私達が時折目にする火山の噴火ですが、これは火山の地下にあるマグマだまりから溶岩が噴き出て起こるものです。
真っ赤な溶岩は見ただけでも高温であることは判りますが、その温度とやらはおよそ1千度と言われています。
そんな高温の溶岩が地下から噴き出てくるということは地球の内部にはもっと高温になっているのでは?って想像がつきますよね。
SFの世界ではたまに地下旅行みたいなシーンがあり、地下の温度くらいは簡単に判りそうなものですが、現代科学ではどんな高度な技術を使っても潜れる深さには限度があり実際に測定するのは不可能とされています。
というのも地球の構造上、地中深く潜ると温度が高くなるからです。
今のところは計算でしか地下の温度は判らないそうですが・・・
実際のところはどうなっているのでしょうか?
今回は地球内部の構造と温度について調べてみました。
地球の内部は殆どが1000度以上
地球の半径は6,378kmですが、地面から1km深くなるごとに20~30度温度が上昇すると言われています。
50kmともなると、1000度を超えてくるとも言われ、地球の中心部、地面から6378kmともなると5,000度を超えてくると言われています。
計算によれば地球の中心は5,700度ともいわれ、太陽の表面温度6,000度と大して変わらないくらい超高温になっているようです。
つまり、地球の内部は殆どが1000度以上の高温になっているわけです。
地球の内部構造
ここで地球の内部がどのような構造になっているのか見ていきましょう。
地球は外側から大きく分けて、「地殻」「マントル」「核」といった3つの層から成っています。
大地震で良く耳にする「プレート」は地殻とマントルの一部を合わせたものです。
さらにマントルは「上部マントル」と「下部マントル」、核は「外核」と「内核」に分かれています。
イメージ的には卵に似ています。
地殻が卵の殻
マントルが白身
核は黄身
といったところですね。
それぞれの層の深さと温度
それぞれの層の深さと温度を見てみましょう。
層 | 深さ(km) | 温度(度) |
---|---|---|
地殻 | 35(平均) | ~数百 |
上部マントル | 地殻~670 | 数百~2,000 |
下部マントル | 670~2,900 | 2,000~3,500 |
外郭 | 2,900~5,100 | 3,500~5,700 |
内核 | 5,100~6,378(中心) | 5,700 |
私達人類がが住んでいるところは地殻という層になりますが、これはとても薄く厚さは大陸部で30~60km、海洋部だと僅か5kmくらいしかないそうです。
地殻は花崗岩や玄武岩などの比較的軽い性質の岩石でできており、マントルの上にプカプカ浮いているような状態になっています。
マントルは液体のようなイメージがありますが、個体と認識されており対流を起こしています。
地殻はマントル対流によって常に歪みという“ストレス”を溜めており、東日本大震災のような大地震はこのマントル対流で地殻に歪みが生じてそれを解消しようとする動きにより引き起こされます。
日本列島は数々の険しい山脈がありますが、これはマントル対流による地殻の動きが押しあうことで盛り上がったものと考えられています。
何故地球の内部が冷えないのか?
太陽系が誕生して惑星が形成された直後の地球は表面までドロドロに溶けた状態だったと考えられ、それから地球の表面だけが冷えて固まり内部に熱が閉じ込められた形になります。
その時の熱がまだ残っているために現在まで地下の温度が保たれているのです。
また地球の内部にある天然ウランのような放射性物質が存在し、それが崩壊するときに発生する熱エネルギーによって中心部の高温が保たれているとも考えられています。
もし地球内部が冷えてしまったら磁場が無くなり、地球上の生命は宇宙線に晒されることになり月や火星のように生命が生きていけない環境になってしまいます。
現在の地球内部が冷えていないのはそれなりの熱源があるからで、小さな惑星はそれを維持することが出来ずに早く冷えて固まってしまうと考えられています。
かつて火星にも海が存在していたのに干からびてしまったのは、火星が小さいことで中が冷えてしまったからと考えられています。
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地球内部は少しずつ冷えている
ただ地球内部も少しずつ温度が下がっているとされ、やがて冷えて固まってしまうのではと考えられています。
地球内部が冷えて固まり火山活動や大きな地震も無くなれば人が住むのに安全になると考える方もいるかもしれませんが、地球の内部が冷えて固まってしまえば殆どの生命は生きていけないことになってしまいます。
ただし、地球内部が冷えて固まるのも遠い未来(数十億年後?)のことで、人類は心配する必要はありませんが・・・
それより太陽の寿命が尽きて地球上の生命も死滅する方が先になるかもしれません。
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それにしても地球の中心温度が太陽の表面温度と同じだなんて驚きですよね。
数万年という長い期間にこれだけの多くの命を育むにはそれだけの熱エネルギーが必要なんだということのようです。