土星の特徴

太陽系で最も美しいと言われる惑星は、何と言っても大きな環がある土星ですよね。

天文に興味を持っている人なら一番初めに天体望遠鏡で見てみたいと思うのではないでしょうか。

さてその土星ですが、天体望遠鏡を購入する時の基準になっているようで、「何倍なら土星の環が見えますか?」という質問がよく聞かれます。

簡単に言えば、土星の環を見るだけなら30倍もあれば見ることが出来ます。

口径にして40mmといったところでしょうか。

これくらいの天体望遠鏡ならかなり安くて、組み立てキットであれば3千円代から売られています。

しかし、土星の環はいくつもの層に分かれていて、口径が40mmの天体望遠鏡では見ることが出来ません。

天体写真集で見るような土星の画像は、口径が最低でも80mmを超えるくらいの天体望遠鏡を使って撮影されたものがほとんどです。

土星の環はいくつもの層に分かれていますが、一番はっきり見えるのが「カッシーニの間隙」と呼ばれる部分です。

このカッシーニの間隙を天体望遠鏡でみたいとなると口径は80mmくらいは必要でしょう。

ちなみに私が子供のころ初めて天体望遠鏡を親に買ってもらった時に、口径が60mmでしたが、初めて土星を見た感想は「本当に環があった」でした。

もう40年くらい前のことなので記憶があいまいですが、確か環と土星本体の隙間までしか見えなかったと思います。

それでも初めて土星の姿を見た時には感動しましたが・・・

初心者向け天体望遠鏡

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土星の環が消えることもある

あまり知られていませんが、土星の環は15年に一度消失します。

消失といっても本当に消えるのではなく、地球から見て環が消えてしまったように見えるということです。

これを「環の消失現象」と呼んでいます。

これは土星は公転面に対して自転軸は25.33°傾いていて、この傾きが変わることなく太陽の周りを公転しているため、土星の赤道面に位置している環は地球から見て真横から見る形になってしまうからです。

土星の公転周期が30年ですから15年に一度「環の消失現象」が見えるということになります。

前回「環の消失現象」が見られたのが2009年ですから、2024年に再び「環の消失現象」が見られるということになります。

またこの現象は地球の位置に関係なく、太陽の光が環を真横から照らすことでも見えなくなります。

どうして真横から見ると環が消えてしまうように見えるのかというと、土星の環の厚さは僅か20mしかないからです。

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2015年の土星の環は絶好の観測対象

「環の消失現象」とは対照的に環が最大に傾いた時は絶好の観測位置となります。

2009年と2024年に「環の消失現象」が見られるということは、その中間である7.5年後、つまり2016年から2017年にかけて環の傾きが最大に見えるということになります。

このときに土星の環が最大に見えるわけですから絶好の観測時期でもあるんです。

倍率は100倍程度がもっとも見やすいと思います。

口径が80mmの天体望遠鏡でいくら倍率を上げてもただ大きく見えるだけで、ぼやけた土星の環にしか見えません。

2015年5月の土星はてんびん座とさそり座の境に位置

土星は2015年5月現在てんびん座とさそり座の境付近に位置していて、5月23日には衝となってこれまた絶好の観測位置となります。

衝とは地球から見て太陽の真反対に位置することになりますから、一晩中観測できることになります。

5月23日の21時ころになると南東の比較的低い位置に見えます。

明るさは1等級と明るいので一目で判ります。

土星の環も25度くらいは傾いて見えるので、
家庭用天体望遠鏡でも環が土星本体を取り巻くような姿が神秘的に見えますよ。

もう少し大きな口径(100mm)の天体望遠鏡ならカッシーニの間隙が観測できると思います。

また土星には65個の衛星がありますが、その中でも大きな衛星である「タイタン」は、8等級なので小さな天体望遠鏡でも観測することが出来ます。