お葬式といえば殆どが形式ばった形で取り行われ、「○○家の墓」と刻まれてた墓石の下で眠ることになりますよね。
ただ葬儀の形も日々進化しているようで、ドライブスルーのお葬式まで登場しようとしています。
ちょっと前からはインターネットでろうそくに火をつけて故人に手を合わせたりと、葬儀の世界は大きく様変わりしてきました。
そんな葬儀の世界で数年前から実際に行われている宇宙葬が評判になっています。
当ブログでも依然、宇宙葬の料金はどのくらいなの?でご紹介しましたが、近頃は有名人も利用するようになってきたようです。
元巨人の富田勝さんも宇宙葬で宇宙に昇って行ったことが話題になっていますが、宇宙とは無縁の有名人が利用していることに意外性を感じますね。
そこで富田勝さんが宇宙葬を選んだ経緯が気になって調べてみました。
富田勝さんは4球団を渡り歩いた元プロ野球選手
ここで富田勝さんの経歴について見ていきます。
生年月日は1946年5月26日、大阪出身で興國高校時代には甲子園の決勝まで進出した経験もあるとか。
大学時代は法政大学に進学し、東京六大学リーグでは3度の優勝に貢献したそうです。
あの田淵幸一さん、山本浩二さんと「法政三羽ガラス」と呼ばれたそうで、内野手として活躍。
その後、1968年にドラフト1位で南海ホークスに入団し、一年目から75試合に出場し翌年にはサードに定着してレギュラーを確保。
23本のホームランを放ち、最終試合には4番として先発出場を果たしたそうです。
しかし、その後は打撃の伸び悩みや故障もあって、衰えの見える長嶋茂雄の後継者候補として1973年巨人に移籍。
日本シリーズでは怪我で欠場した長嶋茂雄の代わりにサードで5試合に出場し9連覇に貢献。
その後チーム内の不和や成績が振るわなかったこともあり日本ハムに移籍し打率3割を二回も記録するなど活躍を見せるも、4年後に中日選手との交換トレードで中日に移籍。
当時の監督は星野仙一さんでしたが、星野監督がかねてからライバル視している巨人からホームランを放ち、史上2人目の全球団からホームランを記録しています。
引退後は野球解説者やタレント活動をしていたそうですが、その後野球界から去り、大阪で警備会社を経営して100人もの従業員を抱えるなど、見事成功していたそうです。
しかし2015年5月26日に肺がんのため68歳で死去。
葬儀は大阪にある「やすらぎ天空館」で営まれ、関係者200人が参列し別れを惜しんだとか。
故人の意向で宇宙葬に
これまで経歴を見ると宇宙とは無縁なんですが、何がきっかけで宇宙葬を選んだのか・・・
「銀河ステージ社」のHPにも掲載されていますが、富田勝さんのご家族の希望のようで、空からファンを見守ってほしいとの願いから宇宙葬が選ばれたみたいですね。
生前予約には女優の島田陽子さんの名前がありますね。
銀河ステージ社によれば、すでに宇宙飛行士や天文学者、俳優などの遺骨が宇宙空間に打ち上げられているそうです。
宇宙葬の問題点
近年宇宙開発の加速とともに宇宙ゴミが増えすぎて大きな問題になっていますが、宇宙葬も言い方を変えれば宇宙ゴミともいえるわけで、こうした考え方に対してどのように考えているんでしょうか?
ただ、宇宙に遺灰を打ち上げると言っても、殆どがすぐに大気圏に再突入させる仕組みになっているみたいで、年間数回打ち上げるくらいでは宇宙ゴミと言えるかどうか・・・
しかも大気圏で“火葬”されるわけですから、故人が流れ星になると思えば最高の弔い方かもしれません。
宇宙葬の費用はどのくらい?
気になる費用ですが、様々なプランがあり、その内容によって違ってきます。
たとえば、「宇宙旅行プラン」であれば45万円からで、高度100kmの宇宙空間まで打ち上げてその後大気圏に再突入させて火葬するというものです。
「人工衛星プラン」であれば95万円からで、地球を周回する軌道に乗せて最長240年回り続けるというものです。
その他には「月旅行プラン」や「宇宙探検プラン」なら250万円となっています。
打ち上げ時に遺族の立ち合いも可能ですが、アメリカで打ち上げるために現地までの渡航費は自費になるので注意が必要です。
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いずれは大気圏で焼き尽くされて消滅
通常日本での火葬は骨が残りますが、一般的な宇宙葬ではいずれ大気圏に再突入するので全ては消滅して、まさしく“流れ星”になります。
かつてはど根性アニメ「巨人の星」で夢中になった野球好き世代は、富田勝さんもこれで本当に巨人の星になれたと感じるかもしれませんね。
もしこれが不満なら月まで運ぶプランもあるので、これならほぼ永遠に残ります。
月が見える場所ならいつでもどこでも手を合わせることが出来るので遺族の方は癒されるかもしれませんよ。
前もって月の土地を購入しておけば完璧かも!(^^)!
将来は宇宙エレベーターで火星に送ることが出来る?
現在日本ではゼネコン大手の大林組が2050年の運営開始を目指している宇宙エレベーターの開発を行っていますが、様々な諸問題をクリアしながら実験は継続しているようです。
もし全ての問題がクリアされて宇宙エレベーターの開発が実現すれば、地球を周回する軌道に乗せたりするのにロケットを必要とせず、宇宙葬もかなり安価で簡単にできると考えられます。
また、地球の周回軌道だけでなく火星に向けて放出させることも可能で、2年2カ月ごとに地球に接近する火星に骨を埋めることも可能になるでしょう。
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