87銀河中心のブラックホールの画像も事象の地平面を境に赤みを帯びたガスが覆っているのが確認されましたね。

詳しい解説はこちら:ブラックホールの特異点やシュワルツシルト半径とは

太陽から海王星までが30.1AUですから太陽系の最も外側を公転する惑星が海王星と考えれば、ホルムベルグ15Aの中心にある超大質量のブラックホールには太陽系が20個分も収まってしまうほどの大きさということになります。

これがどれだけ大きいのか、これまで確認されている超大質量ブラックホールと比較してみましょう。

これまで確認されている最大球の超大質量ブラックホールは210億倍

これまで確認されている中で最も質量大きな超大質量ブラックホールはかみのけ座にある楕円銀河「NGC4889」の中心部で確認されています。

その質量というのが210億倍

私たちが属する天の川銀河の中心にある、いて座A*(いて座Aスター)でさえ太陽質量の400万倍ですから210億倍というのが如何に巨大なブラックホールであるのかが分かります。

今回発見された超大質量ブラックホールはそれを上回る太陽質量の400億倍ですからとんでもなく大きなものであるのかが分かりますよね。

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M87中心のブラックホールのように撮影できるのか?

2019年4月に人類史上初めてブラックホールの撮影に成功しましたが、今回発表された太陽質量の400億倍というとんでもない大きさの超大質量ブラックホールの撮影は可能なのでしょうか?

撮影するには視半径が撮影可能な大きさでなければ無理とされています。

M87中心のブラックホールを撮影するのに世界中の電波望遠鏡を使用して地球規模の仮想口径を作り出し、データを分析することであのようなブラックホールを描くことが出来たといいます。

その分析能力というのが、月面に置いたゴルフボールを確認できるというもの。

それでは今回発表された太陽質量の400億倍の超大質量のブラックホールはどのくらいの大きさに見えるのでしょうか?

当ブログ記事今度は天の川銀河中心の超大質量ブラックホールの動画撮影に挑戦!?を参考に比較してみたいと思います。

M87ブラックホール いて座A* ホルムベルグ15Aブラックホール
質量 太陽の約65億倍 太陽の約400万倍 太陽の約400億倍
半径 200億km 2200万km 1185億km
距離 約5500万光年 約2.5万光年 約7億光年
視半径 4~8マイクロ秒角 10マイクロ秒角 0.8マイクロ秒角
見た目の大きさ
(必要とする解像度)
月面にあるゴルフボール 月面にあるソフトボール 月面にある正露丸

単純に距離と大きさから算出してみましたが、ホルムベルグ15Aブラックホールの見た目は直径は約3.2mmとなったので、正露丸くらいの大きさと判断しました。

これではさすがに撮影は無理でしょうね。

まとめ

撮影するのかしないのかは別にして、何故、このような超大質量ブラックホールが出来たのかを研究を重ねて解明していきたいと科学者達は意気込んでいるそうです。

そもそも超大質量ブラックホールがどのような経緯を辿って形成されたのかはハッキリと解明されていません。

最も多い意見というのが、複数のブラックホールが合体して成長することで超大質量ブラックホールが形成されるというものですが、これまでの観測で確認された質量の小さな恒星質量ブラックホールや大質量ブラックホールの数に比べて大質量ブラックホールに成長する前段階の中間質量のブラックホールの数が少なすぎるということ。

ただ単に何らかに遮られて発見されないのか、あるいは超大質量ブラックホールまでの形成プロセスがまったく違うのか、今後の研究に要注目です。