暗黒星雲

宇宙の話題になるとたまに出てくる「暗黒星雲」

なにやら不気味な名前ですが、暗黒って呼ぶからには真っ暗で目には見えない星雲?

最近よく耳にする「ダークマター」のことなのか?

なんて思い込んでいる人もいるのではないでしょうか?

今回はそんな暗黒星雲とはどのような天体で、どのような特徴があるのか調べてみたのでご紹介します。

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暗黒星雲の特徴

暗黒星雲とは星間ガスや塵などの星間物質が密集した領域の事で、光を吸収してしまう性質があるため恒星の光を反射しないため真っ黒に見えます。

「暗黒」と呼ばれているだけに「ダークマター」のことだと思い込んでいる人もいるようですが、まったくの別物でいくつかの画像も公開されています。

自ら光を発することが無いため、背後にある星雲や恒星の光を遮ることでその存在が確認されています。

暗黒星雲のイメージ動画があります。


天の川銀河紀行(出典:国立天文台)

天の川銀河のイメージ動画ですが、時折前方を横切る暗黒星雲がよく分かります。

暗黒星雲の有名どころでは、わし星雲M16の中央部に柱のようにそびえ立つ「創造の柱」と呼ばれる暗黒星雲や、オリオン座にある馬頭星雲がよく知られています。

わし星雲M16の創造の柱
わし星雲M16 (出典:NASA)
馬頭星雲
馬頭星雲 (出典:NASA)

 

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暗黒星雲は低温度で高密度

恒星の多くは暗黒星雲の中で誕生するといわれていますが、その理由は暗黒星雲が低温で高密度ということとされています。

正に次々と星が生まれる領域の事で、「暗黒」というイメージからは想像もつかない領域なんですね。

そもそも恒星は低温の濃いガスや塵が混ざり合って収縮されることで形成されていくのです。

暗黒星雲の温度はマイナス260度しかなく、低温だけに様々な分子が存在しやすい環境です。

たとえば、水、アンモニア、アルコール、一酸化炭素、メタンなど、多くの分子が観測により確認されています。

これらのことを「分子雲」と呼び、銀河に観られるガスや塵なども含めて、これらを総称して「星間雲」と呼んでいます。

暗黒星雲は銀河のディスクに沿って分布している

暗黒星雲は銀河のディスクに分布されており、これは天の川銀河も同様です。

濃密な暗黒星雲は光を通さず後方を遮るので暗黒星雲の向こう側を観測することは出来ません。

しかし暗黒星雲で遮られているのに天の川銀河の棒状渦巻銀河であることは分かっています。

何故でしょうか?・・・

それは暗黒星雲は光は通過できませんがマイクロ波は通過するからです。

天の川銀河の水素が出すマイクロ波を観測することで全体像が分かってきたといいます。

 

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暗黒星雲は散光星雲と同じ星間雲

暗黒星雲とよく比較される星雲に「散光星雲」がありますが、散光星雲も暗黒星雲と同じ星間雲で、両方とも不規則な形をしています。

しかし散光星雲と決定的に違うのは星に照らされて輝いているのに対して、暗黒星雲は光りを出さないということ。

なので暗黒星雲は背後に散光星雲のように星が無いとその姿が確認できないということ。

暗黒星雲内の密度が高い領域で自らの重力により収縮して行き、収縮がある一定の値に達すると核融合が起こり恒星が誕生します。

こうして誕生したばかりの恒星のことを「原始星」と呼んでいますが、原始星は暗黒星雲に囲まれているために見る事が出来ません。

恒星は核融合により紫外線を放出します。

紫外線は周囲の暗黒星雲を電離させる働きがあるため、電離した水素分子が輝き始め、暗黒星雲もやがて輝くようになります。

こうして輝いている星雲のことを「散光星雲」と呼んでいます。

散光星雲として最も有名なのがオリオン座大星雲M42です。

オリオン座大星雲

パッと見は超新星爆発でもしたのではないかという姿ですが、この中で新たな恒星が生まれていることで知られています。

地球から暗黒星雲までの距離

地球から観測できる暗黒星雲はいくつもありますが、どのくらいの距離があるのでしょうか。

暗黒星雲は後方の恒星を隠すことから構成よりかは手前にあることは分かります。

それだけでは正確に距離を知ることは出来ませんよね。

これを知るには暗黒星雲によって隠された恒星の明るさを、周辺の恒星と比較することで計測できるそうです。

ちなみにわし星雲M16の「創造の柱」までの距離は約7000光年、馬頭星雲までの距離は約1300光年とされています。

天の川銀河の直径が10万光年で、太陽系は中心から2万6千光年のところに位置していることを考えれば、どちらの暗黒星雲も地球からすぐ近くにあり、天の川銀河内の星雲であることが分かりますよね。