宇宙望遠鏡により太陽系外惑星が次々と発見されている中、ついに環を持った惑星が発見されたとの発表がありました。
これはオランダとアメリカの天文学者が発表したもので、史上初とのこと。
その規模は土星の200倍もの環を持った惑星なんだとか。
今回は土星の200倍もの巨大な環を持った惑星についてご紹介します。
環の層は土星と似るも、大きさは200倍
その環を持った惑星は「J1407b」と命名されたそうですが、太陽系の土星のようにいくつもの層からなる環を持っているようです。
恒星「J1407」の周りを公転しているので「J1407b」と命名されたみたいですが、まだ生まれたばかりの天体だそうで、年齢は1600万歳だそうです。
その環の層が30くらいあるとのことでこれも土星と同じですね。
注目すべきはその大きさで、何と土星の環の200倍といった大きさです。
仮にその環が土星にあったとすると地球からは満月の数倍の大きさに見えるそうです。
観測方法は従来通りで母恒星の全面を通過するときの光の変化を通して確認する方法だそうですが、詳しく分析して環の存在を確認したそうです。
それにしても環の層が30もあるなど、そこまで分析できるようになったとは驚きです。
ただし、まだ主星の全面を一回しか通過していないので、懐疑的に見ている科学者も多いそうで、今後の観測により確かなものにしたいと言っているそうです。
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光が明減したことで環と判断
もちろん環を実際に望遠鏡で確認できたわけではないので推測にすぎないわけですが、それにしてもいったいどうやって環と判断したのでしょうか?
話によると「光度曲線」と呼ばれる曲線がそれまで見たことが無い変化の仕方をしたためにチームで精査してこれは環以外は考えられないという結論に達したようです。
ちなみに、この発表は天文専門誌「アストロフィジカル・ジャーナル」への掲載が承認されているとのことですから根拠のない話ではないんでしょうね。
環の幅は6000万キロ
先にも書きましたがこの「J1407b」の環はとてつもなく大きいのですが、何と6000万キロもあるとのこと。
地球の公転軌道から金星の公転軌道までが7000万キロですから、それに近い大きさの環ということになります。
それにしても大きいですよね。これだけ環が大きいということは惑星自体も相当大きいはずです。
何と太陽系最大の惑星である木星の約10~40倍もの質量を持っている可能性が高いそうです。
観測データで太陽系形成が推測できる
今回の発見で6000万キロの幅を持つ環が発見され、それが1600万年しか経っていないことが確認されたことで宇宙で惑星の形成プロセスのイメージが出来上がったといいます。
つまり、宇宙空間に存在するガスや塵でできた宇宙雲が自らの重力で星が出来上がり、それを取り巻く残骸が円盤状になって、その後衝突、合体を繰り返して惑星になり、惑星の環が同じようなプロセスで衛星になったということです。
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太古の地球にも環があったかも
これは私が勝手に想像しているものですが、月が出来たのは「ジャイアントインパクト説」が最も有力な説ですが、衝突直後に地球の周りをしばらく破片が公転していたとされています。
それが数百万年の間に一つにかたまって出来たのが月であるとされていますが、もしそうだとしたら月が形成されるまでは地球も土星みたいに環が存在していたのではないでしょうか?
探査機が環を発見している木星、天王星、海王星でも昔は大きな環を持っていたかもしれません。
また、逆に考えれば土星の環も今後数百万年後には消滅して衛星に変化しているかもしれないということです。
ということは現在土星には2009年1月までに63個発見されていますが、環が衛星に変化したら100個以上になっているかもしれませんよ。
木星、天王星、海王星も完全に環が消滅して、衛星の数も増えているでしょう。
2020年東京オリンピックが開催される年に「はやぶさ2」が小惑星のサンプルを持ち帰ってくる予定になっていますが、分析結果によっては太陽系の形成起源が判るかもしれないといわれています。
今回の「J1407b」発見も含めて太陽系形成起源がある程度は確立されることになるのではないでしょうか。