地球の計測

地球の直径ってどのくらいかご存知ですか?

赤道方向で約1万2756km、北極と南極極地点で約1万2714kmで、平均すると1万2742km

それでは大昔の人が地球の直径をどうやって割り出したのかはご存知ですか?

太陽や月は実際に観えるので直径を求めることは容易いような気がしますよね。

ところが地球に住んでいる当時の人が宇宙から地球を観測するわけにはいきません。

現代科学なら容易いことですが、これが数百年前の空を飛ぶことさえ出来ない時代となるとそう簡単ではありません。

今回は昔の人があみだした地球の直径の求め方についてのお話です。

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地球の直径は太陽の光から計測・算出

エラトステネス
エラトステネス 出典:Wikipedia

現代なら人工衛星も数多く飛び、レーザー技術も発達していますから地球の直径などは意図も簡単に算出されます。

しかし時は紀元前となると人工衛星などもちろん飛んでいませんし、地球の直径なんて想像もしていなかったでしょう。

したがって当時の人は身の回りのあらゆる知識を駆使して割り出すしかありません。

それを実践したのが、ギリシャのエラトステネス

ヘレニズム時代の前3世紀を生きていた人文科学と自然科学の両方に通じた大学者だったそう。

天文学、地理学、数学に精通した学者だったとの事で、地球が丸いということは太陽や月の動きによってすでに理解していたそうです。

そんなエラトステネスが利用した原理とは、深い井戸と距離の離れた場所に立てた棒の影です。

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地球の直径は中学程度の数学で計算可能

地球の直径を計算する方法としては太陽の光を利用し、その影を測定することで算出されます。

エラトステネスが実際に行った方法が次のような考え方です。
地球の直径を算出する考え方

簡単に解説すると、毎年夏至の正午に太陽が真上から照らされたときにシエネの井戸の底まで影を作ることなく光が届いたのを確認し、そのとき当時の距離で5000スタディア(1スタディアは178m)離れた位置にあるアレクサンドリアに立てた棒の影の長さから7.2度を計測し、数学で影の角度と地球中心の角度は「相似」の関係にあるため同じ7.2度と判断できます。

その角度で360度を割ればシエネの井戸からアレクサンドリアの棒までの角度の倍数がわかります。

すでにわかっているシエネの井戸からアレクサンドリア棒の位置までの距離に角度の倍数を掛ければ地球の円周がわかりますから、後は円周率の3.14で割れば直径を求めることが出来るというわけです。

実際に計算してみると、シエネの井戸からアレクサンドリア棒までの距離は

5000×178m=890000m=890km

となります。

この距離の角度は7.2度ですから地球の円周の何分の一かは

360度÷7.2度=50

となります。

つまりシエネの井戸からアレクサンドリアの棒までの角度は地球全体の50分の一ということになります。

ここから

890km×50=44500km

となり、地球の円周は44500kmが算出できました。

地球の直径は数式「直径×3.14=円周」より円周を円周率3.14で割れば算出できますから

44500km÷3.14=14172km

となります。

実際の地球の直径は約1万2714kmですから約10%の差が生じたことになります。

また冒頭でも書いたとおり地球は完全な球形ではなく赤道方向の方が遠心力で膨らみ、南極と北極方向のほうが小さくなっています。

シエネの井戸からアレクサンドリアの棒まではほぼ南北の位置にあるので、北極と南極極地点で約1万2714kmでもその差は1458kmとこれも10%くらいの差となります。

大きな差があるように感じますが、当時の測定方法からすれば10%は誤差の範囲内と言えるでしょう。

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2地点のい距離は歩いて測った?

ここで一つ気になることがあります。

それはシエネの井戸からアレクサンドリアの棒までの890kmという長い距離。

890kmといえば日本では直線距離にして東京から九州北部までの距離に匹敵しますから、当時の科学では計測は困難のはず。

ところが当時シエネのからアレクサンドリアを行き来している商人が居たとされ、1日に歩く距離から片道何日かかるのかを計算して距離を割り出したのだそうです。

890kmを歩いて商売をするなんて当時の人はなんてタフなのでしょうか・・・

現在は地球の直径は人工衛星からの測定で容易く割り出せる

このように紀元前に生きた当時の科学者が太陽光の影と数学を駆使するなどして割り出してきた地球の直径も、科学技術の発達した現在であれば容易いことで、人工衛星による測定で簡単に割り出せるようです。

現在人口衛星により地上の形状までもレーザー計測器で簡単に測量可能ですし、地上からは地震の深さ何キロと震源地までも瞬時に分かる時代です。

もっとも人工衛星の時速と一周にかかる時間、地上から何キロ上空を飛行しているのかが分かれば、中学程度の数学で計算できますが・・・

それにしても昔の人は身の回りにあるものだけを利用してとんでもないものを割り出していたんですね。

エラトステネスが生きていた時代は日本では弥生時代がはじまったばかりで、歴史上の登場人物も記憶にありません。
(おそらく無い?)

エラトステネスが如何に大きな功績を残したのか分かりますよね。