東京から観たカノープス
東京から観たカノープス 出典:Wikipedia

カノープスという名の星をご存知ですか?

天文に興味のある方にはよく知られた恒星の一つですが、これがなかなか観ることができないだけに一度は観てみたいと興味を引かれる星でもあります。

また、カノープスを観ると長生きするといういい伝えがあることから縁起のいい星としても魅力的な存在です。

何故、観ることが困難というと、南の低い位置にしか観えないから。

つまり南北に長い日本列島では北日本では観る事ができないということ。

また、めったに観る事ができないだけに位置関係もよく分からないという人もいます。

そこで今回はカノープスの位置関係と観られる日時、恒星としての特徴などを解説します。

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カノープスの観測は冬限定

カノープスは南の低い位置に時間的にも非常に短い時間帯でしか観測できないことから、年間でも11月中旬から3月中旬くらいまで、つまり冬限定ということになり、防寒しておかないと辛いかも知れません。

また観測できる位置というのが最北限は単純計算では北緯37度18分とされていますが、星の光は大気中を通過してくる間に屈折し、若干浮いて見えるので観測できる北緯も違ってきます。

また低い位置で観測するため大気を通過する距離も長くなるためさらに大きく浮いて見えるとされているため実質的にカノープスが見える場所というのは北緯37度50分とされており、地名で言うなら福島県あたりとなります。

ただしこれは平地でのことであり、標高が高い場所ならさらに観易くなりますから、カノープスが観られる北限も変わってきます。

もちろん沖縄であればカノープスの位置も10度以上も高くなるのでより簡単に観る事ができます。

ちなみに観測場所が東京なら11月上旬から3月上旬までが観測できる期間ですが、

11月上旬なら深夜3:00~4:00
3月上旬だと夜19:00~20:00

といった短い時間帯でしか観ることができません。

夜8:00の観測を狙うなら2月の下旬が最適です。

そのときの画像がこちら
カノープスの位置関係

カノープスの位置関係は画像を見ていただければ分かると思いますが、冬の大三角であるオリオン座のベテルギウス、こいぬ座のプロキオン、おおいぬ座のシリウスからの位置関係で見つけるのが最もポピュラーな探し方です。

シリウスからプロキオンとベテルギウスを結んだラインに垂直に交わるポイントからシリウスを通過点としてまっすぐ下方を辿っていけばば見つかると思います。

ただし光害や大気汚染をはじめ、長距離大気を通過してくるために-7等級といった明るさの割には暗く見えるので、天候の良い空気の澄んだ日を狙うのが良いでしょう。

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カノープスの観測は南が海の場所が最適

カノープスを観測するにはやはり南が開けた場所が望ましいです。

日本であれば太平洋沿岸が南に障害物が無い上に、光害も少なく空気も澄んで綺麗なのでカノープスの観測に適しています。

高層ビルやスカイツリーなどの展望台がカノープスの観測に適しているといった考え方もあるようですが、そういった場所は大気汚染や光害が酷いため、たとえ南が開けていても見え難い可能性が高いのでお勧めできません。

カノープスが観測できる北限の福島県から沖縄の那覇までそのくらい高度が違うのかご覧ください

カノープスが観測できる場所の高低差
出典:国立天文台

私は45年ほど前に一度だけ観たことがありますが、地元の名古屋から南が開けた高台から見ただけでなく、今のような光害が当時は少なかったことや、天候が良かったことが幸いしていたと思います。

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カノープスを観ると長生きできる理由

七福神

カノープスは南の低い位置に顔を覗かせるように観測し難い上に、赤っぽく見えることから中国では古くから「南極老人星」や「寿星」と呼ばれ、南極老人星は、日本の七福神の寿老人あるいは福禄寿の元になった神様とされることから、カノープスを見た者は長生きできるという伝説が生まれたといいます。

昔からなかなか観られない星を、しかも寒い冬にしか見られないといった厳しい条件下で長生きしてでも観る価値があるとして、代々言い伝えられてきたのでしょう。

動画で分かりやすく解説:BBC 神秘の大宇宙 DVD全9巻

カノープスの基本データ

カノープスは南天の星でりゅうこつ座の一つを形成している恒星です。

明るさは-0.7等級と全天で最も明るいシリウスの-1.5等級に次いで太陽を除いて2番目に明るい恒星です。

カノープスの色は、日本からは低い位置にしか見えないことから大気中を長距離通過してくるため赤っぽく見えますが、実際は白っぽい色をしており温度も高いとされています。

カノープスは地球から309光年離れていますが、地球から8.6光年しか離れていないシリウスの次に明るいということは、それだけ質量が大きいということ。

カノープスの質量は太陽の8倍と大質量の部類に入る恒星です。

シリウスの質量が太陽の2倍と地球に近いことで明るく輝いているだけで、 カノープスが309光年離れていてもシリウスの次に明るい-0.7等級でいられるのはそれだけ質量が大きいということです。

カノープスの質量が太陽の8倍ということは、将来赤色超巨星となりやがて超新星爆発を起こすものと考えられます。

寿命は1億年と太陽の100億年に比べて非常に短いと考えられますが、現在白っぽく輝いているということはまだ若い証拠であるということで寿命を迎えるのはまだまだ先といえます。

カノープスを観ると長生きできるという言い伝えがありますが、カノープス自身はまだまだ若いというのが何となく皮肉に感じるのは私だけでしょうか?

一度だけカノープスを観ている私は本当に長生きできるのか・・・

あと30年も経てばハッキリするでしょう。