隕石はどのくらいの大きさで人類を絶滅させるほどの破壊力を持つの?に書いてあるように、ちょっと前にロシアに隕石が落下して騒動になりましたが、その隕石がどこから来たのかが話題になっています。
ちょっと前までは隕石と言えば火星と木星の間にある「小惑星帯」から一部が飛んでくる物と考えられていましたが、1970年ころから様々な分析により、隕石が形成された年代が定説であった45.5~45.6億年あたりを示す多くの隕石よりも新しいことが判ってきて、しかも地球の鉱物と似た組成であることも確認されたんだそうです。
この結果火星や月に大きな隕石が衝突した時に、宇宙空間に弾き飛ばされた物質が地球に落下してきたものと結論つけられたそうです。
以前南極に落下した隕石が火星から来たものだとの報道がありましたが、何故その隕石が火星から来たものと判ったのでしょうか?
南極ではこうした隕石がたくさん見つかるそうで、これまでもっとも隕石が採取できるのが南極なんだそうです。
報道によると
「火星に小惑星などが衝突して、その衝撃で巻き上げられた物質が火星の引力圏から離れて地球に落下したものと考えられる」
とのこと
この報道を読んで、それだったら金星や水星から来たものではないの?って疑問が湧いてきますよね。
そこでこの隕石が火星から来た“証拠”について調べてみました。
隕石の成分から読み取る
この隕石が火星から来たという根拠に隕石に含まれている「希ガス」と呼ばれる地球には無いガスが閉じ込められていたんだそうです。
この希ガスを分析したところ、かつてNASAのバイキング計画によって得られた
火星の大気組成と似ていることが確認されたからだそうです。
これで月や金星、木星などから来た隕石で無いことは判りました。
ではなぜ南極でこうした隕石がたくさん見つかるのでしょうか?
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南極に落下する隕石は汚染され難い
落下した隕石を調べるためには、できるだけ地球の環境に汚染されていない状態のものが求められます。
隕石は何も南極大陸だけに落下しているのではなく、他の地域にも落下しているはずです。
しかし他の地域に落下すると汚染云々以前に地球の砂や石と区別するのはかなり難しいとされています。
南極なら多くが氷で覆われているために発見しやすいからというのが理由です。
火星が地球のすぐ外側を公転しているから
これまで火星から来た隕石が見つかっていますが、水星や金星から来たとされる隕石は確認されていません。
これには理由があります。
火星は地球のすぐ外側を公転しています。
火星に何らかの衝撃があれば、飛び散った物質は太陽の引力によって内側、つまり地球の軌道方面に向かってくると考えられます。
そのうちの一部の物質が偶然地球に落下したものと思われているのです。
仮に似たような現象が水星や金星に起こったとすれば外側を公転している地球に向かってくることは、ほとんど無いと考えられているのです。
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月から来た隕石もある
火星から隕石が飛んできたなら月から飛んできた隕石は無いの?と思うでしょう。
これまではあまり報道されていませんが、すでにいくつかの「月起源隕石」が発見されているのです。
資料によると計2Kgもの月起源隕石が発見されているそうです。
発見場所はやはり殆どが南極大陸だそうです。
ちなみに月には大気がありませんから、月に降り注ぐ太陽風により水素やヘリウムが多く含まれているそうで、これから月起源隕石であると結論付けられるんだそうです。
中には月の裏側から飛んできたとされる隕石も発見されているようです。