宇宙服

国際宇宙ステーションでは多くの宇宙飛行士が日々それぞれの業務にあたり、地上への報告がされていますよね。

私服?での船内活動や、所定の宇宙服に身を包んでの船外活動と、リスクの高い宇宙空間での働きぶりは頭が下がるばかりです。

中でも宇宙空間での作業は命綱が頼りだけでなく、予想もしない事故に見舞われることも少なくないとか・・・

ヘルメット内に不具合が生じて前面が曇り、何も見えなくなったり、水漏れでヘルメット内に水が溜まって窒息寸前になる事例も報告されています。

そんな危険に晒される宇宙空間での作業から宇宙飛行士の命を預かるのが宇宙服。

宇宙飛行士の命が危険に晒されることはあってはならないだけに重装備の宇宙服にはそれだけ費用もかかるはず。

いったい宇宙服の値段と重さははどの位するのでしょうか・・・

今回は宇宙服について調べてみたのでご紹介します。

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宇宙服にも種類がある

一口に宇宙服といってもその状況によって使い分けがされています。

それが船内作業用宇宙服船外活動用宇宙服です。

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船内作業用宇宙服は打ち上げ、ドッキング、分離、帰還時に着用

船内作業用宇宙服は宇宙飛行士がロケットに搭乗して宇宙ステーションに到着するまで、また、地球への帰還時に万が一のときに備えることが出来るように考えられた宇宙服で、ある程度の減圧や熱に耐えられるように設計されています。

現在宇宙ステーションへ向かうにはロシアのソユーズが唯一の手段のため、宇宙飛行士に使われているのがロシア製の「ソコル宇宙服」です。

どのような装備があるのかというと、たとえば、宇宙船に穴が開いて急激に減圧してもソコル宇宙服内には自動的に酸素が供給され、操縦を続けることができるそうです。

また船内で火災が発生したときには一時的に船内の空気を抜いて火を消しとめる作業も想定しているといいます。

宇宙飛行士の命を守るためにソコル宇宙服は重要な役割を担っているといえます。

船外活動用宇宙服は“小型の宇宙船”

現在船外活動用宇宙服は、アメリカ製のEMU(イーエムユー)スーツ、ロシア製のオーランスーツがあります。

もちろんどちらも宇宙飛行士の生命を守るために、酸素を供給するタンクやバッテリーを内蔵しているとのこと。

また宇宙飛行士は体全体にチューブが張り巡らされた冷却下着を身につける必要があり、体を冷やしながら作業します。

宇宙空間は日光が当たる場所は120℃、あたらない場所はマイナス150℃と過酷な環境となっています。

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宇宙服内は太陽光が当たらなくても宇宙飛行士自らの体温である程度温まりますが、いったん日光が当たれば温度は急上昇します。

そのために冷却装置は必需品なのです。

正に船外活動用宇宙服は“小型の宇宙船”といわれるくらい宇宙飛行士の命を守る多くの設備が整っているのです。

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アメリカとロシアで違う船外活動用宇宙服の構造

アメリカとロシアでは船外活動用宇宙服の構造がまったく違います。

アメリカの船外活動用宇宙服は三分割で着用に時間がかかる

たとえばアメリカのEMUスーツはヘルメットと上半身、下半身の3つに分割された構造となっており、通常の服を着るような感覚で装着することになります。
EMUスーツ

ただし、一人では装着できないので他の宇宙飛行士に手伝ってもらう必要があり船外活動をする準備だけで数時間もかかります。

ちなみにアメリカの宇宙服は、船外活動用と月面作業用とで使い分けているようで、宇宙ステーションで使用する船外活動用は腰から下は固くなっていて曲がらないように作られて居るのに対して、重力が存在する月面で作業は歩くことをはじめとして可動部分が多い設計となっています。

ロシアの船外活動用宇宙服は自分で着用できる

一方ロシアのオーランスーツは背中に入り口用のドアが付いているのでそこから入り込むだけで着用完了となり、自分でレバーを引くと背中のドアが閉まる仕組みになっているので自分ひとりで着用可能です。

オーランスーツ
出典:Wikipedia

どちらのスーツも船外活動中には一気圧より低く酸素100%で保たれています。

その理由は、一気圧で宇宙空間に出ると気圧の差でパンパンに膨れ上がってしまい、関節が曲がらなくなってしまうからだそうです。

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宇宙服の重さは100kg以上

酸素のタンクやバッテリーを内蔵しているなど、“小型の宇宙船”といわれる船外活動用宇宙服は総重量はどのくらいあるのでしょうか。

アメリカのEMUスーツは総重量120kg、ロシアのオーランスーツは112kgとどちらも100kgを超える重量となっていますが、無重力での作業を考えると重量はどうでもいいのかもしれませんね。

ちなみに日本でも国産の宇宙服の開発を検討しているようで、目標は20kgだそうです。

現行で120kgの宇宙服を20kgまで軽く出来るものなんでしょうか・・・

これだけの数字を出してきたということはそれだけ自信があるのかもしれませんが、日本の技術なら可能かもしれませんね。

宇宙服の値段は10億円

船外活動用宇宙服は高価なスーツになることは分かりますが、いったいどのくらいするのでしょうか。

JAXAによるとアメリカ製の船外活動用宇宙服は1000万ドル(1ドル110円で換算すると11億円)するといいます。

しかも船外活動には細かな作業を必要としているため宇宙飛行士ごとにグローブが作られ、これが20,000ドル(220万円)するとのこと。

これだけ高価な宇宙服も身長制限があり165cmの身長が求められるそうです。

新型乗用車の開発で数十億円かかるとされるようですから、宇宙服を開発して製造するのに11億円もかかるのは驚くことでも無いかもしれませんね。

まとめ

一着が120kgで値段は11億円と、重さも値段も超重量級!

地上400kmといった高度での、しかも無重力の宇宙空間という危険な環境での作業だけに、これだけ高価な宇宙服でも一人の命を守ると考えれば安いのかもしれませんね。